タタールのくにびき -蝦夷前鉄道趣味日誌-

現在、札学鉄研OB会ブログから筆者投稿の記事を移転中です

Top Page › 北海道 › 釧網本線止別駅 木造駅舎の「駅長ラーメン」
2017-01-05 (Thu) 19:48

釧網本線止別駅 木造駅舎の「駅長ラーメン」



オホーツク管内は斜里郡小清水町止別にある、JR北海道の止別(やむべつ)駅。
国道244号線(斜里国道)から800mほど北に逸れた、オホーツク海沿岸の静かな集落に佇んでいます。
駅前には手作り鮭とばで知られるニハチ食品の加工販売場があります。
止別駅は1925年11月、国鉄網走本線(後の釧網本線)北浜~斜里間の開業に伴い一般駅として設置されました。
現行の駅舎は1968年11月に改築されたもので、青いトタン屋根を持つ板張りの平屋です。
国鉄末期の1982年9月に貨物取扱い、1984年2月に荷物取扱いが相次いで廃止。
1984年3月に簡易委託化され、暫くは出札業務が続けられていましたが、1992年4月を以って完全無人化されています。
1987年4月の分割民営化に伴いJR北海道に継承され、現在は知床斜里駅が管理する無人駅です。

JR北海道 国鉄
JR北海道 国鉄


止別駅には戦前、私鉄の北見鉄道も乗り入れていました。
北見鉄道は1930年6月に開業し、止別駅付近に仮止別駅を設置。
仮止別~小清水間の自社線8.7kmに1日4往復の混合列車を走らせ、1937年3月には仮止別駅の構内側線を延長して止別駅前に乗り入れるにようなりました。
この頃、ガソリン動車を投入して3往復が増発されましたが、直後に日中戦争が起こってガソリン不足に陥り、1939年8月を以って鉄道事業を廃止しています。
その一方で1938年8月に路線バス事業を開始。
こちらは1940年3月に横道自動車へ譲渡し、やがて北海道北見バスへと繋がっていきます。
北見鉄道はバス事業譲渡後の1940年7月を以って解散しました。





現在、駅舎には「ラーメンきっさ えきばしゃ」というラーメン屋が入居しています。
このお店は止別駅が簡易委託化された1984年3月より営業しており、1992年4月の完全無人化まで同店で切符を販売していたそうです。
不定休で営業時間は11:00~20:00。
国道から離れた立地ながら、食事に訪れる会社員や旅行者が案外多いですね。
駅舎の正面には店名を記した電飾看板が取り付けられ、その手前に黒く塗り潰した踏切警報機が置かれています。





正面玄関の右手には「北の野に夢を抱いて」の一節から始まる詩を書いた看板が立っています。
設置されて相当な年月を経ているようで、文字が薄れてほとんど読めないですね。





駅舎の東側には馬車の車輪と駅名板が置かれています。
駅名板には「人の出逢いに別れを止める こりんごの浜波は純金のいろ」との短詩が添えてあります。
「別れを止める」の一節は地名の止別をもじっているのでしょう。
旅情をそそる印象的な詩ですね。







待合室の様子。
様々な調度品が飾られ、薄暗くも華やかな雰囲気が感じられます。
ご多聞に漏れず「ラーメンきっさ えきばしゃ」は駅事務室を改装して店舗としています。
手小荷物窓口は板で封鎖されていますが、出札窓口は現役時代の姿を留めています。





出札窓口の手前には、キハ183系で使われていたものと思しきリクライニングシートが置かれています。





出札窓口の頭上には詩を記した札が掲示されています。
駅舎の外の文字が薄れた看板も、おそらくはこれと同じ詩が書かれていたのでしょう。
止別という地名の由来を解説しています。





出札窓口を覗いてみると、ほぼ国鉄時代の装いを保っているようです。
第8代国鉄総裁・高木文雄氏による「今日も無事故で」の安全標語(本人直筆の1/2複製)や、「さようなら鉄道郵便記念」の切手型ポスター、歴代駅長の名簿等、貴重な掲示物が見られます。





かつての駅事務室の通用口前に置かれた、「ラーメンきっさ えきばしゃ」のメニュー表。
ラーメンだけでなくうどんやそば、アイスクリーム等も提供しています。
メニュー表を眺めていると「駅長ラーメン」の表記が気になり、迷わず入店する事に。







注文後、許可を頂いて店内を撮影。
古びた外観に反して店内は綺麗にリフォームされており、駅事務室の面影はあまり感じられません。
釧網本線には止別駅の他にも、藻琴駅、北浜駅、川湯温泉駅・・・と古い木造駅舎に喫茶店が入居している駅がありますが(何れも当ブログで紹介済み)、その中でも当駅が特に大きく変化しているでしょうね。





そして、こちらが駅長ラーメン
海老、蟹、ホタテ、いくら、海藻など、海の幸をふんだんに浮かべた味噌ラーメンです。
スープはあっさり目で海鮮の出汁がよく溶け込んでいました。
値段だけ見ると1,600円と高めですが、結構なボリュームなのでお得感は大きいと思います。
鉄道に因んだネーミングも良いですね。





ホーム側から駅舎を眺めた様子。
「えきばしゃ」の電飾看板はこちら側にも設置されています。





改札口の様子。
木製の駅名看板が残されており、引き戸の頭上には「WELCOME Yamubetsu  Koshimizu Hokkaido」と書かれています。
床面を見ると柵のラッチを撤去した痕跡がありますね。





駅舎の側面にも駅名を表記しています。
道内ではあまり見かけない気がしますね。







1面1線の単式ホーム。
床面はほとんど未舗装で、全長は20m車3両分といったところですね。
国鉄時代は2面2線の相対式ホームで、他に貨物ホームを有していました。







ホーム向かいの森林に面して、かつての貨物側線が1本だけ残されています。
知床斜里・釧路方で本線から分岐しているのですが、分岐器は既に撤去されています。





木造駅舎の手前に停車するキハ54系。
網走方面に通学する高校生の乗降も見られます。


※写真は全て2016年9月7日撮影


(文・写真:叡電デナ22@札幌市在住)

http://images.tetsudo.com/banner/banner_88_31_2.png 鉄道コムのブログランキングに参加中!バナーのクリックをお願い致します。
スポンサーサイト



最終更新日 : 2019-07-02

Comment







管理者にだけ表示を許可