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2017-08-05 (Sat) 11:57

2017/7山陽旅行【4】 いぶし銀の宇部新川駅と123系



宇部駅では10分足らずの滞在時間を経て、折り返し列車の宇部線1848M(宇部15:55始発・宇部新川行き普通列車)に乗り込みました。
次のお目当ては小野田線。
乗換駅である宇部新川駅まで引き返します。





新山口駅から通して乗った1847M(新山口14:44始発・宇部行き普通列車)は乗車率が高めでしたが、1848Mは一転してガラガラ。
105系の車内を撮影するには好都合でした。
インテリアは全体的に暖色系で纏められており、座席はオールロングシートで薄茶色のモケットを張っています。
冷房化改造車ではありますが、天井には扇風機が残されています。
また、JR西日本特有の延命リニューアル工事である「体質改善30N」を受けており、窓サッシは新製当初の銀サッシから黒サッシに交換されています。





ワンマン対応化改造により、乗務員室仕切りの手前には運賃箱が設置されています。
しかしドア配置の都合により運賃箱と乗務員室の間は広く開いてしまうため、混雑時でも運転士の移動を容易にするべく改札口のラッチみたいな柵が併設されています。
仕切り窓は助士側に設置されているのみで、当然ながら柵の内側には入れず運転台の観察は難しい構造です。

JR西日本 宇部線 山陽本線 小野田線 国鉄 JR九州 日豊本線
JR西日本 宇部線 山陽本線 小野田線 国鉄 JR九州 日豊本線


16:06、宇部新川駅に到着。
ごく数名の乗客が下車し、山口乗務員センターの運転士も当駅で交代しました。
どうやら当駅で宇部線の乗務を終えた運転士は、続いて小野田線の乗務に入るようです。

123系
宇部市交通局


跨線橋を渡って対岸の駅舎へ。
宇部新川駅は単式ホームと島式ホームを組み合わせた2面3線の配線で、単式ホームの1番乗り場と駅舎の間には広々とした空間が設けられています。





貯水池には白鳥の人形が浮かべられています。
宇部市は白鳥を都市のシンボルとしており、常盤公園の「白鳥湖」では白鳥の放鳥飼育が行われてきました。
放鳥飼育が開始されたのは1957年7月の事で、オランダ・ロッテルダムの動物園から20羽が譲渡されました。
繁殖が進んで3年後には100羽を数えるようになり、1966年7月に県営宇部空港(現・山口宇部空港)が開業すると、皇居に寄贈される2羽が全日空東京便の就航第1便に搭乗しました。
長きに渡って宇部市民に愛されてきた白鳥でしたが、2011年2月に死亡した1羽から高病原性鳥インフルエンザの感染が確認されたため、市は「白鳥湖」で飼育されている全ての鳥類の殺処分を直ちに実施。
これにより宇部市のシンボルと位置づけてきた白鳥が失われてしまいましたが、地元には白鳥の復活を望む声が根強く、市は「常盤湖を考える市民委員会」を設置し検討を進めてきました。
そして鳥インフルエンザの悲劇から6年3ヶ月、2017年5月の放鳥式を以って漸く常盤公園での白鳥の飼育が再開したのです。
市民達に出迎えられた白鳥は、1980年に常盤公園から下関響灘ライオンズクラブに譲渡された白鳥の子孫で、同クラブからの寄付により里帰りが実現しています。
これから白鳥達が子孫繁栄していく事を願うばかりです。





駅事務室の玄関脇には、JR西日本が2017年7月11日~8月18日に実施している「夏期多客輸送における運転事故防止運動」の貼り紙が掲示されていました。
運転事故の防止に努めるのは何も運転士に限った話ではなく、共に乗務しドア操作や列車監視を担う車掌、現場の乗務員に指示を出す輸送指令、車両の点検を担う車両係(検修員)、線路を守る施設係(保線作業員)、踏切や架線を支える電気係、駅やトンネル等の建設・改修を担う建築係など、鉄道現業のあらゆる職種が密接に関わっています。
無論、運転取扱業務を担う駅も例外ではなく、例えCTC化されている区間でも輸送障害時には連動装置を操作したり、列車の入線順序や着発番線を入れ替える運転整理を行う事になります。
それこそターミナル駅なら輸送本部(JR西日本では運転本部と呼ぶ事が多い)が置かれ、駅構内の信号や転轍機の手動操作が日常的に行われています。
異常時に的確な判断を下すのも、事故の発生・拡大を防ぐ上で非常に重要。
接客業務だけが駅員の仕事ではないのです。
JR東日本当局は2年前から秋葉原駅の全面外注化を企んでいますが、断固として反対です!
鉄道の安全を守るためにも、行き過ぎた業務委託化・非正規化の推進を許してはなりません。





こちらも宇部駅と同様、改札口には2本の通路を設けていますが、片方に駅員は配置されていません。
やはり落ち着かないので精算所側の通路を利用します。
改札業務に当たっていたのは、朱色のワーキングウェアを着用した輸送担当の駅員でした。

ちなみにJR西日本は年功序列から実力主義への転換を図るべく、2000年4月に大々的な職制の改正を実施しています。
分割民営化直後のJR各社と鉄道労連(現・JR総連)が交渉し、1988年4月に規定された全国共通の昇職・昇格制度からは大きく逸脱する事になりました。
勤続年数に応じて昇進する非管理職の主任・指導係を廃止し、助役と平社員の間に係長を新設したほか(助役を省略し駅長・係長を置く現場も多い)、駅の営業係・輸送係が統合されて運輸管理係になっています。
しかし実際には担当業務を振り分けている駅が依然として多いのだそうな。

従来の輸送主任についても職名が廃止され、「新幹線駅長業務資格」または「在来線駅長業務資格」を有する平社員という位置づけになっています。
そんな平社員でも駅長・助役・係長と同等の運転取扱資格を持つ以上、ホーム上で立ち番を行う際などは金線1本入りの赤帯制帽を着用します。
入社15年前後で赤帽を被れるようになるという縛り(総合職はその限りではない)も無くなり、入社8年目にして「在来線駅長業務資格」を持つ社員も現れています

なお、現行の専門主任・技術主任は2008年に導入された専門職制度に基づき任命されるもので、実務に従事しながら所属人員への高度な指導を行う「プロ中のプロ」。
他社の主任は1箇所の現場に何人も配置されていますが、専門主任・技術主任は管理職以上の狭き門とされており、それこそ山陽新幹線は運転所2箇所・列車区1箇所という陣容でありながら、技術主任運転士が2人しかいないそうです







駅舎は古い木造モルタル造りの2階建てで、どっしりとした佇まい。
おそらくは開業当初から建ち続けているものでしょう。
宇部新川駅は1914年1月に開業した宇部軽便鉄道の駅として設置され、1931年7月に沖ノ山旧鉱駅(後の宇部港駅)までの支線(後の小野田線貨物支線)が開業してからは貨物輸送の要衝としても機能しました。
小野田線貨物支線は1952年4月に本線宇部新川~居能間が開業した事に伴い、宇部港駅への経路を居能駅経由に切り替えるかたちで廃止されています。
前回記事でも触れたとおり、宇部市の中心市街地に位置するのは宇部駅ではなくここ宇部新川駅。
国有化された1943年5月から暫くはこちらが宇部駅を名乗っていましたが、1964年9月に再び宇部新川駅へと駅名が戻されています。
一度は改称したものの結局は元の駅名に落ち着くというのは、なかなか珍しいケースかも。
一方、山陽本線の宇部駅は1910年7月に西宇部駅として開業しましたが、特急停車駅だった事もあり1964年10月に現駅名へ改称されています。







コンコースは吹き抜けになっており、かなりの開放感。
壁のはげ具合が気になりますが、なかなか立派な装いです。
出札窓口(みどりの窓口)の隣には自動券売機が設置されており、セブンイレブンが入居しています。





正面玄関の頭上にはペリカンの絵が貼られています。
宇部市内の常盤公園ではペリカンも飼育されているのです。





出札窓口には豪雨の影響により不通になったJR九州の日田彦山線添田~夜明間、久大本線うきは~日田間の情報を書いたホワイトボードが掲示されていました。
しかも私が宇部を訪れた2017年7月15日より、特急「ゆふいんの森」の経路が変更されたとの事。
気になって即座にスマホで調べてみると、日豊本線経由での運行になった事が分かりました。







待合室は駅舎正面に出っ張った、如何にも後年に増築されたであろう空間。
コンクリートブロックを積み重ねて壁を形成し、天井は金属製の波板が剥き出しです。





窓ガラスにはこんな注意書きが。
どうやら相当に古いガラスを使い続けているようです。





駅前には宇部市営バスの宇部新川バスセンターがあります。





バスセンターには山口22う3126(日野レインボーRJ/1995年式)が停まっていました。
車体は日野自動車のオリジナルではなく、西日本車体工業の58MCボディ。
西工58MCは関西以西でなければ滅多に見られない代物
北海道でも見られなくはないのですが、士幌交通と根室交通に1台ずつ在籍するだけです(しかも後者は大阪市営バスの中古車)。
西日本車体工業が解散して7年が経過した今、地元・福岡でも置き換えが進んでいるという58MCを間近に見られてテンションが上がりました。





リアビュー。
テールランプは田の字型です。

58MCを眺めた後は駅周辺を散策しました。







駅の近くの駐車場からは、留置線で休んでいる123系2両を見る事が出来ました。
車番は宇部方からクモハ123-2、クモハ123‐5ですね。





105系の3両編成も留置されていました。
基本的にワンマン運転を実施している宇部線ですが、3連の普通列車はツーマン運転になります。


散策しているうちに小野田線の発車時刻が近づいてきたので、宇部新川駅に戻りました。
次回に続きます。


※写真は全て2017年7月15日撮影


(文・写真:叡電デナ22@札幌市在住)


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最終更新日 : 2019-07-02

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