前回まで宮城県は石巻市鋳銭場にある、JR東日本の石巻(いしのまき)駅を取り上げました。
今回は番外編として私が石巻に住んでいた少年時代、よく家族で通った思い出の寿司屋を紹介しましょう。
そのお店は「竹乃浦」といい、石巻駅から国道398号を経由すれば徒歩8分で辿り着きます。
住所は山下町1丁目19番6号です。
今回の訪問日は2022年9月23日、20年越しの再訪に心躍ります。
では石巻駅を出発しましょう。
道中には石巻市役所がありますが、これは元々の庁舎ではありません。
私が住んでいた頃、この建物は「石巻ビブレ」という1996年3月開業の商業施設でした。
かつて仙台を拠点とした百貨店「ダックシティ丸光」が、ニチイ(後のマイカル)と業務提携を結び開業したファッションビルの一つですね。
ビブレ時代は最上階である6階に映画館「ワーナー・マイカル・シネマズ石巻」があり、そこで『ハリーポッターと賢者の石』を観たものでした。
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私が住んでいた頃からビブレ石巻は「閉店するかも知れない」と噂されていました。
運営のダックビブレ(旧:ダックシティ丸光)、親会社のマイカル共に経営が厳しく、2002年10月には両者が経営破綻。
ダックビブレは経営再建をかけてマイカルグループを離脱し、屋号を「さくら野百貨店」に改めました。
しかし郊外に大型店舗が相次ぎ進出すると、客足を奪われて莫大な赤字に喘ぐ事となりました。
そして2008年4月27日に閉店し、残された施設は石巻市に寄附。
2010年3月に石巻市役所が移転したという訳です。
現在は1階にイオン石巻駅前店をはじめとした各種店舗が入居し、2階から上に市役所の各部門が入居しています。
旧ビブレを過ぎると「あの三叉路も近いな・・・」と思い、ムーンライダーズの「三叉路のふたり」を聴いて気分を盛り上げます。。
こちらが当時の自宅と中心街を行き来する時、必ず通った三叉路です。
清水町1丁目、田道町1丁目、山下町1丁目の3町域が境界を接しています。
面白い事に何れの町域も「1丁目」です。
知ってはいましたが「三角茶屋」を失った光景を目の当たりにし、改めてショックを受けました。
三角茶屋は店名のとおり三角形の土地に建った蕎麦屋で、明治時代から続く老舗でした。
東日本大震災の苦境も乗り越えましたが、2013年1月に惜しくも取り壊されてしまいました。
跡地は山下地区16町内会の有志がお茶の木を植え、広場として整備されています。
三角茶屋の跡地から更に西へ約120m。
20年前と変わらぬ佇まいの竹乃浦に思わず溜息が漏れました。
ご覧下さい、この見事な天守閣を!
竹乃浦は創業者の伏見不二雄会長が1970年、石巻の老舗「竹寿司」の支店として開業。
1988年12月に竹寿司から独立して㈲飛翔閣を創業し、新たに「竹乃浦」の屋号を掲げました。
2011年3月11日に東日本大震災が起こると一時休業を余儀なくされましたが、幸いにも同年8月に営業再開に漕ぎ着けました。
竹乃浦の名物といえば「廻らないかいてん(海10)寿司」です。
20種類のネタから好きなネタを10種類選ぶから「海10寿司」なんですね。
サラダか茶碗蒸しもセットで付くのでお得です。
私が石巻に住んでいた頃、ミヤギテレビのローカル番組『OH!バンデス』も海10寿司を取り上げていました。
ちなみに『OH!バンデス』は「青葉城恋唄」で有名な歌手・さとう宗幸さんが司会を務めています。
竹乃浦には「ブライダルホール飛翔閣」という結婚式場を併設しています。
こちらも1988年12月からずっと営業しています。
結婚式場のショーケースにはウェディングドレスが1着。
これまた懐かしいですね。
飛翔閣では夏場にビアガーデンを開いているのです。
営業時間は17:00~21:00。
結婚式場の屋上にはビアガーデンの提灯が出ていました。
夏の夜は屋上に灯りが点き、多くの飲み客で賑わいます。
結婚式場の外壁には「コロナさん お前がまずは 自粛しろ」との川柳を掲げていましたw
作者の「JK」氏は従業員なのでしょうか?
「グルメの館」を標榜する竹乃浦。
玄関に上げる暖簾は薄緑色です。
玄関前のショーケースには料理のサンプルを飾っています。
こちらは海10寿司に並ぶ名物メニューの「わんこ飯」です。
こちらはセットの「家康」。
武将の名を付けたセットは他に「政宗」があります。
さすがお城の形をした寿司屋なだけあって「お城弁当」なる物も出しています。
南三陸の恵みを詰め込んだ海鮮丼も人気です。
短く切った蕎麦を海苔で束ねた「そば寿司」もあります。
それでは店内に入りましょう。
竹乃浦の玄関ロビーは結婚式場とも繋がっています。
内装も20年前のままで感動しました。
今回は童心に返って、昔よく注文した「わんこ飯」を楽しみます。
残念ながら雲丹はお休みでしたが、いくら、イカ、カニ、うなぎ、ネギトロ、とびっこ、かき揚げ、牛ステーキ・・・と8種類も選択肢があるのですから有り難いですね。
選んだのはいくら、牛ステーキ、カニの3種類。
当時よく食べていた組み合わせですね。
いくら丼は醤油の甘味がほどよく感じられます。
カニ丼に使っているのはズワイガニ。
瑞々しいむき身にワサビを少しずつ塗って味わいます。
「寿司屋に来てコレは邪道じゃないか?」と思われるかも知れませんが、侮ってはいけません。
柔らかい赤身の牛肉に、甘くも独特のスパイシーさを持つタレがよく絡みます。
ちなみに竹乃浦は「ステーキセット」というモロ洋食のメニューも出しています。
3つの丼と一緒に付くのは仙台味噌を使った味噌汁。
竹乃浦の味噌汁と言えばふのりを浮かべるイメージがありましたが、今回はあおさのりを浮かべていました。
仙台味噌も力強い味わいで好きなんですよね。
今回は注文しませんでしたが、席には海10寿司の注文伝票を備えています。
食事は40分ほどで終了。
改めてメニュー表を見ると金華鯖を推していましたね。
今度また行ったら金華鯖を存分に楽しもうと思います。
竹乃浦のお隣は中華料理店の「北園」。
こちらも20年前と変わらない装いです。
昔はチャーシューを「上海風」と「広東風」の2種類に作り分けていましたね。
ホウレンソウを練りこんだ緑色の肉まんもあった筈ですが、今は作っていないようです。
石巻駅信号扱所 石巻駅構内
食後は真っ直ぐ石巻駅に戻りました。
また石巻に行ったら石巻港駅をじっくり眺めたいですね。
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※写真は全て2022年9月23日撮影
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最終更新日 : 2023-04-14