引き続き宮城県は石巻市鋳銭場にある、JR東日本の石巻(いしのまき)駅を取り上げましょう。
駅の大まかな歴史、駅舎正面の様子については既に書いたとおりです。
今回からはプラットホームの様子を見ていきましょう。
石巻駅構内は改札口を軸として、西側に仙石線ホーム(1・2番線)、東側に石巻線ホーム(3・4・5番線)を設けています。
まずは仙石線ホームに足を運びます。
仙石線ホームはラッチ内コンコースと直通しています。
床には「あおば通・仙台方面 仙石線」と書かれた矢印ステッカーを貼っています。
仙石東北ラインも基本的には仙石線ホームの発着です。
通路には仙石線・仙石東北ラインのLED式発車標を備えています。
右のエレベーターは石巻線ホーム(4・5番線)に連絡します。
JR東日本 国鉄 JR貨物 JR北海道 ダイヤ改正
エレベーターの外壁には、ジュンと一緒にスケッチブックを携えた石ノ森章太郎先生が描かれています。
1967年発表の『ジュン』はセリフが殆どなく、読者に各コマの絵から物語を想像させるという前衛的作品。
まさにサイレントシネマならぬ「サイレントコミック」と言える漫画です。
こちらは石巻駅構内で唯一の待合室。
前回記事で触れたとおり、石巻駅はラッチ内にしか待合室を設けていません。
駅本屋から独立した小さなコンクリート建築です。
待合室の様子。
跨線橋の支柱がコンクリート平屋を貫いており、室内はかなり窮屈な印象を受けます。
対岸のプラットホームから待合室を眺めた様子。
仙石線ホーム側から改札口方向を眺めた様子。
当時はミニ四駆誕生40周年を記念し、石ノ森萬画館で開催された「タミヤミニ四駆ヒストリー2022」の宣伝横断幕を掲げていました。
待合室の通路向かいには、第2回の記事でも取り上げた「マンガッタンカフェえき」のラッチ内玄関があります。
「マンガッタンカフェえき」は2022年8月31日を以って閉店しました。
玄関引き戸には「閉店のお知らせ」を寂しく貼り出しています。
線路をあしらった店名看板。
撮影から半年ほど経ちましたが、この看板は残っているでしょうか?
仙石線ホームは1面2線の頭端式ホームです。
北側に1番線、南側に2番線を敷いており、何れも全長は20m車4両分ほどです。
2015年5月30日の全線復旧に伴うダイヤ改正後は、1番線を仙石東北ライン(快速・特別快速)、2番線を仙石線(各駅停車)が使用しています。
第1回で書いたとおりですが石巻駅は元々、仙石線と石巻線とで駅構内が分断されており、地元民はそれぞれ「電車駅」「汽車駅」と呼んでいました。
電車駅は現ホームよりも南方にありましたが、1990年7月21日に汽車駅と統合されて現在に至ります。
この頭端式ホームも電車駅と汽車駅の統合に伴い建設されたものです。
そして電車駅の跡地は整備されて「石巻駅前にぎわい交流広場」に生まれ変わっています。
仙石線ホームでは2002年2月2日から、石巻出身の現代音楽作曲家・和泉耕二さんが制作した発車メロディを使用しています。
オルゴールの音色を基調とした「A Sea bird」と「Sea Green」の2曲で、共に石巻駅限定の「ご当地発車メロディ」です。
「A Sea bird」は月~金、「Sea Green」は土日に流れます。
なお、たとえ祝日でも曜日が月~金であれば、平日と同じ「A Sea bird」が流れます。
そう考えると「Sea Green」を聴ける機会は少ないですね・・・。
個人的には仙石線と仙石東北ラインとで発車メロディを使い分ければ、誤乗防止にも効果があるだろうと思いますが如何でしょうか?
ハウンドドッグ
余談ですが石巻出身の作曲家は他に、元HOUND DOGのキーボーディスト・蓑輪単志さんが挙げられます。
HOUND DOGを象徴する名曲「ff(フォルティシモ)」も蓑輪さんが作曲しました。
2番線の外側には留置線があり、車両の滞泊・折り返し整備に使われています。
山手線 205系3100番台 臨時列車
この時、留置されていたのは205系3100番台の「マンガッタンライナーⅠ」。
パンタグラフを上げて集電した状態でした。
こちらは1番線の車止め。
コンクリート製の第4種車止めですね。
こちらは2番線、留置線の車止め。
留置線は1・2番線に比べて少し短いですね。
仙石線ホームの西端には「関係者以外立ち入り禁止」との看板を掲げた平屋があります。
運転取扱業務 石巻駅運転事務室 石巻駅構内
この平屋はおそらく、ホーム上での列車扱い(列車監視・出発指示合図など)を担当する当務駅長(助役・輸送主任を含む)の詰所として設けたのでしょう。
いわゆる「運転事務室」というヤツです。
現在の石巻駅は列車扱い要員を配置しておらず、詰所に駅員が常駐している様子も見受けられません。
運転取扱業務に関連していそうな詰所を見かけたら、ついつい撮影してしまいますね。
こちらは線路沿いの道路から見られる仙石線の出発信号機2基。
「仙石2」の隣に「仙石3」の信号機がある事から、先述の留置線は「3番線」だと分かりますね。
仙石線ホームの駅名標。
マンガッタンライナーの編成図に加え、シージェッター海斗が描かれています。
駅名標の上には「萬画の国・いしのまき」の地図を掲げています。
石ノ森萬画館へは徒歩15分。
長くなったので今回はここまで。
《ブログ内関連記事リンク》
石巻線石巻駅[4] 「汽車駅」に統合された「電車駅」仙石線ホーム
※写真は全て2022年9月23日撮影
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最終更新日 : 2023-04-13
Re: タイトルなし * by 叡電デナ22
とある蟹さん
こちらこそ、いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます!
なるほど、この平屋に乗務員が出入りしていたんですね。
次回記事に書いたとおりですが駅構内東側の旧石巻保線区が「乗務員休養室」と化しており、私が訪問した時もそちらに運転士や車掌が出入りしていたものですから、休憩所が2ヶ所あるというのは盲点でした。
こちらこそ、いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます!
なるほど、この平屋に乗務員が出入りしていたんですね。
次回記事に書いたとおりですが駅構内東側の旧石巻保線区が「乗務員休養室」と化しており、私が訪問した時もそちらに運転士や車掌が出入りしていたものですから、休憩所が2ヶ所あるというのは盲点でした。
先日石巻へ旅行に行ってきた際石巻駅を利用しました。
その際記事中にあるホーム下の平屋は折り返し時に乗務員さんが入っていきましたので現在は乗務員詰所として使用しているのかなと思います。