伊野電停は「紙の町」として名高い伊野町の中心街にあり、かつては貨物取扱駅として土佐和紙の発送、紙パルプや苛性ソーダ等の製紙材料の荷卸しを行ないました。
そんな電停の隣には「伊野車庫」がありました。
伊野車庫は1907年11月7日、伊野線枝川~伊野間の開業に伴い開設。
1999年8月8日に夜間留置運用を廃止するまで、92年間に渡って電車の留置に使われてきました。
伊野電停の東側には車庫への引込線が残っています。
ただし転轍機は撤去済みです。
JR四国 路面電車 土佐電鉄 土佐電気鉄道 とさでん交通 車両基地
引込線の傍には「パーク&ライド契約駐車場」との看板が立っています。
土佐電は2000年4月1日、パーク&ライドを本格的に開始。
伊野車庫を電車利用者用の駐車場に転用しています。
とさでん交通電車企画課が利用契約の窓口です。
もはや本線から完全に寸断された引込線ですが、それでも「電車に注意」との札が残っています。
土讃線 伊野駅
廃線跡
引込線は本線からカーブを描くと、民家の手前を通っていきます。
元々はバラスト剥き出しの専用軌道でしたが、車庫の廃止後にアスファルト舗装を施したそうです。
この道路はパーク&ライド契約駐車場の出入口でもあります。
直線を進むと藪の手前で右カーブ。
こちらの駐車場が伊野車庫の跡地です。
かつては構内に4本の線路を敷いていましたが、検修詰所や建物としての「車庫」は無くさながら「側線」の様相でした。
線路の終端は雑草に埋もれつつあります。
駐車場の線路脇には、とさでん交通技術課電気係のダブルキャブトラックが駐車していました。
一般的な鉄道会社では現業機関の組織単位として「区」を使っていますが、とさでん交通では「区」の代わりに課長配下の「係」を設けています。
電気係は他社で言う「電気区」に相当し、架線・変電所・信号設備・通信設備の保守管理を担当しています。
伊野電停に向かって引込線を辿った様子。
車庫跡の脇には古い石垣が残っています。
※写真は全て2023年5月4日撮影
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最終更新日 : 2023-07-08
Re: こ、この場所はっ...! * by 叡電デナ22
うらたつきさん
どうも、こんにちは。
トワイライトゾーンとは言い得て妙ですね!
昔の写真を見る限り、線路に面した民家は専用軌道時代から存在するので、クルマを出し入れする時は未舗装の線路上を走っていた事でしょう。
線路であり生活道路でもある様子は、まさしく境界が曖昧な「トワイライトゾーン」だと思います。
どうも、こんにちは。
トワイライトゾーンとは言い得て妙ですね!
昔の写真を見る限り、線路に面した民家は専用軌道時代から存在するので、クルマを出し入れする時は未舗装の線路上を走っていた事でしょう。
線路であり生活道路でもある様子は、まさしく境界が曖昧な「トワイライトゾーン」だと思います。
じつはこの場所、前から気になっていたんですよ。
こんな構造だったんですね。
先人の言葉を借りるとしたら、「トワイライトゾーン」というべきでしょうか...。