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2017-11-11 (Sat) 23:50

29年の活躍に終止符!ニセコエクスプレスのラストラン【3】



引き続き函館本線蘭越~札幌間で運行された、ニセコエクスプレスのラストランについて書きましょう。
昆布駅を4分遅れで出発した9224D(倶知安14:19始発・蘭越行き臨時快速)は、その後の回復運転が叶わず15:05、蘭越駅2番線に到着しました。
到着前の車内放送は「まもなく終着、蘭越です。降り口は左側です」(JR北海道では依然として降車口を「お出口」と言わない車掌が多い)とだけアナウンスし、オルゴールも流されず終点に着くにしては妙に簡素な内容でした。
せめて「今日もJR北海道をご利用くださいましてありがとうございます」と付け加えれば、もう少し臨場感があったのに・・・と思いましたが、停車するや否や殆どの乗客がクロスシートを転換し始めた様子を見て、こんな短い終着駅案内になるのも当然かと納得。
座席の転換を終えた乗客達は降りずに居座り続ける気ですが、快速運転区間の全停車駅で撮影したかった私は一旦下車します。
前面を撮ろうにも2番線ホームの札幌方はド逆光になってしまったので、仕方なく長万部方からの撮影に留めます。
せっかくなので「蘭越駅」と書かれた看板を掲げた、改札口の様子も見えるようカメラに収めます。
こちらもニセコ駅と同様、改札口前に蘭越町の特産品を扱う出店が設けられていました。
「道の駅 らんこし・ふるさとの丘」の職員が物販を担当。

JR北海道 国鉄 函館本線 山線 引退
JR北海道 国鉄 函館本線 山線 キハ183系5000番台 北陸本線 JR西日本

ニセコエクスプレス 臨時列車 臨時快速 函館本線 臨時特急 蘭越駅


跨線橋から俯瞰したり・・・


ニセコエクスプレス 蘭越駅


駅舎側の1番線からも撮影しました。


久留里線 北陸本線 JR東日本


車体の塗装は白を基調に青・灰色の帯と寒色系を多く取り入れている一方、乗降口ドアに関してはローズピンクに塗って大きなアクセントにしています。
プラグドアは同じキハ183系の5100番台(クリスタルエクスプレス)、5200番台(ノースレインボーエクスプレス)に継承されたほか、キハ281系・キハ283系も採用していますね。
北海道の鉄道車両としては初のプラグドアではなかったかと思います。
なお、「国内の鉄道車両で初めてプラグドアを採用したのはニセコエクスプレス」という書き込みを見たのですが、実際には既に国鉄が実用化しており、471系の1次車(1962年製)にて制御電動車乗務員室寄りの乗降口に限り設置されていました。
もちろんキハ60系(1960年導入)やキハ35系(1961年導入)のような、車体側面からドアレールともども出っ張らせた「外吊り方式」ではなく、開扉時に車体内側から外側へと稼動する正真正銘のプラグドアです。
これは導入線区である北陸本線に低いホームの駅が多く、ステップを設けたところ戸袋が床下の枕梁に干渉したため、車体強度の問題を解消する必要に迫られたがゆえに採用されたのです。
しかしいざ運転を開始すると、雪の付着やトンネル走行時にかかる圧力によって隙間が開くトラブルが多発し、結局は2次車以降の量産車と同じ戸袋を設けた普通の引き戸に改造されてしまいました。
よく着雪防止に効果があると言われるプラグドアですが、実は却って弱かったという話ですね。





ドアの窓には号車と運転区間を記したステッカーが貼られていました。
ニセコエクスプレスには側面行先表示器が無いため、このステッカーが代用品となりました。





定刻より4分遅れで蘭越駅に入線したニセコエクスプレスですが、折り返しは定刻通り15:10の発車となりました。
おかげでホーム上での撮影は慌しくなり、車掌さんは編成前方にも立って乗客に出発時刻を告げていました。
次はいよいよ最終の札幌行き、途中の倶知安駅からは臨時特急として運転されます。

【下り9225D 蘭越始発・札幌行き快速列車】
蘭越15:10始発→昆布15:18着/15:20発→ニセコ15:31着/15:38発→倶知安15:52着
※倶知安から先は特急9035Dとして運転
※全車自由席

【下り9035D 蘭越始発・札幌行き特急列車】
倶知安16:00発→余市17:10着/17:15発→小樽17:46着/17:50発→札幌18:42終着
※快速9225Dを特急に変更して運転
※全車指定席

いざ乗り込むと想像していたほどの混雑ではなく、ほんの少しですが空席も見受けられます。
発車時刻ギリギリではありましたが、あっさり座席を確保する事が出来ました。
蘭越駅で立哨していた北海道クリーン・システムの警備員も1名乗車し、デッキに立ちんぼの状態で便乗移動します。
発車後の車内放送も相変わらずオルゴールは鳴らされず、淡々と肉声放送が流されました。
ニセコエクスプレスも「アルプスの牧場」を搭載しているのに、これでは何だか味気ない・・・。
初日の2017年10月29日は快速区間でも観光案内放送を流していたそうですが、それも一切ありませんでした。
ラストラン2日目、2017年11月3日の蘭越~小樽間における乗組員は下記の通りです。

小樽運転所 運転士1名
札幌車掌所 車掌3名(うち2名は主任車掌と思われる)
苗穂運転所 車両係2名(2名とも年回りからして車両技術係か)

3両編成の気動車に車掌が3人も乗っているのは面白いですね。
ドアの開閉や発車合図(ブザー1打)といった運転兼掌を担うのは若手1名のみ、後は中堅の主任車掌1名が駅間ごとに車内改札をして回り、最年長の主任車掌が放送をかける・・・という按配でした。
運転士と共に編成前方の乗務員室にいる、作業服姿の男性2名はニセコエクスプレスが所属する苗穂運転所の検修員。
わざわざ営業列車に検修員を乗せるあたり、ニセコエクスプレスの老朽化が深刻だという証左になっていますね。
走行中に何らかのトラブルがあれば、即座に処置を施せるよう臨戦態勢でありました。
なお、この手のラストランは乗務員職場の助役やリーダー(助役補佐)も添乗するものですが、意外にも管理職は誰1人として来ていませんでした。
途中、昆布駅で北海道クリーン・システムの警備員が更に1名乗車。


ニセコエクスプレス キハ183系5000番台 車内


客室内の様子。
ジョイフルトレインと言うには地味なインテリアです。
一応はバブル時代に製造された車両ですが、アルファコンチネンタル、フラノエクスプレス、トマムサホロエクスプレスはおろか、平成世代のクリスタルエクスプレス、ノースレインボーエクスプレスと比べても高級感が希薄ですね。
しかしながらデッキ仕切りの両開きドアが個性的な窓配置で目を惹きます。
リクライニングシートはモケットこそ交換されているものの、クッション自体は竣工当初の物を使い続けています。
他のキハ183系は次々と座席が更新されているのに、ニセコエクスプレスはリゾート車両でありながら見劣り感が否めません・・・。
柔らかさは程よいのですが、如何にも昔のバケットシートという感じの急なくぼみ具合なので、座ると何とも窮屈です。
これはOBいしかわさんが「ニセコエクスプレスはあまり好きじゃない」と仰られていたのも肯ける気がするなあ・・。





それでも1989年度グッドデザイン賞を受賞しており、壁には「通商産業省選定グッドデザイン商品」の銘板を掲げています。
確かに外観は現在でも色褪せないスポーティーさを感じますし、車内を見渡すと当時の鉄道車両としては斬新な試みが見受けられます。





座席の上には飛行機の如く、読書灯、スピーカー、エアコンを一まとめにしたユニットが設置されています。





デッキ仕切りにはデジタル時計、デジタル温度計、号車番号・禁煙・トイレ使用中の各種ランプをまとめたパネルも。





客室の床は微妙に高くなっており、通路はデッキ仕切りの手前で傾斜がついています。





貫通路の自動ドアは手前に付けたボタンを押すと開きます。





デッキではラジオやテレビの通信装置がドンと構えています。





手洗い場もなかなか立派。
エアータオルも設置されています。





リゾート車両なんだから乗務員室仕切りは先輩ジョイフルトレインのように、存分に展望を楽しめるように作ってあるかと言えばそうでもありません。
N183系・NN183系とほぼ同様に作られており、運転士側に仕切り窓が無いという残念仕様。
せっかくフロントガラスを大きく作っているのに勿体無い。


乗務員室 ニセコエクスプレス


助士側は案外ゴチャゴチャしています。
固定の助士席が無いのでパイプ椅子を備えてあるのが何ともはや。





運転台は縦軸式。
コンソールは黒く塗装されており、左手に列車無線、右手に受話器型の車内放送装置を設けています。




ニセコエクスプレス 車掌


蘭越駅を出てからは順調に走り、定刻通り15:31にニセコ駅に到着。





跨線橋に上ってニセコ大橋をバックに撮影します。





真横から見ると結構とんがった形状である事が分かりますね。





午前中に倶知安駅から派遣されてきた助役さん達も立ち番を続けていました。
ニセコ駅には7分間停車し、いよいよ快速区間の終わりである倶知安駅へと引き返します。
定刻通り15:38に出発。
途中、通過した比羅夫駅にも多くのファンが姿を見せ、走り去るニセコエクスプレスを見送っていました。







そして15:52、倶知安駅に到着。
ニセコエクスプレスは8分間の停車を挟んで9035Dとなり、終点の札幌駅まで特急として運転される事になります。
北海道クリーン・システムの警備員は2人とも下車し、倶知安駅を警備していた1人と、一足先に比羅夫駅から引き上げてきた1人と合流。
特急への便乗は認められていないようで、後は普通列車で小樽に引き返すようでした。





ホーム上は別れを惜しむファンや地元住民で大賑わい。
金線2本入り赤帯制帽を被った倶知安駅長も姿を見せていました。




ニセコエクスプレス 車掌 倶知安駅


私は残念ながら指定席特急券を持っていなかったので、ここから先の乗車は不可能。
倶知安駅で見送り、帰りは普通列車となりました。
発車時刻が近づいて車掌が出発体勢に移ると・・・駅員から「男性のお客様2人が改札口から向かっています」とのアナウンスが。
これがまあチンタラと歩いているもので、見ているこちらがイライラしました。
こんな状況化で急ごうともしないなんて、よくも迷惑を考えないものだなと。





結局、定刻より1分遅れの16:01に倶知安駅を出発するはめになりました。
でもその後は無事に札幌まで走り切れたから万々歳。





倶知安駅の改札口前にはラストランを記念した顔ハメ看板が置かれていました。
こちらはニセコエクスプレスの運転士になりきれる特別仕様です。
しかも駅長は白服姿・・・ってあれ、この時期に盛夏服?
でも北海道新幹線の開業前後から白服を、JR東日本やJR四国みたいに季節を問わない礼服として着用する駅長が見られるようになってきましたからね。
まあ先ほどの倶知安駅長は黒い冬服姿だった訳ですがw





その後は1949D(倶知安16:45始発・小樽行き普通列車)、3455M(小樽18:08始発・江別行き区間快速いしかりライナー)と乗り継いで札幌に帰りました。




2017年11月4日撮影

そして翌日、ラストラン最終日は朝だけでしたがニセコエクスプレスの見納めに行ってきました。
今度は敢えて山線まで足を伸ばさず、函館本線小樽築港~朝里間の海沿いで撮影する事に。
124M(岩見沢6:20始発・小樽行き普通列車)に乗り込み、7:44に小樽築港駅で下車。
そこから歩いて平磯橋へ行き、橋の上から海岸線を俯瞰します。
意外にも先客は1人もおらず、後から集まってきた同業者も少なめ。
多分、ほとんどの同業者は「ニセコ」というワードを意識して山線に固まっていたんでしょうね。
で、私のようなマイノリティが小樽の海沿いに集結したと。
しかしですね、リゾート車両が日本海の沿岸を走る光景にも浪漫を感じる訳ですよ。
留萌本線留萌~増毛間が廃止された今、道内で日本海側を通る鉄道路線なんて函館本線小樽築港~銭函間しかありませんし、特別な魅力を感じるロケーションです。
ニセコエクスプレスは撮影地点を8:32に通過し、目論見どおりの絵が撮れました。
滅多に乗る機会が無くて後悔が募っているけど、29年間ありがとう!
苗穂工場に留置されていたフラノエクスプレスやトマムサホロエクスプレスが解体されてしまったので、せめてニセコエクスプレスだけでも保存される事に期待したいですね。


※写真は特記を除き、2017年11月3日撮影


(文・写真:叡電デナ22@札幌市在住)


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最終更新日 : 2019-07-02

No title * by neko
運転士ですが、苗穂~(回送)~札幌~小樽~札幌~(回送)~苗穂は苗穂運転所が担当志多ようです。
その際は助役か指導かわからないですが乗ってました。

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運転士ですが、苗穂~(回送)~札幌~小樽~札幌~(回送)~苗穂は苗穂運転所が担当志多ようです。
その際は助役か指導かわからないですが乗ってました。
2017-11-12-08:20 * neko [ 編集 * 投稿 ]