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2016-08-25 (Thu) 17:49

石北本線、台風被害で土砂崩れ!復旧には最低1ヶ月必要


廃止された下白滝駅にて
通過するキハ183系5連の特急オホーツク

先週20日から3つの台風が北海道に相次ぎ上陸し、各地で土砂災害や水害、それに伴う農地の被害が出ています。
羅臼町では昨日に発生した土砂崩れの影響で、住民・観光客あわせて760人が孤立状態となり、船による救助活動が今も続けられているようです。
鉄道も例外ではなく、JR北海道は自社HPにて被害状況の報告書を公開しています。
路線によっては終日運休となっている区間や、部分運休の列車もあるため、利用の際には注意が必要です。

JR北海道 国鉄 臨時列車 JR貨物
JR北海道 国鉄 臨時列車 JR貨物

白滝駅にて キハ183系5連(両側スラントノーズ)の特急オホーツク

中でも被害が甚大なのは石北本線。
既に各マスメディアで報じられていますが8月23日15:20頃、上川~中越信号場間にて走行中の保線用車両(モーターカー)が脱線する事故がありました。
乗務していた保線作業員3名が怪我を負っています。
モーターカーは降雨災害により運休となっていた当該区間の見回りを行いつつ、上越信号場~奥白滝信号場間で発生した災害(排水設備の土砂堆積)の復旧資材を運搬している最中でした。
事故現場は崖が迫る区間に作られた覆道で、軌道下の道床が大雨で崖下に流出した事が脱線の要因となっています。

JR北海道 国鉄 臨時列車 JR貨物
JR北海道 国鉄 臨時列車 JR貨物

白滝駅にて キハ54系の特別快速きたみ
オホーツクと同じく、復旧するまでは運休となる

この路盤流出を受けてJR北海道は昨日、上川~白滝間の復旧に1ヶ月以上かかる見込みである事を明らかにしました。
北海道新聞の2016年8月25日付き朝刊第1面によると、JR側は「最低でも1ヶ月、月単位の期間が必要」と述べており、復旧に大掛かりな工事が必要となるのは明白です。
「札幌~網走間の特急オホーツクは長期運休が確実」となり、札幌~旭川間では2往復の臨時特急が設定されるようになりました。
また、旭川~上川間の普通列車については25日の16時頃まで運転見合わせとし、道新の報道どおりなら、いきなり上川まで運転再開とはせずに「運行区間を順次延ばす」事になります。

JR北海道 国鉄 臨時列車 JR貨物
JR北海道 国鉄 臨時列車 JR貨物

白滝駅にて 出発する特急オホーツク

台風被害による列車の運休について、悲鳴を上げているのは沿線住民。
先述した道新の朝刊では、石北本線沿線の人々の見解が取り上げられています。

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 オホーツク管内美幌町に住む遠軽高3年の西川慶士さんは午前6時台に美幌駅を出る特急オホーツクで遠軽まで通学している。「次の列車では学校に間に合わないので、今は親たちに車で送ってもらっている。運休が長引けば困る」と不安を語った。
 遠軽信金は役員数人が毎月、特急で札幌に出張している。30日に出張を予定している営業推進部門統括役の佐藤健治さん(51)は「特急が運休すると、(便数の少ない)都市間バスにしたり、旭川まで車で行ってJRに乗り換えたりと手間がかかって不便だ」と話す。
 北見~旭川間の臨時貨物列車(通称・タマネギ列車)は、2日に今季の運行を始めたばかり。北見市内では台風の大雨で常呂川が氾濫、大きな農業被害を受けており、列車の運休はダブルパンチとなりかねない。
 タマネギ列車は、赤字で存続が危ぶまれたものの、西日本などに輸送する際にコストを削減できるメリットがあるとして、沿線自治体などが資金を支援して運行を継続してきた。きたみらい農協(北見)の高橋優常務理事は「(運休で)輸送費がかさむことは避けられない」と頭を抱える。
 沿線では、経営難のJR北海道が近く発表する「JR単独で維持困難な線区」に石北線が含まれるのではとの不安も強い。石北線存続に取り組む市民グループ「石北沿線ふるさとネットワーク」の小川清人代表は「こうした災害が続くと『石北線は危ない』というイメージがつき、維持費がかかる路線と思われることが気掛かり」と案じる。
 辻直孝北見市長は「JRには早期復旧を求めたい」とコメントした。網走市の水谷洋一市長は「都市間バスは満員でも人員繰りで増便できず、代替輸送は困難と聞く。自治体として何かできるわけではないので、JRに鉄路を確保するよう任せるしかない」と語った。

北海道新聞2016年8月25日朝刊 第33面より抜粋
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まず注目なのは、美幌から特急オホーツク2号(網走6:20始発・札幌行き)で遠軽高校に通学している高校生がいるという事実。
オホーツク2号が美幌駅を出発するのは6:46で、遠軽駅に到着するのは8:04です。
その後の列車は美幌7:02発の4652D(網走6:30始発・西留辺蘂行き普通列車)ですが、こちらは遠軽駅まで乗り入れません。
更に後の4654D(網走7:43始発・旭川行き普通列車)なら遠軽駅に行けますが、美幌8:16発、遠軽10:09着なのでどうあがいても学校に間に合いません。
親御さんにクルマで送ってもらうにしても仕事との兼ね合いが大変でしょうし、せめてオホーツクの長期運休中に代行輸送を手配できれば良いのですが・・・。

遠軽~札幌間の輸送についても、大変頭の痛いところです。
特急オホーツクは1日8往復の運行ですが、北海道中央バスの高速えんがる号は上り3本、下り2本と非常に少ない本数。
ポテトライナー等の一部高速バスみたいに、利用の多い便は2~3台で対処するといった具合に車両やドライバーのやり繰りを出来る体制か否かが問題ですね。
生産量日本一の北見産タマネギも、代わりの輸送手段をどうしたものか・・・。




金華駅にて キハ40系2連の普通列車
平日朝ラッシュ時の北見近郊は大変な混雑で、最長4連の普通列車が運転される

ただ、どうも引っかかるのが沿線自治体の首長の見解。
北見市長、網走市長のコメントが取り上げられているのですが、どちらも復旧対応については協力的な姿勢が見受けられないのです。
特に網走市長に至っては「鉄路の復旧を急いでもらわないと困るが、協力するつもりはない」という意思表示とも取れる発言をしています。
JR北海道は2016年秋頃までに「JR単独で維持困難な線区」を公表し、沿線自治体に対し「持続可能な交通体系のあり方」について協議を行いたい構えで、既に上下分離方式による鉄路存続の可能性にも言及しています。
それが沿線の首長からは「自治体として何かできるわけではない」等との発言が出ている訳で、沿線住民に危惧されている石北本線廃止の可能性は、益々高まってきているように思えてなりません。
挙句の果てに日高本線の二の舞にならないかと不安を感じますが、年内に復旧される事を信じて今後の動向を注視していきたいものです。


※写真は全て2015年9月19日撮影


(文・写真:叡電デナ22@札幌市在住)

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最終更新日 : 2019-07-02

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