タタールのくにびき -蝦夷前鉄道趣味日誌-

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2017-06-04 (Sun) 12:55

北海道鉄道技術館に新登場の「711系電車コーナー」



苗穂駅の移転工事現場を眺めた後は、苗穂工場構内の北海道鉄道技術館へ。
「鉄道唱歌」が流れる館内に入るのは、苗穂工場一般公開が開催された昨年9月以来。
それから足を運ばなかった半年以上の間に、1階正面玄関から入って右側の展示室が様変わりしていました。
JR北海道文化財団の公式HPによると2017年4月8日に一部リニューアルしたとの事。
以前は転轍機や信号機、SL動輪などが置かれていた場所は、展示品を入れ換えて「711系電車コーナー」に生まれ変わっています。





数年前から展示されてきた「711系電車運転室モデル」も、リニューアルに伴いアルコンカットボディの近くに移設。
前照灯・尾灯の点灯・消灯は乗務員室内で操作でき、前照灯りについては減光も可能です。
私を含め一部の札学鉄研関係者は、419系・715系(どちらも元583系)の先頭車化改造車を彷彿とさせる造形なので「北の食パン電車」と揶揄していますw
帯がクリーム色ではなく白だったら、なおさら419系旧塗装の姿に近づくかとw
いや本当に、技術館で711系のカットボディを保存できなかったのかと常々思うものですから、このような模造品とも言いがたい物体を見るといたたまれない気持ちになるんですよ。
現に此度のリニューアルでは展示品の大幅な入換えを実施している訳で、カットボディ1両を入れるだけのスペースが確保できただろうに・・・と考えてしまいますね。

JR北海道 JR九州 JR西日本 国鉄 北陸本線 長崎本線 東海道本線 臨時列車
JR北海道 JR九州 JR西日本 国鉄 北陸本線 長崎本線 東海道本線 臨時列車


そんな「北の食パン電車」の屋根には、実車から切り取られた前面種別幕まわりが鎮座しています。
これはリニューアル前の食パン電車には乗っかっていなかったものですね。
こちらの前照灯も乗務員室内で点灯・消灯を切り替える事が出来ます。
前面種別幕は「修学旅行」を示していますが、155系「ひので・きぼう」よろしく修学旅行列車に充当された事があるのでしょうか?


函館本線 千歳線 室蘭本線


しかもこれ、1999年10月に引退してから苗穂工場に長く留置され続けたものの、惜しくも2013年9月に解体されてしまった試作車・クハ711-901の忘れ形見のようです。
あれから3年、2016年11月には相方のクモハ711-901も解体されてしまい、日本初の本格的な交流専用電車が消滅する事となりました。
JR北海道が経営難とはいえ、国鉄の技術の結晶たる2両が完全な状態で保存されなかったのは残念でなりません。





乗務員室の様子。
青いモケットの跳ね上げ式座席(運転席)が設置されており、座って運転士になったような気分を味わう事が出来ます。





縦軸式の運転台。
ブレーキハンドルもしっかり差し込まれています。
この運転台に付いているスイッチ類で、前照灯の点灯・消灯・減光、乗務員室灯の点灯・消灯を操作できます。
尾灯は運転台の右上にスイッチがあります。





運転席の脇には車掌スイッチ(ドアスイッチ)が設置されています。
実車では非常ブレーキスイッチに加え、紐状の車掌弁も併設されていましたが、「北の食パン電車」には車掌弁がありません。
開扉操作により運転台の戸閉め表示灯(知らせ灯)が消灯し、外側の車側灯が点灯するようになっています。
これまたリニューアル前には見られなかった新機軸ですね。
ただし乗務員室扉が設けられていないので、室内からでは車側灯を確認できません。
この点はちょっと勿体無いかな。





ドアが閉まっている間、運転台の知らせ灯は点灯した状態です。





ドアが開くと知らせ灯が消灯します。
国鉄時代の電車は閉扉後の発車合図を知らせ灯の消灯のみとする「知らせ灯式」を当たり前に採用していました。
しかし北海道では電車の本数が少ない上、機関士・気動車運転士が電車運転士を兼務していた事もあり、当時から気動車と同様にブザー合図と知らせ灯を併用する「車内ブザー式」でした。
ツーマン列車における知らせ灯式の発車合図は現在、JR東日本(電車のみ)や豊橋鉄道、伊予鉄道などに残っており全国的に見てほんの少数です。





車体側面に設けられた車側灯
閉扉状態だと消灯しています。





ドアスイッチを押し上げて開扉状態にすると、車側灯が点灯します。
ちなみに車側灯の一般的な読みは「しゃそくとう」ですが、JR北海道では何故か「しゃがわとう」と読みます
国鉄時代の指差喚呼「車側灯よし」も「しゃそくとう」と読んでいたんですけどね。
分割民営化してから読みが変わったのか、それとも北海道では元から「しゃがわとう」と読んでいたのか・・・。
車掌の指差喚呼に耳を傾けると聞けますので、気になる方は観察してみて下さい。
とはいえ、JR北海道の社員が声を出して指差喚呼する事は滅多にないですが・・・。





電車運転室の裏には711系・781系が搭載していた電機子のカットモデルと、複式円筒コロ軸箱が展示されています。





食パン電車の壁には711系最終運転記録」が展示されています。
2015年3月13日のラストラン、144M(岩見沢7:49始発・札幌行き普通列車)の運転記録が書かれた「入出区編成票」と「運転キロ表」を見る事が出来ます。





こちらが2015年3月13日の車両編成表。





そしてこちらが運転キロ表。
最終運転を担ったS-111編成、S-116編成を含め計10本の使用実績が記録されています。





食パン電車の隣では前面種別幕・側面方向幕の操作体験や・・・





シングルアームパンタの操作体験が出来ます。
リニューアル前の技術館では菱形パンタグラフが展示されていたのですが、それは無くなっていましたね。





乗務員室に設置されていた行先表示器指令器パンタグラフ操作スイッチ
操作体験ではこれらの機器を使います。





前面種別幕と側面方向幕は一緒に並べてあります。
側面方向幕は行先表示器指令器で操作しますが、前面種別幕は後にあるハンドルで幕を回さなければなりません。
この機会なので定期運用で使われる事が無かった赤地に白抜きの快速幕と、「快速 札幌」の表示を組み合わせてみました。





扇風機も設置されており、ボタン操作で回す事が出来ます。
しかし実車には無かった網カバーが付いているものですから、国鉄型車両の廃車発生品らしさが希薄です。





シングルアームパンタの周りには4枚の前面貫通扉が展示されていまして・・・





何と2015年2月16日から掲出が始まった、「さよなら711系」の記念ヘッドマーク(ステッカー)が付いています!
2度と見る事は無いだろうと思っていただけに、これには驚きました。
こちらは快速エアポートの前身に当たる、快速空港ライナーの絵柄を模しています。
空港ライナーが運行されていた頃は、南千歳駅も千歳空港駅を名乗っていたものです。





こちらは快速マリンライナーの絵柄。





利用者増を狙って増発を図り、国鉄末期の1984年12月より運行された「くる来る電車ポプラ号」の絵柄。
札幌近郊で9~17時に運転される普通列車にヘッドマークを掲出していましたが、企画が定着する事は無く消滅しました。





「北の食パン電車」の隣にも前面貫通扉が置かれています。





こちらの貫通扉には列車番号表示器が設置されています。
道外では列車番号(○○○○M)を示すこの表示器ですが、道内では国鉄時代から編成番号の表示に使われてきました。
試運転~運行開始時は711系でも列車番号を表示していたんですけどね。





そして区間快速いしかりライナーの絵柄を模したヘッドマークも掲示。


この他にも新たな展示コーナーが設置されていました。
それについては別記事で触れる事にしましょう。


※写真は全て2017年6月3日撮影


(文・写真:叡電デナ22@札幌市在住)


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最終更新日 : 2019-07-02

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