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2024-02-22 (Thu) 20:44

札幌市営地下鉄東豊線で不祥事 未検査の車両を4日間運行

東豊線9000形(2016年8月26日)a01

東西線二十四軒~西28丁目間の沿線にあり、現在は東豊線9000形(全20編成80両)を管理している西車両基地。
同基地は札幌市交通局高速電車部車両課二十四軒検修係が管轄しており、一部作業はJR北海道グループの札幌交通機械㈱車両事業本部高速電車部電車第三課が請け負っています。

そんな西車両基地で前代未聞の事態が発生しました。
9000形1編成が定期検査を受けないまま、2024年1月19日~22日の4日間に渡り営業運転に就いていたというのです。

国土交通省は「施設及び車両の定期検査に関する告示」の第五条において、鉄道車両の定期検査を義務付けています。
定期検査は状態・機能検査、重要部検査、全般検査の3種類を定めており、車両の種類によって上限となる期間が異なります。
札幌市営地下鉄はゴムタイヤ式なので別表(第五条関係)に定める「懸垂式鉄道、跨座式鉄道及び案内軌条式鉄道の電車」に該当します。
この場合、状態・機能検査は3ヵ月、重要部検査は3年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから4年)、全般検査は6年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから7年)とし、この期間を超えないうちに検査を実施しなければなりません。


JR北海道 札幌市営地下鉄 札幌市交通局 9000形
東豊線9000形(2016年8月26日)a02

状態・機能検査は車両を解体せずに実施する検査です。
集電装置、主電動機、補助回転機、制御装置、台車。ブレーキ装置、連結器、ドアエンジン、蓄電池、車体などの検修を行ないます。
大抵の鉄道会社では3~10日ごとに実施するものを「仕業検査」、3ヵ月ごとに実施するものを「交番検査」と呼び分けていますね。

重要部検査は車両を解体して動力発生装置、走行装置、ブレーキ装置など重要な部分について検修を行ないます。

全般検査は車両を解体し、尚且つ各種部品を取り外してオーバーホールを実施。
最後は元通りの状態に艤装します。



東豊線9000形(2015年5月8日)a01

今回の不祥事については道新が事の経緯を報じています。
実施しなかった検査の種類は明記していませんが、「6日間に1回行なっている検査」だというので解体を伴わない仕業検査でしょうね。
交通局職員が作業指示書の入力を誤り、簡易検査(JRの機動検査に相当)を実施してしまった事が原因だといいます。

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地下鉄東豊線の4両 未検査で4日間運行

 札幌市営地下鉄東豊線で1月19~22日、車両1編成(4両)が法令で定めた定期検査をせずに運行していたことが19日、わかった。職員による作業指示書の作成ミスが原因。運行中に不具合は生じなかったという、
 市によると、鉄道事業者は鉄道事業法で定期検査の実施が義務付けられている。検査の頻度は事業所が定めることができ、市営地下鉄は6日間に1回行っている。これとは別に、車両を入庫するたびに自主的な簡易検査を実施している。
 この車両は1月18日の入庫後に定期検査を行う必要があったが、事前に職員がパソコンで作業指示書を作成する際に、入力を誤って簡易検査の実施を指示した。
 指示書を見たほかの職員が22日午前に定期検査の未実施に気付いた。この車両は22日午後に運行を中止し、定期検査を実施して27日から運行を再開したという。
 市は31日、今回の事案を北海道運輸局に報告した。市交通局は「チェック体制の強化など再発防止策を徹底したい」としている。
(五十地隆造)

《出典》
『北海道新聞』2024年2月20日付 朝刊第22面 第3社会
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道新によると交通局は本件不祥事について「チェック体制の強化など再発防止策を徹底したい」と述べています。
法令で義務付けられた定期検査の実施に関わる書類ですから、本来なら所属長などがダブルチェックをすべきところ、確認が漏れてしまったのでしょう。
担当者のミスという個人的な問題だけでなく、部署内の体制も改善する余地がありそうだな・・・と部外者ながら感じた次第です。

定期検査の未実施は法的にアウトなだけでなく、それこそ重大な事故を引き起こしかねません。
日常的に地下鉄を使う市民の一人として、念入りにミスの芽を摘んでいただきたいと切に願います。


※写真1、2枚目は2016年8月26日撮影
※写真3枚目は2015年5月8日撮影
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最終更新日 : 2024-02-24

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