2023年のゴールデンウィークは4泊5日で四国に行ってきました。
初日の5月3日は琴電志度線へ。
琴電屋島駅で途中下車すると、駅構内の留置線に佇む保守用車を発見。
かなり年季が入っており、サーモンピンクに塗装された車体は錆が目立ちます。
線路向かいの公園(相引川緑地)まで足を伸ばすと保守用車に接近できました。
PV-06
車体側面には色褪せた「Matisa」のロゴ。
Matisaとは即ち、スイスの保線機械メーカー・マティサ社の事ですね。
マティサ社は1945年に発足して以来、世界100ヶ国以上の鉄道会社にマルチプルタイタンパー、バラストレギュレーター、軌道敷設車、軌道検測車、分岐器搬送ワゴンなどの保守用車を納入しています。
日本でも国鉄施設局が1959年、マティサ社から国鉄初となるマルタイを購入しました。
そして列車本数の増加とスピードアップに対応するべく、1963年4月から「軌道保守近代化」を敢行。
従前の人力作業に依存した「随時修繕方式」から脱却し、保線機械を活用し集中的に補修を施す「定期修繕方式」へと移行しました。
今や日本全国どこの鉄道会社も、保線の現場に機械力を投入するのが当たり前です。
保守用車 保線機械 JR四国 高松琴平電鉄
ロゴの隣には製造銘板が付いています。
左下に「MACHINE No PV631」とあり、これが同車の機械番号だと分かりますね。
このPV631号機はマティサ社が1970年代に量産した「PV6」という形式の可搬式軌道検測車です。
最高時速は60km/hで、検測時は30km/hでの走行が可能だといいます。
日本国内では国鉄新幹線建設局が山陽新幹線の建設工事に投入し、完成した区間から順繰りに軌道検測を実施。
西武、小田急、近鉄、阪急、三岐鉄道など私鉄各社も導入しました。
PV6の車体は運転台を中心からやや後退させた「セミセンターキャブ」。
琴電志度方にボンネットが突き出ています。
ボンネットの正面には赤い三角形の反射板を装備。
非ボンネットの瓦町方はフロントガラスが小さめ。
こちらも三角形の反射板を付けています。
車体には「高松琴平電気鉄道土木課」の表記も見られます。
ちなみに同じ留置線には2両のレール運搬用トロも置かれていました。
名古屋市営地下鉄300形 名古屋市交通局 琴電700形
留置中の保守用車達を横目に、琴電屋島駅へと滑り込む700形。
元は名古屋市営地下鉄東山線の300形で、車齢は50年を超えています。
世代的にはPV631と近いですね。
※写真は全て2023年5月3日撮影
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最終更新日 : 2023-05-09