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2017-08-11 (Fri) 07:53

2017/7山陽旅行【6】 1日3往復だけ!小野田線本山支線



時刻は18時を回り、段々と日が傾いてきました。
雀田駅ではいよいよ小野田線本山支線へと足を踏み入れます。
本山支線は雀田~長門本山間を結ぶ総距離2.3kmの短い盲腸線で、小野田線の前身に当たる宇部電気鉄道によって1937年1月に開業した路線です。
居能~小野田間の本線(総距離11.6km)は石炭やセメント等の輸送で栄え、1986年3月まで貨物列車が運行されていましたが、本山支線の貨物輸送は1963年10月と早期に廃止されています。
その後も地域の旅客輸送を支えてきた本山支線ですが、2002年3月のダイヤ改正では完全学校週5日制の実施に伴い大幅に減便。
日中・夜間の列車が消滅し、朝夕についても削減されて1日5往復の運行となりました。
それから10年後、2012年3月のダイヤ改正では更に2往復が削減。
以後、現在に至るまで1日わずか3往復の電車しか乗り入れません。
運転される列車は下記の通り、朝に2往復、夕方に1往復となっています。

【下り列車(長門本山方面)】
1223M(宇部新川6:40始発・雀田6:59発・長門本山行き普通列車)
1323M(雀田7:25始発・長門本山行き普通列車)
1325M(雀田18:12始発・長門本山行き普通列車)

【上り列車(雀田・宇部新川方面)】
1322M(長門本山7:10始発・雀田行き普通列車)
1224M(長門本山7:36始発・雀田7:42着・宇部新川行き普通列車)
1240M(長門本山18:37始発・雀田18:42着・宇部新川行き普通列車)

このダイヤを見る限り、高校への通学にもやや使いづらそうではありますね。
行きはともかくとして帰りが18時過ぎになるのはなあ。
部活の無い生徒は間違いなくバスに流れるでしょうし、根室本線芽室~帯広間のように午前授業に配慮した臨時列車を運転している訳でも無いみたいですね。

JR西日本 小野田線 宇部線 JR北海道 国鉄 貨物列車 西鉄 浜河内駅
JR西日本 小野田線 宇部線 JR北海道 国鉄 貨物列車 西鉄 本山炭鉱


本山支線の起点である雀田駅は1929年5月、宇部電気鉄道沖ノ山旧鉱(後の宇部港)~新沖山間の開業に伴い停留場として設置されました。
1937年1月の本山支線開業に伴い停車場に昇格し、1941年11月に宇部電気鉄道が宇部鉄道に吸収合併されると同社の駅になりました。
宇部鉄道が1943年5月に国有化されると宇部西線の所属となり、1947年10月には雀田~新沖山間の廃止と引き換えに雀田~小野田港間が開業し、現在の小野田線が出来上がりました。
宇部西線は1948年2月に小野田線へ改称されています。
小野田線は国鉄末期の1983年3月に全線がCTC化され、これと同時に当駅における本線のタブレット閉塞および本山支線のスタフ閉塞の取扱いが終了。
1985年2月には簡易委託化され、1987年4月の分割民営化に伴いJR西日本が継承しています。
現在は宇部新川駅の管理下です。
駅舎は木造モルタル造りの平屋で、板張りの屋根を有しています。
周辺はひなびた田舎町といった雰囲気ですが、意外にも近くには山口東京理科大学のキャンパスがあります。


簡易委託駅




待合室の様子。
壁はほぼ全面が羽目張りになっており、割とあっさりした印象の外観に比べ暖かみが感じられます。
現在も簡易委託駅で出札窓口には「JR全線の乗車券、新幹線(在来)自由席特急券の発売をいたします」と案内札が出されていますが、訪問時点ではカーテンが閉められていました。





出札窓口の脇には賽銭箱みたいな形状の集札箱が設置されています。
こんなステンレス製の賽銭箱を実際に置いている神社をチラホラ見かけますが、何だか有り難味が薄れてしまうように感じる訳で。





JR西日本広島支社管内の駅によく見られる接近案内板。
列車が入線するホームの欄が点灯するようになっています。





ホームはY字を描く変則的な構造。
パッと見は1面2線の島式ホームですが、双方の乗り場は柵や段差で仕切られているので単式ホームを2つ並べたような感覚です。
駅舎正面のスロープを渡った先が本線の乗り場である1番線で、駅舎脇の0番線が本山支線の乗り場となっています。
両ホームとも有効長は20m車1両分です。





0番線には1325M(雀田18:12始発・長門本山行き普通列車に充当される123系が停車中。
車番はクモハ123-5でした。
この日は18人が乗車しており、その半数は鉄道ファンでした。





定刻どおり18:12、1325Mは雀田駅を出発。
最初の踏切を通過してすぐの線路脇に藪があるのですが、枝が結構伸びており「バチバチバチ」と車体に当たる音が響きました。
これは万が一のためにもしっかり剪定した方が良いんじゃないですかね?
そんな藪を過ぎてから暫くすると、西側の車窓には水田や草むらが広がります。
草むらはおおかた離農した農家の土地でしょうね。
今では123系が1両で運行されている本山支線ですが、2003年3月まではクモハ42形(クモハ42001)が旧型国電最後の現役生活を送っていました。
クモハ42001は現在、保留車として下関総合車両所運用検修センターにて保管されています。
現役こそ退いたものの、車籍が残っているのが凄い!
一般公開の車両展示で見学できるので、何れ実車を見に行きたいものです。





一駅間でもおかしくない距離の本山支線ですが、途中には浜河内駅が設けられています。
浜河内駅は単式ホームの上に待合所を置いただけの簡素な装い。
1957年6月に新設され、開業以来の無人駅です。
近くには小野田赤十字病院がありますが、雀田駅からも歩いていける距離なので生活利用はかなり少なそうです。
1人も下車が無いまま18:15に発車しました。





18:17、終点の長門本山(ながともとやま)駅に到着。







単式ホーム1面1線と半室構造の待合所、トイレを有する程度の長門本山駅。
列車本数が非常に少ない事もあって、周囲に団地があるにも拘らず1日の平均乗降客数は44人です。
現在の姿からは想像しづらいですが、貨物輸送があった50年以上前の長門本山駅には大きな駅舎が建っていたのだそうです。
元々、本山支線は海底炭鉱の本山炭鉱で産出した石炭を運搬するために敷設されたもので、当駅の南方には旧本山斜坑坑口が残されています。
本山での石炭の採掘は江戸時代の1848~1853年に遡るのだそうで、沖合400m付近で石炭の露頭が発見され、小舟で採取するようになったのがルーツだとか。
近代の石炭事業は宇部炭田の経営にも乗り出していた宇部興産が担いました。
本山炭鉱は1963年10月を以って閉山し、同時に本山支線での貨物輸送も終焉を迎えています。
炭鉱が健在の頃は、駅周辺に多数の炭鉱住宅が建ち並んでいたそうです。
今でこそ寂しい雰囲気の長門本山駅ですが、当時はさぞかし活気があったのでしょうね。







ホームのすぐ手前にある車止め。
昔は周防灘に面して石炭を船に積み込む桟橋があり、そこまで線路が延びていたのだそうです。





待合所の駅名看板。
この手の切り抜き文字が結構好きです。





室内には長いベンチが設置されています。
意外な事に駅ノートはありませんでした。





トイレは閉鎖されており、宇部新川駅長名義で「電車内のトイレをご利用ください」との注意書きが貼られています。





ホーム脇に設けられている乗務員無線基地局
「西鉄長門本山」と表記されていますが、ここで言う「西鉄」とは「西日本旅客鉄道」の略称であって「西日本鉄道」を指している訳ではありませんw
そういえば図書館で1987~1989年の北海道新聞の縮刷版を漁っていたら、JR西日本の事を「西日本鉄道」と書いている記事があってたまげましたw
おいおい、そこは違うだろう道新よ。





こちらは船木鉄道船鉄バス)の本山駅停留所
時刻表を見ると・・・





列車に比べてかなり本数がありますね!
概ね1時間に1本程度の運行になっています。





駅前には本山地区の観光マップもありますが、列車ダイヤからして本山支線の観光利用は皆無でしょうね・・・。





長門本山駅には20分間の滞在になりました。


次回に続きます。


※写真は全て2017年7月15日撮影


(文・写真:叡電デナ22@札幌市在住)


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最終更新日 : 2019-07-02

No title * by yrg*45
懐かしいですね、その昔クモハ42に乗りに行くためムーンライト九州に乗って厚狭駅で降りて始発までホームのベンチでかなりの時間待った記憶があります。
SLやまぐち号に乗るまでの時間のため、2往復しました。
あのモーター音と揺れは今でも覚えてます。
当時、焼酎二階堂のCMにも出てましたね。

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No title

懐かしいですね、その昔クモハ42に乗りに行くためムーンライト九州に乗って厚狭駅で降りて始発までホームのベンチでかなりの時間待った記憶があります。
SLやまぐち号に乗るまでの時間のため、2往復しました。
あのモーター音と揺れは今でも覚えてます。
当時、焼酎二階堂のCMにも出てましたね。
2017-10-16-13:38 * yrg*45 [ 編集 * 投稿 ]