引き続き福島県は福島市栄町にある、福島交通・阿武隈急行の福島駅を取り上げましょう。
駅の大まかな歴史とラッチ外の様子は既に書いたとおりです。
今回は改札口を進み、プラットホームの様子を見ていきましょう。
ホーム側から改札口を眺めた様子。
ICカードリーダーはラッチから離れた箇所にも設置しています。
JR東日本 福島交通 東急 阿武隈急行 改札口 有人改札 駅員
駅員による改札業務は出場に限り実施。
福島交通と阿武隈急行、2社の駅員達が同じ改札口に立って集札を行ないます。
制服デザインの違いに注目!
写真の左が福島交通の駅員、右が阿武隈急行の駅員です。
盛夏服ひとつとっても福島交通は胸ポケットを左右に配した開襟シャツですが、阿武隈急行は左胸ポケットだけのボタンダウンシャツです。
JR東日本 福島交通 東急 阿武隈急行 改札口 有人改札 駅員 国鉄
飯坂線窓口の脇にはJR線に繋がる乗換改札口があります。
こちらはラッチを設けておらず、1ヶ所の精算所で旅客の入出場をチェックしています。
飯坂電車 いい電 東北本線 東北新幹線 奥羽本線 北海道新幹線
1面2線の頭端式ホーム。
2社で同じホームを使用しており、番線表示はありませんが西側の線路は阿武隈急行線、東側の線路は福島交通飯坂線が使用しています。
ホーム全長は阿武隈急行線が20m車4両分ほど、飯坂線が18m車3両分ほどで格差があります。
なお、阿武隈急行線はJRの1番線ホームとも接していますが、そちら側での乗降は出来ません。
左右で別々の社名を書いた案内板。
フォントさえも異なります。
阿武隈急行線は保原・梁川を経て宮城県内の丸森・槻木、飯坂線は福島の奥座敷・飯坂温泉へと至ります。
くれぐれも乗り間違いの無いようご注意を。
阿武隈急行の停止位置は、飯坂線のそれよりも大分奥まった場所に設定しています。
写真左手のビルは2001年4月8日、飯坂線の7000系7107Fがブレーキ故障により衝突したeastビルです。
eastビルの手前には現在、ドイツのラヴィー社(RAWIE)が製造した車止めを設置しています。
この車止めは「緩衝式」と呼ばれる物で、正面に油圧ダンパ式の緩衝機を装着。
万が一に列車が車止めに衝突した場合、この緩衝機が衝撃を吸収する事によって、車両と施設(ホーム・建築物など)の双方を保護できるという訳です。
一方、阿武隈急行線は従来どおりの第二種車止めです。
駅舎の真ん前に設置しています。
ホームの飯坂線側にはベンチが一直線に並びます。
背後に回って阿武隈急行線側。
こちらにベンチは1脚もありません。
ホームの飯坂線側には行灯タイプの列車接近表示器があります。
表示パターンは「いいざかおんせん」と「さくらみず」の2パターンで、該当する行先の列車が接近するとご覧の通り文字が点灯します。
なお、阿武隈急行線側に列車接近表示器は設置していません。
旅客上屋の柱には・・・
・・・「出発信号」「通路警報装置」「根田東踏切」「出発(鳴動)/取消 押釦」と書かれた箱があります。
「根田東踏切」については曽根田東踏切の「曽」が消えた状態ですね。
これは福島交通の車掌が出発時刻に取り扱う設備で、中のボタンを押すと以下の動作が起こります。
①信号機が出発現示となる
②保線・電気の各作業員に対し列車の接近を知らせる「通路警報装置」が鳴動する
③曽根田駅の手前にある「曽根田東踏切」が作動する
その下に付いている音符ボタンは発車ブザーのスイッチだったのでしょう。
現在は駅員が改札口のスイッチを押すと発車ブザーが鳴ります。
こちらの動画を見ると、飯坂線の出発における一連の流れが分かります。
再生時間0:06で「カチッ」とボタンを押す音が響き、その直後に出発反応標識が点灯し、遠くから踏切警報音に似た通路警報装置の音も聴こえています。
ホームの中間に設置された鉄道電話機。
飯坂線と阿武隈急行線、どちらで使う物かは不明です。
或いは両方で使えるのかも?
「ひらく」「とじる」の手書き文字が可愛らしいですね。
ホーム北端の様子。
阿武隈急行線側には意味深な金網の足場があります。
そして飯坂線側には妙なバックミラーが1つ。
やたらと鏡面が汚れていますし、仮に運転士が使うとしてもホームを見るには高さが足りないのでは・・・?
阿武隈急行8100系と、ホームに出て尾灯・行先表示器などを指差確認する運転士。
同じホームに仲良く並ぶ福島交通1000系と阿武隈急行8100系。
ホーム上の駅名標。
福島交通と阿武隈急行でデザインが異なります。
JR側から駅舎を眺めた様子。
2階建てのコンクリート建築です。
こうして見ると、まるで信号扱所か輸送本部のような佇まい。
駅舎の外壁には乗換案内の青い看板を掲げています。
頭上の電飾看板も「飯坂線・阿武隈急行線のりば」と表示。
以上、2回に渡って福島交通・阿武隈急行の福島駅を取り上げました。
※写真は全て2022年7月16日撮影
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最終更新日 : 2022-12-20