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2017-07-07 (Fri) 22:48

日高本線鵜苫駅 昆布漁場に佇むペイント駅舎



日高管内は様似郡様似町鵜苫にある、JR北海道の鵜苫(うとま)駅。
2015年1月に厚賀~大狩部間で高波による土砂災害が発生した影響により、列車代行バスの運行が続く不通区間(鵡川~様似間)に該当します。
浦河郡浦河町との境界が近い、国道336号線(襟裳国道)沿いの小さな漁村に位置します。
当駅から西に0.6kmほど進むと鵜苫漁港があり、西様似駅近くの様似漁港に比べてかなり小さいですが、アブラコやカジカ、マツカワ等が獲れる釣りの穴場として密かに知られています。
その一方で住民達は昆布漁を主として営んでおり、駅前には昆布の加工場も見られるなど、鵜苫の漁村は小規模ながら日高昆布の生産の一翼を担っています。
日高昆布漁に打ち込むのは夏場で、その他の季節は刺網漁やタコ漁などで生計を立てているとの事です。





鵜苫駅は1937年8月、国鉄日高線浦河~様似間の延伸開業に伴い一般駅として設置されました。
日高線は1943年11月に日高本線へと改称されています。
1977年2月になると貨物取扱い・荷物取扱いの廃止に伴い無人化され、同時期には交換設備も廃止されたそうです。
1987年4月の分割民営化に伴いJR北海道が継承し、現在は静内駅が管理する無人駅です。

JR北海道 国鉄 漁師
JR北海道 国鉄 漁師 塩害 日高地方




旧駅舎は無人化後に解体されており、以降はワフ29500形有蓋緩急車を転用した貨車駅舎が使われています。
北海道の貨車駅舎はヨ3500形車掌車を再利用した物が多く、ワフ29500形の駅舎は何気に貴重な存在です。
こちらもお隣の西様似駅と同様、2003年8月に様似中学校美術部の手でペイントが施されました。
漁村の駅に相応しく、海洋生物が泳ぐ海底の風景が描かれています。
正面側はタコ、イカ、蟹、海老などのイラストですが哀しいかな、太平洋が間近という事もあって潮風に為すがままにされています。
ホーム側も錆が目立ちますがまだマシな状態で、クラゲやチンアナゴ、クリオネ等が泳いでいます。
前面にはアザラシの姿も。
・・・日高でアザラシと言うと、最近では漫画『ゴールデンカムイ』のあの迷シーンを思い出してしまうw





デッキ内側の壁まで彩る芸の細かさ!





駅舎への転用に伴い荷卸口の扉が換装され、茶色いアルミサッシになっています。





正面玄関に設けられた集札箱(きっぷ受箱)。
過去の姿を見ていると、やはり鵜苫駅も西様似駅と同様、集札箱が設置されていなかったんですよね。
こちらも列車代行バスの運行開始に伴い新設されたという事なのでしょう。







待合室の様子。
左右に出入口があるおかげで、ヨ3500形の駅舎よりも開放的に感じられます。
貨車駅舎でありながら立派な掲示板も設置されています。
そして列車の運休が続く中でも、室内はなかなか綺麗。
近くにお住まいの方が掃除をされているんでしょうね。





しかも驚いた事に、駅ノートが健在でした。
土砂災害により不通となってからも、ノートには多くの書き込みが為されていました。
直近の書き込みは2017年6月、道外より来訪された方が残していったもの。
日高本線の復旧を望む人は遠く離れた土地にもいるのです。







1面1線の単式ホーム。
全長は20m車3~4両分といったところです。
床面は大半が未舗装ですが、縁にはコンクリートブロックが敷かれ案外しっかりした造りです。





交換設備が運用されていた頃は1面2線の島式ホームだった鵜苫駅。
棒線化によってホームの駅舎側は切り崩され、駅舎との間に残るスペースにもう1本の線路の面影を見る事が出来ます。





ホーム上の駅名標。


※写真は全て2017年7月1日撮影


(文・写真:叡電デナ22@札幌市在住)


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最終更新日 : 2019-07-02

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