タタールのくにびき -蝦夷前鉄道趣味日誌-

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2015-07-28 (Tue) 21:48

苗穂工場で開催された電車モーター講習会



25日はTJライナーさん、Lewisさんと私の3人で交通資料館まつりを見た後、鉄研現役1年生のH君と合流。
苗穂工場で開催された、交流電車のモーターに関する講習会に参加してきました。
講習会の主催は、同工場内にある北海道鉄道技術館の管理・運営を担うJR北海道文化財団。
鉄道技術館1階の玄関ホールにスクリーンとパイプ椅子が用意されていました。





13:40から講習会がスタート。
現職の検修員さんがパワーポイントを駆使して説明します。





最初に電車と気動車の違いについて説明。
加えて、JR北海道の会社線内における電化区間が全線の2割程度である事も解説されました。
こうして見ると、道内の電車の走行範囲はやはり狭いですね。
この電化区間ですが、実際には走行する全ての車両が電車という訳でもないんですよね。
特急気動車は言わずもがな、室蘭本線苫小牧~東室蘭間に至っては普通列車が全て気動車に置き換えられてしまった訳で・・・。





JR北海道の交流電車が使用しているモーターの種類は10種類。
そのうち2種類が直流モーター、10種類が交流モーターです。
交流モーターの中でも区分があり、開放型が6種類、全閉型が3種類、新幹線型が1種類。
本当は新幹線型も開放型に該当するのですが、便宜的に区別しているのだそうです。
JR北海道は大抵のモーターの型番を車両の形式名と合わせており、パワーポイントで説明された各モーターの型番と搭載車両は下記の通りとなります。

【直流タイプ】
MT-721・・・721系0番台、3000番台(サイリスタ位相制御車)
MT-52C・・・ED79形電気機関車

【交流タイプ(開放型)】
MT-721A・・・721系1000番台・4000番台
MT-731・・・721系F-2107編成・3000番台(VVVF化改造車)・5000番台、731系、785系500番台、789系
MT-731A・・・733系0番台
MT-735・・・735系
MT-785・・・785系
MT-785A・・・785系か?(※具体的な説明なし)

【交流タイプ(全閉型)】
MT-733・・・733系3000番台、733系1000番台(導入予定)
MT-733X・・・733系B-109編成
MT-785X・・・785系NE-303編成(青函改造車)

【交流タイプ(新幹線型)】
MT-207・・・H5系





交流モーターのうち、全閉型(全閉式主電動機)はJR北海道が近年開発し、導入を進めている物です。
従来の道内JR線の交流電車(開放形主電動機)は冬場、給気の際に雪を取り除いてモーターを冷却するために「雪切装置」という設備を設けております。
雪切装置で雪を除外した冷却風は送風装置を経て通風ダクトを通り、モーターを冷却してから排気されます。
雪切装置と送風装置は共に車内端の連結部付近に設けられており、これらを置くスペースが「雪切室」と呼ばれております。
この雪切室があると客室スペースが減少するため室内レイアウトにも制限がかかるほか、重量の増加や床下艤装の複雑化、機器設置の制限といったデメリットが生じます。
これらデメリットを排除するため、雪切室が無くても雪を除外して給気できるよう開発されたのが全閉式主電動機だという事です。
全閉式モーターは外扇ファンを装備しており、これが雪切室の代わりを担っております。

この全閉式は2010年、スーパー白鳥用に改造された785系のモハ785-303(NE-303編成)に試験搭載されました。
2年間のデータ収集の後、2012年に新製された733系モハ733-109(B-109編成)に量産先行機を搭載。
そして同年より投入された733系3000番台にて本格導入されております。
確かに733系3000番台の車内を見ると、雪切室がありませんよね。
JR北海道といえば交流電車のモーター音が異様に静かな事(音鉄泣かせ)で知られていますが、この全閉式モーターは若干大きめの音になりました。
特に減速時の音が在来車よりも目立ちますね。
全閉式モーターは北海道新幹線リレー列車「はこだてライナー」に導入予定の、733系1000番台でも搭載されるとの事です。





パワーポイントによる説明は14:10頃に終了。
ここからはヘルメットを着用し、検修員さんの案内で実際にモーターの点検を実施している作業場へと向かいます。





案内されたのは部品科の電気機器検修場。
ここには車両から外されたモーターが置かれていました。
手前のモーターは721系の物ですね。
手書きで「M721-3101」と搭載車両の車番が記されています・・・という事はVVVF車が搭載しているMT-731。





検修員さんからモーターの構造に関する説明を受けます。





天井のクレーンを使用した、点検したモーターの組み立て作業も見られました。
組み立てた後は動作試験が実施される事になります。





更に案内に従い場所を移動。
途中、構内試運転中の789系HE-102編成が見られました。
4月に起きた青函トンネル内の発煙事故を受け、苗穂工場に入場し続けている車両です。
かなり久々の走行でしょうか・・・貴重なシーンに立ち会えました。
線路の周りでは「試運転中です。ご注意下さい」という警報音声が流れ続けていました。





次の場所は部品科の台車検修場。
ここでは点検済みのモーターを装着した台車が見られました。
車両に付ける前段階ですね。





台車検修場の外で何度も前後移動を繰り返す789系0番台。
車番をよく見ると・・・クハ789-203?
HE-102編成が試運転されていると思いきや、HE-103編成の車両が繋がっていた訳です。
どうやら編成の組み換えがあったみたいですね・・・。


台車に関する説明を受けた後、14:40頃に鉄道技術館へと引き返して講習会は終了となりました。


※写真は全て2015年7月25日撮影


(文・写真:叡電デナ22@札幌市在住) JR北海道 北海道エリア

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最終更新日 : 2019-07-02

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