タタールのくにびき -蝦夷前鉄道趣味日誌-

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2016-11-04 (Fri) 22:42

2016/10/29 上信電鉄全区間乗車【1】



「高崎鉄道ふれあいデー」を見物し終わった後、群馬の鉄道を満喫したい私は高崎駅の西側にある上信電鉄上信線の乗り場へ移動。
14時をとうに過ぎており、夕暮れまであまり時間が残されていませんが、下仁田までの全区間を乗車する事にしました。
頃合を見て途中駅にも降り立ってみようと思いつつ、まずは出札窓口で「一日全線フリー乗車券」(1,800円)を購入します。





版面に「第23回鉄道の日記念」、「群馬県民の日記念」と明記されている事からも分かるとおり、この時の価格は10月中の土日祝日と群馬県民の日(10月28日)に限った限定価格。
通常は2,220円での販売となっており、420円分お得なので使わない手はありませんでした。
購入後、発車時刻まで時間が無かったので車両を撮影する暇も無く、改札口の女性駅員さんに促されるまま高崎14:27始発の下仁田行きに乗り込みました。
充当車両は1996年にデビューした150形155F(クモハ155+クモハ156)でした。
元は西武鉄道701系のモハ756・モハ755(2両とも1966年製)で、上信への移籍に際し廃車発生品の運転台を移植し制御電動車化したものです。
上信150形は2連3本が在籍していますが、編成ごとに種車となった形式が異なっています。

JR東日本 西武鉄道 上信電鉄 JR北海道
JR東日本 西武鉄道 上信電鉄 JR北海道


何だか田舎町の時報メロディみたいな音色の発車メロディが鳴り響いた後、ドアが閉まり発車しました。
どうやらテレサ・テンさんの「美酒加珈琲」が原曲なのだそうです。
短い距離ですがJRの高崎線と並走する上信電鉄の電車。
本社前の留置線で休息を過ごす仲間達を横目に、155Fは高崎線を離れて住宅地の単線を南下していきます。
佐野のわたし駅を出て程なくして烏川の鉄橋を渡り、いよいよ長閑な田園地帯に飛び込みました。
ローカル私鉄と言えど車内の乗車率は割と高めで、座席は全て埋まっており、立ったままの乗客もチラホラと見られました。
地元の買い物客や高校生が多い一方、観光客らしき人達も見受けられました。
沿線には2014年に世界遺産登録された富岡製糸場や、下仁田ジオパーク等の名所がありますね。

JR東日本 西武鉄道 上信電鉄
JR東日本 西武鉄道 上信電鉄


上信線には21の駅がありますが、その半数近い11駅は明治~昭和初期に建てられた木造駅舎を守り続けています。
上写真の山名駅は1897年5月の開業で、1934年には山名駅周辺が陸軍特別大演習の決戦地に指定された事から、昭和天皇も乗降されています。
他の10駅も非常に味わい深く、有人駅では駅員さん(中年女性が多め)が改札口前で列車を見送るため、更に旅情をそそられます。
全駅に降り立ってみたいという欲求に駆られる訳ですが、日没まで時間が残されていない上、夜には前橋駅前でOB会の飲み会があったためグッと我慢。
終点の下仁田駅と上州新屋駅には下車しました。
それについては後述します。





富岡製糸場の最寄り駅である上州富岡駅で、ほとんどの乗客が下車。
すっかり空いてきたので、頃合を見て150形155Fの車内を撮影しました。
3ドア20m車体にしてオールロングシートなので、座席の長さが目立ちますね・・・個人的には未だにこれが西武車両のイメージです。
薄茶色の座席と袖仕切り、少し三角形に出っ張ったラインデリアなどなど、基本的なインテリアは西武701系時代と大差ありません。





乗降口ドアは金属の地肌が剥き出しになっています。





ドアの頭上に掲示された路線図。
駅名の外枠は3色で色分けされており、赤枠が無人駅、緑枠が時間帯無人駅、青枠が有人駅(終日社員配置駅)となっています。
しかし、如何せん枠線が細いものですから、近づかないと色の区別がしづらいの何の。





違いが明白なのは乗務員室周り。
上信電鉄では1996年10月よりワンマン運転を実施しており、この150形155Fはまさにワンマン化に合わせて導入されました。
譲渡に際し乗務員室仕切りの手前にあった座席は封鎖され、運賃箱と運賃表示器、整理券発行機が増設されています。
上信電鉄のワンマン運転はJR北海道と同様、無人駅では一番前のドアしか開閉されない前乗り前降り方式。
ただ、車内放送はJR北海道と大きく異なり、「降り口は1両目、前、(左or右)側ドアです」と、一番前のドアが開くというだけではなく、左右どちらのドアが開くかも併せて案内しており大変丁寧です。
そういえば叡山電鉄(後乗り前降り方式)も同様に案内していましたね。





ゴテゴテとワンマン対応機器が増設された運転台。
マスコンハンドルとブレーキ弁の間に左側ドアスイッチと自動放送装置、ブレーキ弁の右隣に右側ドアスイッチが設置されています。
上信電鉄の運転士は有人駅での全ドア扱い時もホームに出る事はなく、運転席に座った状態でバックミラーを見ながらドア操作を行います。
各ドアスイッチには「他ノ戸」、「此ノ戸」と2つのスイッチが付いており、前ドアのみ開閉する場合は「此ノ戸」だけ押します。





運転台の左側には運賃収受システムの設定器と、列車無線マイクが設置されています。
ちなみに西武時代の列車無線操作器は受話器型でした。





車内放送装置は西武時代と変わらず、運転士側の背面に設置されています。





助士側の様子。
万が一の増結作業に備えているのか、フライ旗が置かれていました。





15:19、南蛇井駅に入線。
南蛇井と書いて「なんじゃい」と読みます・・・なかなか面白い地名ですよね。
向かいには高崎行きの250形デハ252+1000系クハ1301の2連が停まっていました。
私が乗っていた150形は左運転台ですが、250形と1000系は右運転台となっています。
クハ1301は両運転台車両と組むための増結用制御車ですね。
このユニットには後ほど乗車しているので、改めて別記事で250形や1000系について詳しく書こうと思います。





千平駅を出ると電車は鬱蒼とした山林の勾配を駆け上がっていきます。
そして、終点の下仁田駅には15:28に到着。
隣の留置線では150形153F(元・西武801系)が休んでいました。
153Fは1997年8月より群馬サファリパークの広告塗装を纏っています。
私も子供の頃に鉄道書籍でこの塗装を見た時はシマウマだと思い込んでいたのですが、実はホワイトタイガーの縞模様を模しているんですよね。
20年近く変わらぬ広告塗装を見て、童心に返った気分です。
西武の湘南顔も好きな造形ですね・・・オリジナルの湘南電車に比べて可愛らしい感じがします。





私が乗ってきた150形155Fは下仁田ジオパークの広告ラッピング車となっています。
クリームを基調に緑のストライプを配した上信オリジナル塗装を活かし、写真やイラストを貼り付けています。





やっぱり群馬といえばコンニャクですよね。
ラッピングにもはっきり「ネギとコンニャク ジオパーク」と書かれていました。





下仁田駅の東側には富士重工製の軌道モーターカー・TMC200C(1975年製)が留置されていました。
結構色あせていますが現役のようです。





あらかた車両を撮影したら、駅員さんにフリーパスを見せてホームの外へ。
次の改札開始まで駅舎を眺めて過ごす事にしました。
次回に続きます。


※写真は全て2016年10月29日撮影


(文・写真:叡電デナ22@札幌市在住)

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最終更新日 : 2019-07-02

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