福島県は福島市飯坂町平野字道添にある、福島交通の五郎兵衛(ごろべえ)踏切。
前回記事で紹介した医王寺前駅の北側にあります。
踏切名称の「五郎兵衛」とは大鳥城主・佐藤基治の重臣であった大越五郎兵衛義持の事です。
五郎兵衛踏切から約77m東方には大越五郎兵衛義持の居宅だった「五郎兵衛館跡」があります。
1189年、源頼朝が奥州平泉の藤原泰衡を討つべく侵攻。
五郎兵衛は石那坂で頼朝の軍勢を迎え撃つも敗北し、程なくして大鳥城も落城。
この戦いで佐藤一族が滅びる事となりました。
館跡周辺の住所は「福島市飯坂町五郎兵ヱ舘」となっており、この地名ともども往時を今に伝えています。
福島交通 東急 JR東日本 国鉄 JR北海道 上越線
踏切銘板にも「五郎兵衛踏切」の名前がはっきりと書いてあります。
施設自体は桜水駅が管理しており、緊急連絡先として同駅の電話番号を表記しています。
福島交通飯坂線
道幅が狭いですが一応は自動車も通行できます。
県道3号線を挟んで向かい側には「酒のやまや飯坂店」があり、ひっきりなしに買い物客が出入りします。
そんな五郎兵衛踏切ですが、思わず目を見張る代物がありました。
それがこちら。
地面側がそっくり切られた状態で、電柱に括り付けられた踏切警報機です。
何というか魚沼宇水に似ていますよね、それも最終形態(意味深)に。
魚沼宇水(うおぬま・うすい)とは漫画『るろうに剣心』に登場する志々雄一派の幹部「十本刀」の一人です。
かつては幕府お抱えの暗殺者として腕を振るいましたが、長州藩の人斬りだった志々雄真実に両目を斬られて敗北し、幕府に見限られてしまいました。
しかし視力を失った事で「心眼」を開き、明治維新後は「隙あらば志々雄を殺しても良い」という条件で十本刀に加入します。
その後、志々雄を討つべくアジトに乗り込んだ斎藤一と対峙。
いつものように相手の心理を読み取り悦に浸る宇水でしたが、斎藤に自身の本質を看破されてしまい、怒り狂ったところで隙を突かれ大敗を喫しました。
相当な手練の筈ですが妙に小物っぽい言動から、読者の間でネタキャラ扱いされる事も多い男です。
なので私も五郎兵衛踏切を見た途端・・・
和月伸宏(1997)『るろうに剣心 巻之十四』(集英社)p.43より引用
・・・思わず笑ってしまいましたw
五郎兵衛踏切は医王寺前駅の分岐器を横断します。
分岐器に置かれた踏切道というのも珍しいかと思います。
敷板もなかなかにカオス。
五郎兵衛踏切から転轍機標識を眺めた様子。
青丸の標識に「S」と表示している事から、発条転轍機(スプリングポイント)だと分かりますね。
五郎兵衛踏切を境に単線は2本に分かれ、プラットホームへと続きます。
医王寺前駅は飯坂線に5ヶ所ある交換駅の一つ。
駅構内には1面2線の島式ホームを備えています。
島式ホームの北端から五郎兵衛踏切を眺めた様子。
※写真は全て2022年7月16日撮影
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最終更新日 : 2023-02-15