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2022-11-20 (Sun) 21:55

「苗穂工場用品倉庫」を転用した北海道鉄道技術館と立体倉庫

苗穂工場用品倉庫(鉄道技術館)a01

石狩管内は札幌市東区北6条東13丁目にある、JR北海道の苗穂工場。
その構内には「北海道鉄道技術館」というJR北海道唯一の企業博物館があります。
鉄道技術館は1987年4月の分割民営化に伴い、北海道における鉄道技術の歴史と文化を後世に伝える展示施設として開設されました。
当初は苗穂工場の直営だった鉄道技術館ですが、2009年12月1日からは(一財)JR北海道文化財団が運営を継承。
毎月第2・第4土曜日の13:30~16:00に開館し、老若男女を問わず無料で見学できます。
苗穂工場は基本的に土日祝を休業日としていますが、年間10回程度の土曜出勤と技術館の開館日が被れば場内を行き来する検修員達の姿や、構内入換の作業風景を見る事もできます。


JR北海道 国鉄 JR貨物 鉄道博物館 苗穂工場用品倉庫 第一用品倉庫 苗穂駅 函館本線
苗穂工場用品倉庫(鉄道技術館)a02

ただし技術館は工場内に置かれた施設なので、見学の際は正門警備室で入館手続きを行なう事になります。
入館手続きでは入館証に見学者の氏名・住所・電話番号を記入し、警備員に渡せば入場が許可されます。
その際、警備員は入館者に対し「見学は初めてですか?」と質問するのですが、これに「初めてです」と答えると苗穂工場の平面図を渡されます。
平面図には点線で立入可能区域を表示しており、これに従って構内を移動するように指示されるのです。
間違っても点線の外側に立ち入ってはいけません!
たまに構内西側の線路に入り込んだ家族連れが、巡回中の警備員や検修助役に呼び止められているのを見かけますね。


苗穂工場組織図
苗穂工場の組織図(1971年)
国鉄苗穂工場(1971)『工場あんない』1971年度版より引用

鉄道技術館が入居する赤レンガ造りの建築物は、苗穂工場黎明期の1910年に「用品倉庫」(時期により第一用品倉庫とも)として建設されたものです。
国鉄の鉄道工場は大規模なラインアンドスタッフ組織で、施設名と思われがちな「用品倉庫」も実際は一つの部署として名称を定めていました。


苗穂工場用品倉庫 企画係長 工事材料係長 現品係長 計算係長 貯蔵品庫 予備品庫 副生品庫
苗穂工場用品倉庫の指揮命令系統図a01

用品倉庫の使命は工場業務に必要な資材(材料・工具・備品等)の調達・保管と各職場への配給です。
責任者として用品倉庫長が勤務し、その指揮管理下に非現業職(係長・主席・課員)と現業職(事務掛・現品掛・整備掛)を配置。
非現業職が調達・出納などの資材事務を担い、現業職は輸送職場と連携しつつ倉庫内の管理と作業(搬入・搬出・開梱など)に当たりました。
また、製修工事の過程で生じる副生品の保管も用品倉庫の役目でした。



苗穂工場の資材立体倉庫(2022年10月)a04

ところで国鉄時代には他にも、資材の出納・保管に供する倉庫が建設されています。
それはトラバーサーBの東側にあった「第二用品倉庫」(解体済み)と、計画科事務所の西側にある「資材立体倉庫」です。
このうち資材立体倉庫は今なお現役の倉庫で、苗穂工場総務科が所管しています。



苗穂工場の資材立体倉庫(2022年10月)a07
日本国有鉄道苗穂工場(1981)『70年のあゆみ』p.34より引用

この倉庫は1979年12月末に落成しており、当初は「立体自動貯留倉庫」という名称でした。
その名の通りスタッカークレーンを完備した自動倉庫で、倉庫作業の省力化や稼働効率の向上に寄与しています。
そして貯蔵品庫・予備品庫は新機軸の立体倉庫に集約されていきました。



苗穂工場組織図(1983年4月)
国鉄苗穂工場(1983)『工場あんない』1983年度版より引用

苗穂工場は1982年3月1日、本場(ほんじょう)の組織改正を実施。
これによって用品倉庫は経理課と統合し「経理資材課」に改組しました。
なお、倉庫現業については業務委託化し、札幌工営㈱が引き受ける事になりました。



苗穂工場平面図(1986年4月)
国鉄苗穂工場(1986)『工場あんない』1986年度版より引用

その後、赤レンガ倉庫は立体倉庫ともども経理資材課の所管となり、国鉄解体まで資材の出納・保管に供しました。
1987年4月1日の分割民営化では、鉄道工場の「本場」と「職場」による組織体制を改め、運転所等と同じ科長制に移行。
同時に経理資材課は総務課と統合し、助役1名を科長に指定した「総務科」に生まれ変わりました。
以来、2022年現在に至るまで総務科が資材管理を担当しています。

倉庫作業を受託した札幌工営は2018年4月1日、同じく苗穂工場内の一部業務を受託する札幌交通機械㈱に吸収合併。
これに伴い札幌交通機械が倉庫作業を引き継いでいます。


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※写真は特記を除き2022年10月22日、鉄道技術館の開館中に撮影
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最終更新日 : 2022-11-20

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