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2016-07-26 (Tue) 22:50

三笠トロッコ鉄道の新路線「アドベンチャートレイン」が開業【3】



10:04、音羽坑前駅でアトランティス1を下車。
我々5人はガイドさんの先導により、徒歩で幌内炭鉱の遺構を巡る事になります。
黒いトラックは我々の到着を待つべく、先に常盤坑下駅へと先回りしました。





まずは階段を上り、音羽坑前駅の外へ。
蜂や虻が多く飛んでいる中を歩くため、引き続き虫除け帽子と長袖を着たまま歩いていきます。





すぐさま見えてきたのが、蔦に覆われた赤レンガの小屋。
幌内炭鉱を経営していた北炭(北海道炭礦汽船)は1898(明治31)年、現在の江別市野幌に煉瓦製造所を開設しており、そこで製造された赤レンガを使用しているそうです。
大正~昭和初期に建造されたというこの小屋は安全灯庫といい、坑道内の照明として使用する安全灯を収納していました。
安全灯が導入される前は、カンテラにニシン油や石油を入れて燃やし、灯りを付けていたそうです。
しかし、次第に坑道が長く掘られるにつれてガスが充満するようになり、爆発の危険性を回避するべく灯油や揮発油を用いた安全灯に切り替えたといいます。
安全灯の導入により裸火の照明は禁止され、1930(昭和5)年からはエジソン電気安全灯や電池式安全灯が使用されるようになりました。
1989(平成元)年9月の幌内炭鉱閉山から10数年後に屋根が落下してしまったそうですが、残る外壁や鉄扉に往事の雰囲気が残されています。

JR北海道 国鉄 JR貨物 三笠鉄道村 三笠鉄道記念館 幌内線 ツアー 博物館
JR北海道 国鉄 JR貨物 三笠鉄道村 三笠鉄道記念館 幌内線 ツアー 博物館


安全灯庫を過ぎたところでT字路に当たり、ガイドさんの案内で左へ進みます。
そこにあるのが大坑道(音羽坑)
1879(明治12)年に開拓史が開削した、北海道で最古となる炭鉱です。
全長約700mを誇る音羽坑は3ヵ年計画で掘削され、操業開始後は北海道の炭鉱で唯一、囚人が過酷な重労働に使役されていました。
労働力となる囚人を集めるべく1882(明治15)年、現在の三笠市内に空知集治監が開設されており、1894(明治27)年まで強制労働は続けられました。
現在はコンクリートの蓋で封鎖されている音羽坑の坑口からは、これまた北海道初の鉄道である幌内線幌内駅へと線路が延びており、石炭の輸送列車が行き交っていました。

JR北海道 国鉄 JR貨物 三笠鉄道村 三笠鉄道記念館 幌内線
JR北海道 国鉄 JR貨物 三笠鉄道村 三笠鉄道記念館 幌内線


音羽坑を見た後、T字路を挟んで反対側の方向へ。
4分ほどで常盤坑に到着しました。
常盤坑は1938(昭和13)年の開削で、1952(昭和27)年に坑道の最深部が地下520mに達しました。
そのため、ベルト斜坑に回収して運搬系統の合理化を図り、先に開削されていた養老坑・布引坑をベルトコンベアで繋ぐ事で、坑外の選炭場まで石炭を搬出するようにしました。
1963(昭和38)年には隣接する新幌内炭鉱と坑道が連結したため、新幌内で産出した石炭も集約。
1966(昭和41)年になると唐松青山町に深さ915mの幌内立て坑が完成し、運搬・通気の効率化が更に進み、石炭の搬出が常盤坑に集約されております。







常盤坑には2つの斜坑があり、その中間には神社が建っています。
聞くところによると、斜坑の建設において多大な犠牲者が出たため、慰霊の意を込めて建立されたものだそうです。





錆付いた鳥居には「昭和四十九年八月十二日」と、建立された日時が明記されています。





神社から向かって反対側の斜面を登ると、ベルトコンベアの捲揚げ場があります。
ガイドさんに促され、アドベンチャー支線のトラックからも見えた捲揚げ台座に登ってみました。
かなり高い上に柵が設けられていないため、落下しないよう注意が必要です。
眺めはとても良いですけどね。





捲揚げ台座を降りると、真新しい舗装の遊歩道を歩いていきます。





その途中にあった、輸車路の乗り場だったというコンクリートの土台。
輸車路とは選炭場で石炭と選別されたズリ(不要な石)をズリ山へ運ぶため、索道やスキップを用いて運搬するトロッコだそうです。
スキップというものはレール上で2つのトロッコを上下する設備ですね。
この場所からケーブルカーがズリ山の山頂までズリを運んでいたという訳です。
なお、私が撮影した位置の背後やや左側にズリ山があります。





輸車路の跡地を見た後は、川に架かった細い鉄橋を渡っていきます。
この鉄橋は木製の吊り橋を付け替えた物らしいです。





橋を渡った先では枕木が積まれていました。
犬釘も刺さっていますね。





道なりに遊歩道を進んでいると、我々が屋上に登っていた捲揚げ台座が見えてきました。





捲揚げ台座の近くにある常盤坑下駅から、再びアトランティス1に乗車。
10:26に発車しました。





10:35、川上駅に戻ってきました。
これにてアドベンチャー支線とはお別れです。





徒歩でジオパーク線の川下駅に戻り、インディートロッコ編成で鉄道記念館に帰ります。





10:37、川下駅を出発。
幌内炭鉱専用線の軌道を引き返していきます。





このトンネルをくぐると、冒険は終了です。





10:39、遂に鉄道記念館駅3番線に戻ってきました。





冒険を終了した記念に「金の石炭」を頂きました!
ガイドさんからに解説して頂きながら幌内炭鉱の遺構を見られ、最後まで楽しい冒険でした。





アドベンチャートレインは土休日・夏休み期間は1日4本、平日は1日1本で運行されています。
皆さんも是非、北海道における鉄道のルーツ、幌内炭鉱を冒険してみて下さい!


※写真は全て2016年7月23日撮影


(文・写真:叡電デナ22@札幌市在住)

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最終更新日 : 2019-07-02

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