タタールのくにびき -蝦夷前鉄道趣味日誌-

現在、札学鉄研OB会ブログから筆者投稿の記事を移転中です

Top Page › 北海道 › 根室本線別当賀駅 アラビア語が書かれた駅ノート
2018-12-11 (Tue) 06:55

根室本線別当賀駅 アラビア語が書かれた駅ノート



根室管内は根室市別当賀にある、JR北海道の別当賀(べっとが)駅。
根室本線東根室~根室間の「花咲線」に属しており、根室市街から南西に20km以上離れた広大な草原地帯にポツンと佇んでいます。
駅前には1998年3月に閉校した別当賀小学校の校舎を再利用し、2003年4月にオープンした生涯学習施設「別当賀夢原館」があります。
別当賀夢原館は3人以上のグループに限り宿泊利用が可能で、1泊の宿泊費は大人1人当たり通常420円、暖房使用期間540円と驚きの安さ!
20人以上の団体に関しては通常330円、暖房使用期間430円で1泊できます。
調理室・食堂やバーベキューハウスもあり、シャワー室は1人1回100円で利用可能です。
この他には牧場や日本製紙の社有林がある程度で、お店は何もありません。
駅の南側には日本野鳥の会が野鳥保護区に指定しているフレシマ湿原が広がり、1970年代からタンチョウヅルが繁殖している事で知られています。


JR北海道 国鉄 ヨ3500形 貨車駅舎 車掌車 花咲線


別当賀駅は1920年11月、国鉄釧路本線厚床~西和田間の延伸開業に伴い一般駅として設置されました。
釧路本線は1921年8月の西和田~根室間延伸に伴い、根室本線に改称されています。
1979年7月には貨物取扱い、1984年2月には荷物取扱いが廃止。
1986年11月に簡易委託化され、どうやらこの頃に交換設備も撤去されたようです。
1987年4月の分割民営化に伴いJR北海道が継承。
1992年4月に簡易委託が廃止され、完全無人化されています。
現在は根室駅が管理する無人駅です。

さて、住所に登録された別当賀の正式な読みは「べっとが」で、根室市役所も別当賀夢原館や市営別当賀墓地に「べっとうが」の読み仮名を振っているのですが、駅名の方は「う」が脱字した「べっとが」となっています。
旭川市の前身である旭川村が「あさひかわ」を正しい読みとしたにも関わらず、旭川駅の読みが83年間も「あさひがわ」であったように、こちらも国鉄当局の怠慢により間違った読み仮名が採用されてしまった訳です
旭川駅の方は読み仮名を訂正するよう求める市民運動があり、分割民営化後の1988年3月にようやく実現したのですが、別当賀は一向に訂正される気配がありません。
地元住民もJR北海道に対し特に訂正を求めていないようなので、このまま存置され続ける事になりそうです。





旧駅舎は1986年11月の簡易委託化に伴い解体。
以来、現在に至るまでヨ3500形車掌車を転用した貨車駅舎となっています。
以前は青と水色を基調に鮭やカレイが泳ぐ海、虹が架かる空、3枚の花びらが付いた白い花(エンレイソウ?)を描いた素敵なペイント駅舎でした。
それが2013年頃に塗装変更され、白と水色のシンプルなツートンカラーになってしまい寂しい限り。
まあ2010年頃に見た時は車体の錆具合がなかなかにキツかったので、一切お色直しされないよりかはマシなのですが・・・。





貨車駅舎の隣には厚床~根室間のケーブル搬送中継所が建っています。
窓が一つも無い小さな小屋には、指令所~管理駅間および管理駅~管理駅間の通信に必要な搬送装置が格納されています。


釧路電気区釧路電気支区 釧路電気区厚床電気支区


この搬送中継所の看板をよく見ると、「釧路電気支区 厚床電気支区」の表記が為されています。
どちらも国鉄時代、釧路電気区(現・釧路電気所)の配下に置かれていた電気支区です。
このうち本区と釧路支区は1963年2月、釧路電力区・釧路通信区の廃止に伴い業務を引き継ぐかたちで開設されました。
同じ頃には釧路信号支区、釧路通信支区、標茶電気支区も設置されています。
一方、厚床電気支区は1971年4月に開設され、国鉄の現業機関としては日本最東端の電気系統職場でした。
1980年2月に惜しくも廃止されてしまった厚床電気支区ですが、それから38年が経過した今も中継所の看板に名前を残しているのは嬉しいですね。







待合室の様子。
外装のみならず内装まで綺麗にリフレッシュされています。
木製ベンチと4人掛けベンチが置かれ、全体的に白っぽいインテリアです。





壁の貼り紙を読むと、2006年9月に西庶路駅で発生したゴミ箱の放火事件を受け、別当賀駅のゴミ箱を撤去したとあります。
訪問当時は撤去から11年後でしたが、ゴミ箱は再設置されていませんでした。





ベンチには1冊の駅ノートが。





次の列車まで時間があったので、じっくり読んでみると・・・





何と、アラビア語のコメントが寄せられているではありませんか!
これまで駅ノートに英語や中国語が書かれているのを見た事はありましたが、中東の文字が書かれているのは初めて見ました。
アラブから根室まで旅行に来て、別当賀夢原館に宿泊したついでに足跡を残していったのでしょうか?
しかし私はアラビア語がよく分からないので、何が書かれているのやらサッパリ理解できません。







ホーム側から駅舎を眺めた様子。
駅名標はかなり薄れています。







1面1線の単式ホーム。
床面はほとんど未舗装で、根室方は草が茫々です。
交換設備が健在の頃は2面2線の相対式ホームを有しており、加えて根室方の草むらに貨物ホームがありました。
今や単式ホームの真向かいも荒れ果てており、駅の上下で湾曲した線路に交換駅時代の面影を留める程度です。





ホームの釧路方には木々に覆われるように、朽ち果てた年代物の駅名標が置かれています。
書き直した文字が被さって何とも言えない味わいですw





駅の利用客は別当賀夢原館に宿泊する旅行者が多め。
朝9時前の5626D(根室8:22始発・釧路行き普通列車)には首都圏から来たという旅人達が乗り込んでいきました。


※写真は2017年9月9日撮影


(文・写真:叡電デナ22@札幌市在住)


鉄道コムのブログランキングに参加中!バナーのクリックをお願い致します。
スポンサーサイト



最終更新日 : 2019-07-02

No title * by 東真一郎
アラビア語の書き込みは…
一行目
(読み) ウヒバ カトゥ ハナサキ、シュクラン
(解析) 私は花咲線が好きです、ありがとう。
二行目
(読み) 2017.5.18.(アル・カミース)
(解析) 2017.5.18.(木曜日)
三行目
(読み) シャイ ニーア イハーラー
(解析) 書き込みした人の名前でしょうか?
ざっとこんなもんですね

No title * by 札学鉄研OB会
>東真一郎さん

あらら、翻訳して頂いたとは大変ありがたいです!
こちらも文字の形態を調べているうちに少しだけ分かってきたのですが、やはり2行目は日付だったんですね。
治安の不安定な中東ですと鉄道は撮影すら難しそうですから、あちらの方にとって駅ノートの存在は新鮮に感じられたかも知れませんね。

(叡電デナ22@札幌市在住)

No title * by 東真一郎
> 札学鉄研OB会さん
当方だってアラビア語にそんなに詳しくはありませんが、もっと分析すると…
「أحب」は「ウヒバ」と適当に読みましたが、アラビア語は普通母音符号を書かないのでこれで合ってるのかよくわかりません。また動詞は人称や性・数で活用されてその形態で人称や性・数がわからから代名詞は一般的に省略されます。
「خط」は「線」などの意味を持つ名詞です。「鉄道」ではありません。
「木曜日」の「خميس」(「ال」は定冠詞)は「5」を意味する「خمسة」から来たものです。金曜日以外は一週間の何番目の日、という意味で数字から変化しております。曜日に数字を使ってる中国語に通じるものありますね。
最後に数字の「٢٠١٧.٥.١٧.」ですが、アラブ文字は左書き(右から左へ)するのとは逆にアラブ数字は右書き(左から右へ)をしますので文章の道中数字がに来ると一瞬混乱します。

またアラブ圏は治安の前にそもそも鉄道があまり発達しておりません。内戦の前には100万都市だったシリアのホムスに駅が1か所しかないのはいい例でしょう。

Comment-close▲

Comment







管理者にだけ表示を許可

No title

アラビア語の書き込みは…
一行目
(読み) ウヒバ カトゥ ハナサキ、シュクラン
(解析) 私は花咲線が好きです、ありがとう。
二行目
(読み) 2017.5.18.(アル・カミース)
(解析) 2017.5.18.(木曜日)
三行目
(読み) シャイ ニーア イハーラー
(解析) 書き込みした人の名前でしょうか?
ざっとこんなもんですね
2019-01-08-13:18 * 東真一郎 [ 編集 * 投稿 ]

No title

>東真一郎さん

あらら、翻訳して頂いたとは大変ありがたいです!
こちらも文字の形態を調べているうちに少しだけ分かってきたのですが、やはり2行目は日付だったんですね。
治安の不安定な中東ですと鉄道は撮影すら難しそうですから、あちらの方にとって駅ノートの存在は新鮮に感じられたかも知れませんね。

(叡電デナ22@札幌市在住)
2019-01-09-21:56 * 札学鉄研OB会 [ 編集 * 投稿 ]

No title

> 札学鉄研OB会さん
当方だってアラビア語にそんなに詳しくはありませんが、もっと分析すると…
「أحب」は「ウヒバ」と適当に読みましたが、アラビア語は普通母音符号を書かないのでこれで合ってるのかよくわかりません。また動詞は人称や性・数で活用されてその形態で人称や性・数がわからから代名詞は一般的に省略されます。
「خط」は「線」などの意味を持つ名詞です。「鉄道」ではありません。
「木曜日」の「خميس」(「ال」は定冠詞)は「5」を意味する「خمسة」から来たものです。金曜日以外は一週間の何番目の日、という意味で数字から変化しております。曜日に数字を使ってる中国語に通じるものありますね。
最後に数字の「٢٠١٧.٥.١٧.」ですが、アラブ文字は左書き(右から左へ)するのとは逆にアラブ数字は右書き(左から右へ)をしますので文章の道中数字がに来ると一瞬混乱します。

またアラブ圏は治安の前にそもそも鉄道があまり発達しておりません。内戦の前には100万都市だったシリアのホムスに駅が1か所しかないのはいい例でしょう。
2019-01-10-06:36 * 東真一郎 [ 編集 * 投稿 ]