上川管内は上川郡当麻町北星にある、JR北海道の将軍山(しょうぐんざん)駅。
当麻町の市街地から北へ3.5kmほど離れた、稲作地帯の中に位置します。
将軍山駅は国鉄時代の1960年5月、仮乗降場として設置されました。
1987年4月の分割民営化に伴いJR北海道が継承し、同時に駅に昇格されて現在に至ります。
開業から一環して無人駅で、旭川駅が管理しています。
近隣の農家(主にお年寄り)が通院・買い物に利用するほか、通学に列車を使う高校生も見られます。
しかし、これらの利用客は旭川方面に出る傾向が強く、午前中の上り普通列車と昼過ぎ~夜7時前の下り普通列車は全て停車するのですが、その他の時間帯の列車は大抵通過します。
特に午前中は下り普通列車が一切停車しないため、札幌方面から向かうには難易度がやや高めです。
訪問の際には隣の駅からの徒歩移動も視野に入れた方が良いでしょう。
ちなみに(駅に対して使うには奇妙なワードだけど)最寄り駅は伊香牛駅で、国道39号線(大雪国道)を経由すれば徒歩27分での移動が可能です。
JR北海道 国鉄 鹿児島藩
JR北海道 国鉄 鹿児島県
駅舎はコンクリートブロック造りの小さな平屋。
赤茶色のトタン板を用いた、シンプルな“への字”型の招き屋根を有しています。
玄関はガラス張りの引き戸ですね。
待合室の様子。
何故か自転車が駐輪されており、床には砂利が敷き詰められています。
板張りのベンチには駅ノートが1冊だけ置かれていました。
照明は一切なく、夜間の利用は少し怖いでしょうね。
玄関前には自動車の座席が置かれています。
地元の方が列車待ちの便宜を図って設置されたのでしょうか。
向かい合わせにソファも置かれています。
駅舎の裏手には古い簡易トイレがあります。
これまた使うには相当な勇気が要りそうですね・・・。
駅舎とホームは若干離れています。
両者の間にはアスファルト舗装が施されており、駐車場として利用できるよう配慮されているのでしょう。
田舎だと高校生が親御さんにクルマで駅まで送り迎えしてもらう、という事はよくある話ですからね。
電柱に寄り添う当麻町防犯協会の啓蒙看板。
「気をつけよう甘いことばと暗い道事件・事故は110番」と書かれているのですが、川柳の体裁を活かすなら「暗い道」と「事件」の間に空白を設ければ良いのに・・・と思ってしまいました。
1面1線の単式ホーム。
全長は20m車1両分で、2連以上になるとはみ出してしまうのは仮乗降場に出自を持つ駅にありがちな事。
ここ数年で改修を積み重ねており、開業当初からのコンクリートの床板は滑り止め付きの新品に置き換えられつつあります。
手すりも以前は錆にまみれていましたが、塗り直されて見違えるほど綺麗になりました。
入線するキハ40系。
ホームの駅名板。
駅に隣接する9条道路踏切。
踏切を挟んで東側に駐輪場が設けられています。
いや本当に、何で待合室の中に自転車が駐輪されているんでしょうね?
東には駅名の由来となった「将軍山」という小高い山があります。
この山は1889年9月、屯田兵司令官に就任したばかりだった永山武四郎将軍が視察に訪れた場所です。
山の名称も永山将軍に由来します。
薩摩藩出身の永山将軍は開拓使に従事した後、長年に渡り屯田兵の指揮を務めてきました。
当地へは新たな屯田兵の入植地を決めるべく訪問しており、山に登って眼下に広がる平野を眺め、永山・東旭川・当麻の3兵村を置く方針を固めたのだそうです。
このうち永山は、まさしく永山武四郎将軍の名前に由来する地名です。
将軍山での出来事は軍都・旭川の礎を築き、「北鎮部隊」の異名を持つ第七師団の創設にも関わった事に違いありません。
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最終更新日 : 2019-07-02