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2017-10-16 (Mon) 00:34

札沼線新十津川駅で開催!「秋の終着駅フェスタ」を訪問【1】



2016年3月のダイヤ改正以降、札沼線浦臼以北に乗り入れる列車が朝の上下1本ずつしかなくなり、「日本一最終列車の早い駅」になってしまった終着・新十津川駅。
同じ札沼線の末端区間でも北海道医療大学~浦臼間は月形高校や当別高校等に通う生徒達の利用がありますが、浦臼~新十津川間は3往復の普通列車が走っていた頃も通勤・通学利用に配慮したダイヤではありませんでした。

当該区間が敷設されている樺戸郡新十津川町は隣接する滝川市のベッドタウンとしての性格が強く、
両市町を結ぶ公共交通機関も北海道中央バス滝新線・滝川浦臼線・上総進線・ふるさと公園線と4路線ものバスが運行されています。
その反対方向である月形・当別方面へ通勤・通学する住民はまずいませんし、町民が鉄道で札幌方面に行こうとするなら、特急が停車する函館本線の滝川駅に向かうのが当たり前。
新十津川町役場が制定している「高校等遠距離通学費助成制度」も、遠方への通学に鉄道を利用する場合は滝川駅の経由を前提としています。
とどのつまり札沼線浦臼~新十津川間は日常的な利用客が皆無に等しく、むしろ2016年3月の時点で廃止とまでならず、3往復から1往復の減便に留められたのが奇跡的と言えるでしょう。

ところが、残された1往復のうち下り5425Dが新十津川駅に到着するのは9:28、折り返し列車である上り5426Dに至っては新十津川駅を9:40に出発する事になり、朝に走る最終列車の存在に注目が集まりました。
折りしも減便2ヶ月前の2016年1月、「日本一終電が早い駅」として有名だった阪堺電気軌道上町線の住吉公園停留場が廃止されたため、新十津川駅にその座が譲り渡される事となりました。
JR北海道当局としては廃止反対を唱える新十津川町役場に対し、力技で鉄路の存続を諦めさせようとしたのでしょうが、これが皮肉にも全国各地から鉄道ファンや観光客を呼び込むネタを生み出してしまった訳です。

そんな新十津川駅では鉄道の日を記念して2017年10月14日、新十津川町役場のバックアップを受けて地元有志が「秋の終着駅フェスタ」なるイベントを開催しました。
開催時間は9:00~15:00の6時間に及び、新十津川町の新米を使った「終着駅カレー」が振舞われたほか、旭川四条駅前の鉄道ショップ「ぽっぽや」の参加により鉄道ガラクタ市や切符販売会、士別軌道の旭川22か1269(日野RC/1982年式)を使った急行雨竜号の体験乗車が催されました。
甘酒の無料サービスや特産品の販売等も展開し、非鉄でも楽しめるイベント内容でした。
私としても町おこしに取り組む人達を応援したい気持ちがあるものですから、一昨日は朝早くに自宅を出て札幌駅から札沼線に乗り込み、新十津川駅に行ってきました。

JR北海道 国鉄 阪堺電車 路面電車 JR西日本
JR北海道 国鉄 阪堺電気軌道 南海 JR西日本


まずは537M(札幌6:58始発・石狩当別行き普通列車)に乗って石狩当別駅へ。
7:38に2番線に停車した733系を降りて、ホーム向かいの3番線で乗り換え客を待機していた5425D(石狩当別7:45始発・新十津川行き普通列車)のキハ40系400番台(キハ40-402)に乗り込みます。

石狩当別駅長 輸送主任 駅員
発条転轍機 スプリングポイント スタフ閉塞 タブレット閉塞 タブレットキャリア


8:17、石狩当別以北の末端区間で交換設備が残る唯一の駅、石狩月形駅に到着。
ここでは列車交換のため、23分間の停車となります。
ホームには何やら人だかりができていました。





それもそのはず、この日は樺戸郡月形町が主催する「キハ40で行く石狩月形駅と秘境豊ヶ岡駅の旅」も同時開催され、ここ石狩月形駅で役場職員が事前予約の参加者を待っていたからです。
当ツアーの集合場所は豊ヶ岡駅に指定されてはいましたが、石狩月形駅で交換設備や閉塞方式に関する説明を行う上、豊ヶ岡駅での集合時間も10:21で離れていたため、一足早く参加者の確認もする事にしたようです。
役場の方は「ツアーに参加されない方も、どうぞホームにいらして下さい」と歓迎ムード。
ホーム上にはHBC(北海道放送)の取材クルーも姿を見せていました。





交換設備・閉塞方式の説明をするのは石狩当別駅の杉本駅長
石狩月形駅は石狩当別駅の管轄内なので、管理駅である石狩当別駅の駅長自らイベント対応のためにいらした訳です。
9月24日に「2017ひまわり号in月形」が運行された際も、キハ40系4連の操車および乗客補助のために赤帯2本・白帯1本入りヘルメットと作業服を着用して石狩月形駅にいらしていました。
この日は金線2本入り赤帯制帽と冬用接客制服を着用し、石狩月形~新十津川間のスタフ閉塞に使用するタブレットキャリアを携行。
そう、今回の説明会は留萌本線留萌~増毛間が廃止された事により、道内で唯一となってしまったスタフ閉塞を解説するものだったのです。

さて、スタフ閉塞とは単線区間において、1閉塞に対し1つの通票(スタフ)を使用する方式です。
日本国有鉄道運転局が1964年12月に制定した『運転取扱基準規程』では、タブレット閉塞を「通票閉そく式」と呼ぶのに対し、スタフ閉塞を「通票式」と呼び区別しています。
『運転取扱基準規程』の第216条ではスタフ閉塞でもタブレット閉塞と同様、4種類の通票を用いる事としていますが、第217条において「1閉塞区間に対する通票は、1個に限るものとする」としています。
これがタブレット閉塞とは決定的に異なる点。
つまり、連続する複数の閉塞区間でスタフ閉塞を採用するとしたら、当務駅長(駅長・助役・輸送主任)は指定されたスタフが戻ってくるまで後続の列車を出発させる事ができないのです。

例えばA駅~B駅~C駅~D駅とスタフ閉塞区間が連続するとして、C駅へ向かう上り普通列車がB駅で急行列車の待避を行うとしましょう。
急行がスタフを授受してC駅へ走り去ったはいいものの、下り普通列車がC駅~D駅間を走行中で、C駅には急行の到着後に入線します。
そこで上り急行と下り普通列車の間でスタフ交換が実施されるのですが、下り普通列車で車両トラブルが発生しC駅で点検するはめに。
すると運行を再開するまでB駅~C駅間のスタフはC駅に留まったままになり、B駅に停車中の上り普通列車も立ち往生する事になります。
使えるスタフが1個しかない以上、上下線で交互に列車を運転させなければいけないという訳ですね。

そもそもスタフ閉塞はタブレット閉塞のような閉塞機は使用せず、通票のみ用いる単純な方式。
タブレット閉塞なら通票を閉塞機に収めれば、後方の交換駅に停車中の後続列車に渡す通票を発行する事が出来るので、スタフ閉塞に比べて幾分柔軟な運用が可能になります。
このようにスタフ閉塞は単純な分、大きな欠点があるので日本国内の鉄道では、起点にのみ交換設備を設け、終点を棒線駅としている閉塞区間にのみ採用するのが常です。
当然ながらスタフ授受を行う駅は起点の交換駅だけとなり、終点に運転取扱い要員を配置する必要が無くなるので配置人員の簡略化も容易になります。
なお、駅長さんの解説を聞く限り、JR北海道の社内ではスタフ閉塞を「タブレット閉塞の一種」と捉えているらしく、駅長さんも解説が始まった頃は「タブレット閉塞」と呼んでいました。





スタフ閉塞に加えて説明があったのは、石狩月形駅の交換設備に使っている発条転轍機(スプリングポイント)
これはバネ(発条)を用いた転轍機で、トングレールをバネの力で一定方向に押し付けているものです。
列車が分岐点を背向側に割り出して通過する時、車輪によってトングレールを反位に転換し、通過後にバネの復帰力でトングレールを定位に戻す構造となっています。
石狩月形駅は島式ホーム1面2線と側線1本の配線で、駅舎側の側線が1番線、ホーム左右が2番線・3番線です。
このうち2番線は上り列車(石狩当別方面)、3番線は下り列車(浦臼・新十津川方面)と方面が区別されているのですが、ホーム前後の転轍機がまさにこのスプリングポイント。
知来乙方のポイントは常に3番線、豊ヶ岡方のポイントは常に2番線にトングレールを押し付けています。
発条転轍機はポイント操作を省略できるので、駅輸送業務(運転取扱業務)の簡略化にも一役買っているとの事。

杉本駅長からは10分間に渡り、懇切丁寧な解説を頂きました。
お忙しい中、貴重な一時をありがとうございました。





杉本駅長による解説が終わった後、駅舎側ではいぶし銀の輸送主任が、ツアー参加者と思しき方からの質問に応じていました。
JR西日本では今年4月の制服リニューアルに伴い、助役・係長との区別を付けるべく輸送担当駅員(運輸管理係駅長業務資格保有者)の赤帯制帽から遂に金線が外されましたが、JR北海道の輸送主任さんは相変わらず助役と同じ金線1本入り赤帯制帽を被っています。





8:34、交換列車の5424D(浦臼8:08始発・石狩当別行き普通列車)が接近。
駅舎とホームを繋ぐ構内踏切には警報機と遮断機が無いため、輸送主任さんが赤いフライ旗を横に出して立哨します。
この姿がたまらなくかっこいいんですよね。





輸送主任さんが警戒する中、5424Dのキハ40-817が入線しました。





5424Dの停止後、輸送主任さんはホームに移ってスタフの受け渡しを行います。
てっきり駅長さん自らスタフ授受をやるのかと期待しましたが、いつも通りの取扱いでありました。
スタフ授受を見終わったら再び5425Dに乗車。
8:40に石狩月形駅を後にしました。









そして9:28、「秋の終着駅フェスタ」の会場である新十津川駅に到着。
イベント効果もあってか、ここまで乗車した客は42人と多めでした。
ホームと駅舎の間、旧1番線では地元の幼稚園児達が赤い法被を着て和太鼓を叩いたり、踊ったりのパフォーマンスを披露し大歓迎。
このシーンだけ見ていると地域のお祭りを見ているかのような親近感です。
パフォーマンスを見ている間に、岩見沢からクルマで来たTJライナーさんと、旭川から滝川まで列車を使い、滝川から新十津川まで自転車に乗り換えたというWさんと会いました。
OB会員3人が新十津川駅に居合わせるとは、これまた面白い展開です。





ところがですね、これからイベントが正念場という時に、折り返し列車の5426D(新十津川9:40始発・石狩当別行き普通列車)に乗り込む客が続々と現れたんですね。
見たところ下り列車で新十津川駅まで来た人が多め。
「そんなあっさり帰るなんて勿体無い」と思いましたが、よくよく考えてみると月形町主催「キハ40で行く石狩月形駅と秘境豊ヶ岡駅の旅」は豊ヶ岡駅の集合時間を、5426Dの停車時間である10:21に設定していましたね。
折り返していった人達の中には同ツアーの参加者も含まれていたんでしょうけど、月形町側と新十津川町側の足並みをもう少し揃える事は出来なかったんだろうか・・・と考えてしまいます。







12分間の休憩を挟んで定刻通り9:40、キハ40-402は盲腸線を南下するべく再び動き出しました。
多くの人々に見送られ、新十津川駅を出ていきます。


新十津川駅 日野RC 士別軌道 K-RC301P




新十津川駅前には士別軌道の旭川22か1269(日野RC/1982年式)も現れ、お祭りムードもハイボルテージ!
同車は北海道の路線バス車両としては現役最古参で、なおかつモノコックバスとしても現役で唯一というお宝級の存在です。





この日は計5便の急行雨竜号に充当された日野RC。
9:50、滝川駅前行きの第2便として新十津川駅を出発しました。
5425Dとの接続を考慮したダイヤを組むとは、旭川の「ぽっぽや」は実にお見事!





急行雨竜号の運行に伴い設けられた、新十津川駅前停留所の特製バス停標識。
士別軌道のバス停ではありますが、面白い事に国鉄バスの「つばめマーク」が描かれています。


執筆に割ける時間が無くなったので今日はここまで。
次回に続きます。


※写真は全て2017年10月14日撮影


(文・写真:叡電デナ22@札幌市在住)


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最終更新日 : 2019-11-24

No title * by らんちゃん
デナさん、こんばんは😄

ええーっ、この日、40-402で新十津川駅にいらして、しかもあのバスの第2便に乗車されていたのですね?!私、車で新十津川駅まで行って(夏には、滝川駅まで普通列車、そして役場前までバス、そして徒歩で)、同じバスに乗っていましたよ!!右の前側でした。

No title * by rak*a*05*4
ご苦労様です!
現地で自然連帯は、北海道ではよくあることですねー。
それにしても、さすが肉体派の元祖、Wさんは自転車で登場とは
さすがです。
札沼線の駅間は歩きやすいので、数駅間を歩いたOBもおりました。
私は美浦渡船(石狩川)の乗り場まで晩生内から歩きましたなあ。
地図より遠かった(笑)。
(OBいしかわ@関東支部)

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No title

デナさん、こんばんは😄

ええーっ、この日、40-402で新十津川駅にいらして、しかもあのバスの第2便に乗車されていたのですね?!私、車で新十津川駅まで行って(夏には、滝川駅まで普通列車、そして役場前までバス、そして徒歩で)、同じバスに乗っていましたよ!!右の前側でした。
2017-10-16-01:16 * らんちゃん [ 編集 * 投稿 ]

No title

ご苦労様です!
現地で自然連帯は、北海道ではよくあることですねー。
それにしても、さすが肉体派の元祖、Wさんは自転車で登場とは
さすがです。
札沼線の駅間は歩きやすいので、数駅間を歩いたOBもおりました。
私は美浦渡船(石狩川)の乗り場まで晩生内から歩きましたなあ。
地図より遠かった(笑)。
(OBいしかわ@関東支部)
2017-11-04-20:28 * rak*a*05*4 [ 編集 * 投稿 ]