タタールのくにびき -蝦夷前鉄道趣味日誌-

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2016-09-22 (Thu) 23:56

名寄公園のSL排雪列車「キマロキ編成」



宗谷本線名寄駅の南方にある名寄公園は全国で唯一、キマロキ編成を保存している場所です。
キマロキ編成とは蒸気機関車を用いた除雪ユニットの事で、SL2両とマックレー車(かき寄せ式雪かき車)1両、ロータリー車(回転式雪かき車)1両の4連により組成されています。
「キマロキ」という名称は機関車の「キ」、マックレー車の「マ」、ロータリー車の「ロ」、機関車の「キ」・・・と編成を組む車両の頭文字から取られています。
ただし、実際には基本4連に車掌車が連結された状態で運転されており、名寄公園の保存車両も車掌車と一緒です。
北海道の内陸部や東北地方、北陸地方といった豪雪地帯では、普通のラッセル車が除雪を行う度に、線路の左右に雪が高く積もっていき収拾がつきませんでした。
そのため、壁のような積雪を崩して線路から離れた場所へ飛ばすよう、キマロキ編成が開発されました。

JR北海道 国鉄 北陸本線 上越線 信越本線 羽越本線 奥羽本線
JR北海道 国鉄 北陸本線 上越線 信越本線 羽越本線 奥羽本線


国鉄から名寄市にキマロキ編成が無償貸与され、名寄公園での静態保存が始まったのは1976年12月。
現在はすぐ近くにある名寄市北国博物館(1996年開館)が管理しており、国鉄OBを中心とした45名の会員によるキマロキ保存会(1976年設立)が保守を担っています。
2010年にはJR北海道が「北海道鉄道開業130周年」を記念し、分割民営化後では初となる鉄道記念物の選定を行い、キマロキ編成が準鉄道記念物に指定されました。
キマロキ保存会についても長年に渡る保存活動が評価され、2009年に名寄市文化奨励賞、2013年に北海道文化財保護労賞を受賞しています。

JR北海道 国鉄
JR北海道 国鉄


南側のSLは名寄機関区に所属していた9600形59601号機。
1921年11月に川崎造船所にて竣工し、1972年10月に引退するまでの約51年間に渡り活躍しました。

JR北海道 国鉄 北陸本線 上越線 信越本線 羽越本線 奥羽本線
JR北海道 国鉄 北陸本線 上越線 信越本線 羽越本線 奥羽本線


59601号機の前面には、準鉄道記念物の指定を記念したヘッドマークが取り付けられています。





ヘッドマークのアップ。
1本のレールと2本の犬釘を組み合わせた絵柄が付いています。





続く2番手はマックレー車(かき寄せ式雪かき車)のキ900形キ911号機。
国鉄苗穂工場にて1938年10月に落成した道産子であり、1975年10月までの35年間に渡り使用されました。
車体の表記によると晩年の所属は名寄駅です。
自走は出来ないため貨車扱いとなります。





マックレー車の車体を見ると、大部分は八の字に広がる翼のような除雪装置です。
この大きな翼で線路ぎわの雪壁を崩し、雪を線路上にかき集めていました
集めた雪はロータリー車が遠くへ飛ばしていくため、マックレー車はロータリー車とペアを組む事でようやく除雪車としての力を発揮できる訳です。





当然、3番手はロータリー車(回転式雪かき車)です。
先頭部に付いた巨大な回転翼で、マックレー車が切り崩した雪を線路から遠くへ飛ばしていきます。
名寄公園の保存車両はキ600形キ604号機で、1939年11月に国鉄苗穂工場で製造され、キ911号機と同じく最終配置は名寄駅で1975年10月まで使用されました。





実車を見ると車体後方に炭水車を備えていますが、蒸気機関は回転翼を駆動する動力として用いるものであり、自走はできません。
ゆえにマックレー車と同様、運転には機関車との併結が必要になる訳ですが、除雪そのものは単独でも可能というところがマックレー車とは大きく異なります。





4番手はD51形398号機。
1940年1月に日本車輌製作所で製造され、1973年9月までの約33年間に渡り運転されました。
こちらも9600形59601号機と同様、名寄機関区に所属していました。





そして、編成の最後尾を飾るのは車掌車(緩急車)のヨ3500形4456号車。
この1両だけ戦後生まれで、1954年に川崎車輌で製造されました。
具体的な廃車時期は不明ですが、1976年のキマロキ保存開始時には置かれていなかった車両です。
保存会関係者の間で、より現役時代に近い姿に近づけようという気運があったのでしょう、1988年6月に釧路の有志(個人)から寄贈を受けています。
現在は9600形59601号機と同じ、準鉄道記念物指定のヘッドマークが装着されています。





車両からやや離れた場所に立つキマロキ編成の解説板。
汽車会社、日立製作所、日本車輌輸送機工業、日本国有鉄道幡生工場・・・と10点の製造銘板も付いています。





解説板の裏には、今年(2016年)でキマロキの保存が40年目になる事を伝える幕が貼られていました。







キマロキ編成の前後には腕木式信号機も設置されています。





車両のそばに何気なく置かれたキロポスト。
その裏側には・・・





キマロキの保存場所が、ちょうど名寄本線の廃線跡である事を伝える解説が記されています。





名寄市北国博物館の看板とキマロキ編成を一緒に撮影。


※写真は全て2016年9月2日撮影


(文・写真:叡電デナ22@札幌市在住)

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最終更新日 : 2019-07-02

No title * by ET403
マックレー車とロータリー車の間は、解説板の絵のように、連結棒で繋がっていると思うのですが、この部分の構造にすごく興味があります。いつか見に行こうっと。
あとマックレー車って、空気ブレーキが無いんですね。写真見て初めて知りました。

No title * by 札学鉄研OB会
>ET403さん

ロータリー車って回転翼の側に連結器は設けていないですからね。
見たところ、回転翼の中心に目掛けて、手前の棒受けに連結棒が引っ掛けられていましたね。
空気ブレーキが無いのはコメントで初めて気付きました。

当日は3321D(快速なよろ1号)で12:52に名寄駅で降りて、乗り換えの4327D(14:36発・稚内行き普通列車)まで時間があったので名寄公園に行きました。
私の他にも乗換の同業者が10人ほどいたので、同じようにキマロキを見に行く人がいるかと思いきや、誰も駅前から動く気配がありませんでしたね。
クルマで撮影に訪れていた同業者ならいましたが・・・。
意外に見落とされがちなスポットなのかも知れません。
広々とした公園で見るキマロキは臨場感があって良いですね。

(叡電デナ22@札幌市在住)

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No title

マックレー車とロータリー車の間は、解説板の絵のように、連結棒で繋がっていると思うのですが、この部分の構造にすごく興味があります。いつか見に行こうっと。
あとマックレー車って、空気ブレーキが無いんですね。写真見て初めて知りました。
2016-09-29-01:15 * ET403 [ 編集 * 投稿 ]

No title

>ET403さん

ロータリー車って回転翼の側に連結器は設けていないですからね。
見たところ、回転翼の中心に目掛けて、手前の棒受けに連結棒が引っ掛けられていましたね。
空気ブレーキが無いのはコメントで初めて気付きました。

当日は3321D(快速なよろ1号)で12:52に名寄駅で降りて、乗り換えの4327D(14:36発・稚内行き普通列車)まで時間があったので名寄公園に行きました。
私の他にも乗換の同業者が10人ほどいたので、同じようにキマロキを見に行く人がいるかと思いきや、誰も駅前から動く気配がありませんでしたね。
クルマで撮影に訪れていた同業者ならいましたが・・・。
意外に見落とされがちなスポットなのかも知れません。
広々とした公園で見るキマロキは臨場感があって良いですね。

(叡電デナ22@札幌市在住)
2016-09-30-14:39 * 札学鉄研OB会 [ 編集 * 投稿 ]