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2017-01-15 (Sun) 20:50

石北本線網走駅 監獄と流氷の町のターミナル【後編】



引き続き、網走駅を見ていきましょう。
駅舎の母屋と離れ(輸送本部?)の間には広々とした空間があります。
ここにはコインロッカーと臨時改札口が設けられています。





臨時改札口には鉄格子のラッチが設置されています。
大分錆付いており相当な期間、使用されていない事が窺えます。
前回記事でも述べたとおり、現在の網走駅舎は1977年12月に建て替えられたもの。
もしかしたら分割民営化以前から使われていないのかも知れません。

JR北海道 国鉄
JR北海道 国鉄


臨時改札口の手前には博物館網走監獄から2007年11月に寄贈された、牢屋を模した顔ハメ看板が設置されています。
看板には日付を示すボードと気温計も据え付けられています。

1890年に開設された釧路監獄署網走囚徒外役所を前身とし、道内各地の集治監と同様、開拓に必要な道路の開削工事に囚人を使役していた網走監獄。
やがて囚人使役が廃止され、一時的な廃監・再設置を経て1922年に網走刑務所に改称されています。
元は看守が囚人を監視し易いように設計した五翼放射状平屋舎房を有していましたが、1984年に鉄筋コンクリート造りの舎房に建て替えられました。
その際、五翼放射状平屋舎房は刑務所より南方の博物館網走監獄(1983年開館)に移築され、1985年より一般公開を続けています。

網走監獄には全国各地から凶悪犯・国事犯が集められ、発足時は囚人1,392人のうち3割は無期懲役、残りは全て懲役12年以上の重罪犯でした。
犯罪者達には最も厳重な最果ての牢獄として恐れられていたそうです。
一方で何の因果か脱獄犯と縁があり、“五寸釘寅吉”の異名を持つ西川寅吉、漫画『ゴールデンカムイ』の主要キャラのモデルにもなった“昭和の脱獄王”白鳥由栄・・・と有名な脱獄犯が2人も収監されていました。
五寸釘寅吉に至っては50年以上に渡り脱獄と再投獄を繰り返しており、樺戸集治監(札沼線石狩月形駅は同監獄の跡地にある)にも収監された事があります。
その他、ゾルゲ事件で逮捕されたソ連のスパイ、ブランコ・ド・ヴーケリッチ(Branko Vukelić)も獄死しています。

JR北海道 国鉄
JR北海道 国鉄


近くには白ポストも置かれています。
土台が自動車のタイヤホイールですね。





臨時改札口のホーム側。
防犯を考えると、天井まで鉄格子を拡張した方か良い気が・・・。





ラッチの近くには、木登りをする小熊達を象った木彫の柱が飾られています。







単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線を組み合わせた、2面3線の複合ホーム。

駅舎側の単式ホームが1番線で、基本的に特急オホーツクを含む石北本線の上り列車(北見・遠軽・旭川・札幌方面)が発着します。
全長は20m車9~10両分ほどですが、停止位置目標は最長で8両編成用まで設置されています。
床面には視覚障害者誘導用ブロックと破線状の白線が引かれており、白線の外側には青い滑り止め舗装が施されています。
なお、国鉄時代は北見方に湧網線の0番線が設けられていました。





島式ホームは内側から2番線・3番線で、どちらも基本的に釧網本線の下り列車(知床斜里・緑・釧路方面)が発着します。
視覚障害者誘導用ブロックが敷かれていますが、滑り止め舗装は2番線の雨除け屋根内側に留められています。





先述した臨時改札口の傍に跨線橋が設けられています。
手前の4両編成用停止位置目標に赤枠が付いていますが、これはJR北海道旭川支社管内の駅で見られる特徴。
石北本線遠軽~網走間、宗谷本線旭川~蘭留間では平日朝ラッシュ時に運行される3~4連の普通列車において、取扱い上はワンマン運転ではあるものの、車掌の補助乗務が実施されているのです。
補助乗務中のワンマン列車では、運転士は車掌からの乗降終了合図(電鈴2打)を受けてから戸閉め操作を実施しなければなりません。
その注意喚起のために、停止位置目標にこのような赤枠を付けている訳ですね。
一方、同じように補助乗務が実施されている根室本線新得~池田間(釧路支社管内)、函館本線函館~大沼間(函館支社管内)などでは赤枠が付いていません。







1番線には上り列車向けに2台の車掌用ITVが設置されています。
しかし、特急オホーツクのグリーン車車掌室とは位置が合わず、室蘭本線輪西駅のITV以上に使用機会が無さそうです・・・。





平日朝6時台の網走駅。
通学輸送に対応するべく、1番線には石北本線4652D(網走6:30始発・西留辺蘂行き普通列車)のキハ40系3連、2番線には釧網本線4725D(網走6:41始発・釧路行き普通列車)のキハ40系2連が発車の時を待ち構えます。





石北本線4652Dは東相内駅で4連の4653D(遠軽6:36始発・網走行き普通列車)と交換します。
この列車には当駅から補助乗務の車掌が乗り込み、無人駅でも乗降が多い場合には全てのドアが開放されます。





ホーム上から駅舎を眺めた様子。





4枚ものドアが並ぶ改札口。
なかなかに壮観ですが、現在では左端のドアしか改札業務に使用されません。





待合室のモリヤ商店はホーム側にも売り場を設けています。





ホーム上の駅名板。





駅構内の西側には北見運転所網走検修詰所の車庫があります。
ここでは普通列車・特急オホーツクの夜間滞泊と、それに伴う車両点検が行われています。
検修詰所の検修員に加え、北海道ジェイ・アール運輸サポート網走支所の社員(検修員・清掃員・庫内運転士)が従事しています。
車庫は国鉄時代の北見客貨車区網走支区に由来する事もあってか、古いながらも大きめです。





車庫の東側には検修員の事務所と思しき木造平屋もあります。
こちらもかなり年季が入っていますね。


※写真は全て2016年9月7日撮影


(文・写真:叡電デナ22@札幌市在住)

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最終更新日 : 2019-07-02

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