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2023-02-28 (Tue) 23:47

北海道新幹線「札幌車両基地」2023年6月着工/追悼・岡田徹さん

北海道新幹線札幌車両基地計画a01
『北海道新聞』2023年2月25日付朝刊第33面より引用

その名も「札幌車両基地」。
2030年度の延伸開業を目指す新函館北斗~札幌間の終端に、約1.3kmの高架橋を建設して車両の滞泊、折り返し検修に使う計画です。
ただし北海道新幹線は車両の配置箇所を既存の函館新幹線総合車両所のみとし、延伸開業後の札幌に車両を配属する予定はありません。
どうやら札幌車両基地は独立した現業機関とならず、函館新幹線総合車両所の「派出所」を設けるようです。


JR北海道 国鉄 JR貨物 北海道新幹線 東北新幹線 車両基地 苗穂工場 苗穂運転所 苗穂駅
北海道新幹線札幌車両基地計画a02
『北海道新聞』2023年2月25日付朝刊第33面より引用

2023年2月25日、遂に道新が札幌車両基地の建設計画を報じました。
これによると2023年6月に着工し、在来線(函館本線)の南側に並行する高架橋を建設。
苗穂駅の手前まで延伸し、設備工事などを含めると2030年度末に完成する予定です。
以下に道新の記事を引用しましょう。

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車両基地 高架1.3㌔
札幌―苗穂間 6月に着工
 
 鉄道建設・運輸施設整備支援機構は6月、2030年度末に予定する北海道新幹線の札幌延伸に向け、JR札幌駅と苗穂駅の間で札幌車両基地の建設に着手する。創生川通をまたいで設置する新幹線札幌駅から東方向へ向け、在来線に沿う形で整備する。高架橋型で延長約1.3㌔、高さ約22㍍、幅は最大30㍍。着工前の今春に地域住民への説明会を開き、具体的な工事内容や作業日程を示す。
 雪対策のため屋根や壁で覆い、最大4編成を置けるようにする。車両の検査や融雪作業もここで行う。高架橋は27年度末までに完成させ、関連の設備工事などを30年度末に完了させる。事業費は現時点で公表していない。
 同機構は「(周辺の家屋で)工事の影響が確認された場合は補償などの対応を行う」としている。周辺道路は工事に伴い一時通行止めになる可能性がある。
(山田崇史)

《出典》
『北海道新聞』2023年2月25日付 朝刊第33面 第1社会
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手稲山でも去る2022年4月28日、札樽トンネルの掘削工事を開始。
4ヶ月後には札幌車両基地の建設工事を控え、札幌市内での新幹線工事はいよいよ本格化します。





話は変わりますが2週間前の2月14日、ムーンライダーズのキーボーディスト・岡田徹さんが逝去されました。
享年73歳でした。
岡田さんは1949年4月23日に東京で生まれ、同じくムーンライダーズのメンバーである武川雅寛さん(ヴァイオリン・トランペット・マンドリン等を担当)や白井良明さん(ギター・シタールを担当)とは立教大学の音楽クラブ「OPUS」で出会いました。
1973年には日本語ロックの草分け的なバンド「はちみつぱい」に参加。
同バンド解散後の1975年には、鈴木慶一さん等と6人でムーンライダーズを結成しました。

ムーンライダーズの活動初期から作曲・編曲の両面で貢献し、1981年には自腹でローランド製のデジタルシーケンサー「MC-4」を購入。
他の5人は歯が立たなかったというシーケンサーですが、岡田さんは見事に使いこなしてムーンライダーズのハイテク面を強力に牽引しました。

1980年代からは音楽プロデューサーとしても活躍し、プリンセスプリンセス、PSY・S、Nav Katze、坂本美雨さん等、様々なアーティストをプロデュースしました。
CM曲も数多く手がけ、2005年にはNTTドコモのCMソング「ドコモダケのうた」が話題となりました。





私が岡田徹さんを知ったのは2002年、小学校高学年の時でした。
当時、NHK教育(現:Eテレ)で毎週金曜日に『天才ビットくん』という天てれの弟分的な番組が放送されていました。
その番組内で岡田さんは「The Bittles」という小中学生の5人組バンドをプロデュースしていたのです。
しかも面白い事に「ビットール・オカダ」という別名を使い、ご自身も番組に出演していました。
テレビで見たビットール・オカダは、ぽっちゃり体系に整えた口髭の愉快な紳士という印象。
今にして思えば、あの番組がムーンライダーズに興味を持つキッカケでしたね。





その後、ムーンライダーズの『ANIMAL INDEX』(1985年発表)というアルバムを購入。
このアルバムは各メンバーが2曲ずつ作曲し、合計12曲を集めたものです。
A面とB面で各人1曲ずつを収録しています。
このうちB面(といっても再発盤CDだが)に収録された岡田徹さん作曲の「夢が見れる機械が欲しい」は、ビットール・オカダのイメージとはかけ離れたグルーミーな曲調で衝撃を受けた記憶があります。
鈴木慶一さんの歌詞と相まって非常に鬱屈としていますw





しかし岡田徹さんの曲は「夢が見れる機械が欲しい」のような暗い曲ばかりではなく、むしろバラエティに富んでいます。
こちらは『イスタンブール・マンボ』(1977年発表)に収録された「週末の恋人」。
儚くも甘美な大人の恋愛を歌い、ドラマチックに展開していく曲です。
ちなみにこの曲のリードボーカルは岡田徹さんご自身。
わざと濁声にして歌っているのですが、これが歌詞の主人公である「ロマンスグレイの中年男」によくマッチしていると思います。
岡田さんはヴォコーダーを通して歌う事も多いですね。





時折はっちゃけた曲を生み出す事も。
こちらは『MOON OVER the ROSEBUD』(2006年発表)に収録された「WEATHERMAN」。
6人中4人で歌っており、岡田さんは終始ヴォコーダーを駆使しています。
鈴木博文さんが書き連ねた「御天気屋」の心境に相応しく、のらりくらりと揺れ動くような曲調です。





そして岡田徹さんのキャリアを語る上で外せないのが『AMATEUR ACADEMY』(1984年発表)に収録された「M.I.J.」でしょう。
この曲は元々、資生堂「パーキージーン」のCMソングとして制作したものです。
作曲に当たり岡田さんは、クライアントから「ヒップホップをやってほしい」との要請を受けたとの事。
いとうせいこうさんが世界初の日本語ヒップホップアルバム『業界くん物語』を発表したのが1985年ですから、ムーンライダーズは1年早くラップに挑戦していた事になりますね。
惜しむらくは「M.I.J.」の場合、歌詞が全編英語という事でしょうか。
後にピチカート・ファイヴで一世を風靡する野宮真貴さんも、今作のレコーディングに参加しています。





ロック、テクノ、ヒップホップ、バラード等、多種多様な楽曲を生み出してきた岡田徹さん。
ムーンライダーズが活動を再開した矢先のお別れとなり、一ファンの私も悲しみに暮れております。
今はただ、ご冥福を祈るばかりです。
さよならは夜明けの夢に…。
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最終更新日 : 2023-03-02

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