タタールのくにびき -蝦夷前鉄道趣味日誌-

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2016-03-22 (Tue) 17:40

函館本線鷲ノ巣駅 民家のごとき待合室



渡島管内は二海郡八雲町にある、JR北海道函館本線の鷲ノ巣駅。
2016年3月26日のダイヤ改正に伴い廃止される、道内8駅の中の一つです。
八雲市街から道道1029号線を北上して花浦地区に至り、大沼国道に合流する寸前に雑木林があります。
その林には未舗装の道路が1本だけ延びており、道なりに進んでいくと鷲ノ巣駅があります。
見落としてしまいそうな目立たない場所で、表通りには駅がある事を示す看板も立っていません。





鷲ノ巣駅は1944年9月、鷲ノ巣信号場として開設されました。
信号場時代から客扱いを行っており、戦後の1949年8月に仮乗降場に昇格。
しかし、当時から利用客が非常に少なかったようで、1962年9月に再び信号場(旅客扱い有)へと戻っております。
国鉄末期の1984年11月には函館本線八雲~鷲ノ巣間が複線化され、1987年4月の分割民営化に伴い駅に昇格されました。
駅周辺にはラブホテルと精米工場があり、少し離れたところに農家が散在しています
現在は快速アイリスと普通列車が発着する鷲ノ巣駅。
信号設備があるため、廃止後は信号場として再利用される事になっております。

JR北海道 北海道エリア 国鉄 北海道新幹線 東京急行電鉄 東急
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2面2線の千鳥式ホーム。
駅舎側が上り線(函館方面)、鉄道林に面した方が下り線(長万部方面)で、1番線、2番線といった番号は振られていません。
駅前と下り線ホームを繋ぐ構内踏切は警報機と遮断機を完備。
両ホームとも構内放送装置が設置されており、列車の入線・通過時に接近放送が流れます。

JR北海道 北海道エリア 国鉄 北海道新幹線
JR北海道 北海道エリア 国鉄 北海道新幹線


上り線と下り線でホーム全長が異なります。
上り線ホームは20m車2両分程度です。





駅舎の真ん前に階段があり、その脇に停止位置目標とワンマン運転用バックミラー、乗車口案内板が設置されています。
出発反応標識(レピーター)はホーム先端にあります。





一方、下り線ホームは上り線よりも短く、20m車1両分程度。





停止位置はホーム先端よりも手前に設定されています。





そのため、キハ40系単行列車が停車すると、車両後方が踏切まで少しはみ出してしまいます。





上り線ホームの隣に建つ駅舎。
こじんまりとした三角屋根の平屋です。







待合室の様子。
奥にトイレが設けられています。
ベンチには枕、布団、毛布が敷かれており、あたかもベッドのよう。
他にも雑誌、ティッシュ箱、トイレットペーパー、カレンダー、折りたたみ傘、造花など様々な物が置かれており、あたかも民家のような生活感が漂っています。
どうやら地元の方が待合室内の手入れをされているようです。
寝具は駅寝する鉄道ファンのために用意された物でしょうか。
駅に愛着のある地元の方ならば、たとえ鉄道ファンであっても駅の利用者がいる事を嬉しく思うかも知れません。
駅を訪問する人々に対する、深いおもてなしの心が現れていると思います。





壁に掲示された、2016年3月25日での営業終了を告知する貼り紙。
写真では日光が当たって見づらいのですが、左の紙の内容が特に印象深いので下記の通り抜粋します。

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鷲ノ巣駅の美化にご協力いただきました方へ

 「お知らせ」にもありますとおり、鷲ノ巣駅につきましては、3/25(金)をもちまして営業を終了することとなりました。
 長年に渡りまして、鷲ノ巣駅待合室へ毛布の設置等、ご利用のお客様へ気持ちよく待合室をご利用いただけるよう、様々な形での美化にご協力をいただきましてありがとうございました。本来であれば、直接ご挨拶をさせていただくところ、書面にて失礼させていただきます。今までのご協力に感謝申し上げます。
 なお、設置いただいておりました毛布等につきましては、勝手ながら3/25(金)の最終列車発車後、弊社にてお預かりさせていただき、八雲駅にて保管する予定でおりますことをあわせてお知らせさせていただきます。

平成28年2月12日
JR北海道 八雲駅長
久保田 拓男
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何と八雲駅の駅長名義で、鷲ノ巣駅の手入れをされていた方に対する感謝の言葉が添えられていたのです。
現場で働く鉄道職員の方々ならば、駅の廃止に対して寂しさを感じる人は多いはず。
それこそ、我々鉄道ファンとは比べ物にならないでしょう。
沿線人口の減少により利用客も減っていく中、ひたむきに駅を守り続けてきた一般人がいるという事実にも、強く心を揺さぶられた事と思います。
今まで室内に置いてあった物を廃棄せずに保管しようとされているのも、協力してきた方への感謝の心があってこそのもの。
廃止寸前の小さな無人駅には、鉄道に関わる人々の義理人情が感じられるのでした。

JR北海道 北海道エリア 国鉄 北海道新幹線 東急 東京急行電鉄
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最寄バス停は函館バスの「鷲の巣信号所前」。
この停留場名は廃止に先駆けて変更されたものではなく、元々からの名称です。
1957年10月に東急グループの傘下に入り、路線拡張を推進していた函館バスは1966年9月に郊外路線の函館・長万部線を開業。
その当時の鷲ノ巣駅は信号場でした。
駅に昇格されてからも、このバス停は一切の改称が為されておらず、国鉄時代の生き証人的な存在となっております。




※写真は2016年3月21日撮影


(文・写真:叡電デナ22@札幌市在住) JR北海道 北海道エリア

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最終更新日 : 2019-07-02

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