タタールのくにびき -蝦夷前鉄道趣味日誌-

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2023-02-17 (Fri) 22:19

福島駅2・3番線ホームにある「下り運転室」

福島駅下り運転室a01

以前に福島駅構内北側の信号扱所を取り上げましたが、実は在来線2・3番線ホームにも運転取扱業務に関連した建築物があります。
年季の入った木造平屋で結構大きめ。



福島駅下り運転室a02

玄関には「下り運転室」との表札を掲げています。
一般的に「運転室」と言えば、鉄道車両の乗務員室を思い浮かべる事でしょう。
しかし駅の運転室は車両そのものを運転するのではなく、操車・連結作業・列車扱いといった業務を担当する駅員達の詰所です。
駅によっては「運転事務室」と呼ぶ事も多々あります。
国鉄時代の大駅では構内に複数の運転室(運転事務室)を配置し、箇所別に業務分担して運転取扱を遂行していました。

こちらの詰所は「下り運転室」と称するため、下り列車の運転取扱に当たっていた事が読み取れます。
そして「下り」があるという事は、逆に上り列車の運転取扱に当たる「上り運転室」もあっただろうと考えられます。
他所の話になりますが書籍『直方駅80年のあゆみ』(1971)を読むと、直方駅ではホーム上に「上り運転室」「下り運転室」の2ヶ所を配置していた事が分かります。
福島駅も直方駅と同様、運転室を上下に二分して配置していたのでしょうが、構内を見渡す限り上り運転室は現存しないようです。


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福島駅下り運転室a03

国鉄解体から30年以上が経った現在の福島駅では、在来線ホームで輸送主任が列車扱いに当たる事も、操車担当がフライ旗を持って車両を誘導する事もありません。
下り運転室の窓は殆どブラインドが降ろされ、駅員が寄り付く機会は滅多に無いようです。

かつての福島駅の職場風景を記録した本があれば読んでみたいですね。
国会図書館サーチや通販サイト『日本の古本屋』などを探してみましたが、どうも公式の記念誌(年史)が発行された様子は無く・・・。


※写真は全て2022年7月16日撮影
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最終更新日 : 2023-02-17

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