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2022-07-05 (Tue) 23:26

大船渡線千厩駅[3] 保線の資材置き場と大船渡線営業所の痕跡

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引き続き岩手県は一関市千厩町千厩字上駒場(旧:東磐井郡千厩町千厩字上駒場)にある、JR東日本の千厩(せんまや)駅を取り上げましょう。
駅の大まかな歴史と待合室の様子は第1回、保線休憩室とプラットホームの様子は第2回に書いたとおりです。



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駅構内の東側にはマクラギやパレット、機械部品などを集めたスペースがあります。



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ここは一ノ関保線技術センターが設置した工事用材料置き場です。
大船渡線の軌道補修工事や軌道改良工事などに投じる材料を一時的に置き、工事の都度ここから持ち出すという訳です。
ただしJR東日本は2001年10月1日に開始した「設備部門におけるメンテナンス体制の再構築(設備21)」により直轄の保線作業を原則廃したので、実際はユニオン建設㈱など請負業者が資材の搬入・搬出をしているようです。


JR東日本 国鉄 保線区 車両基地 ローカル線 保線機械 保守用車 JR貨物
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線路沿いにはPCマクラギが整然と積み上げられていました。



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材料置き場にはアームロール車のコンテナが1つ。
側面には「EC南部コーポレーション株式会社 一般廃棄物・産業廃棄物・専用車」と書かれています。
EC南部コーポレーションは奥州市水沢(旧:水沢市)にある建設会社で、建築物や道路などの工事を受注する傍ら解体・リサイクル事業も展開しています。
このコンテナも元々は同社の解体現場で発生した廃棄物の輸送に使われていたんですね。



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そんなコンテナの手前には「産業廃棄物保管箇所」の標識があり、管理者として「ユニオン建設㈱一関出張所」の記名をしています。
ユニオン建設はJR東日本グループの建設会社で、一次受けとして線路・土木構造物・建築物の各種工事(新設・改良・補修)を受注しています。
なお、管理者欄には「一関」の2文字を書いたテープを貼っており、その下には「大船渡」と書かれているのが分かります。
ユニオン建設㈱大船渡出張所の詳細は不明ですが、どうやら現在は既に廃止されており、その業務を一関出張所が引き継いだという事のようですね。



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こちらも資材置き場に設置された注意書き。
何と廃止済みの「大船渡営業所」の名が残っています。

大船渡線営業所は大船渡線全区間、気仙沼線本吉~気仙沼間の経営改善・活性化を目的として1992年12月1日に発足した現業機関です。
JR東日本はローカル線区の経営改善を図るべく1988年から1990年代前半にかけて、担当線区の各種業務(事務・営業・輸送・運転・車両・施設・電気)を統合した「営業所」の設置を展開しました。
大船渡線営業所の場合は車両を除く各種業務を集約。
本所(総務科・工務科・運輸科)を気仙沼駅に置くと共に、摺沢駅・千厩駅・陸前高田駅・本吉駅・盛駅の計5ヶ所を「派出所」として駅・施設区管理室・電気区派出の各職場を統合しました。



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しかし2013年9月28日、ダイヤ改正に伴い大船渡線営業所は廃止となり、21年間の活動に終止符を打ちました。
それから更に9年が経過しましたが、大船渡線営業所の名を記した注意書きは奇跡的に撤去を免れています。
保線の資材置き場に営業所名義の注意書きがあるのは、営業所時代に保線の職場を千厩駅に統合していた名残と言えます。



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資材置き場から更に線路を東に辿りましょう。



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千厩駅構内には保守用車の車庫も完備しているのです。



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この日、車庫の手前に留置されていたのはバラスト運搬散布車。
形式名は「BCS-T09B-NC」で、オープンスタイルの運転台が付いた自走可能な散布車です。



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車体側面は花の絵で彩られています。



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所有者はJR東日本ではなくユニオン建設。
ユニオン建設は機械保線も受注しており、マルタイやバラストレギュレーター等の保守用車も所有しています。



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車体側面に掲げた銘板の数々。
ユニオン建設が設定した機械番号は「0121-501」です。
販売者は埼玉県八潮市の保線機器整備㈱。
メーカーは㈱トキオで2012年12月の製造です。
トキオ・・・といっても某DASH島のトロッコとは無関係ですw



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バラスト運搬散布車の検修を担当するのは、仙台市に本社を構える東洋機械㈱。
東洋機械は東北地方で使われている保守用車約300両の検修・更新工事を専門とする会社で、仙建工業㈱の協力会社が集う「みちのく軌道会」にも加盟しています。



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千厩駅のホーム上から保守用車庫を眺めた様子。



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保守用車庫を横目に入線するキハ100系2連。


さて、千厩駅周辺には他にも保線関係の施設があるのですが、長くなったので今回はここまで。


《ブログ内関連記事リンク》
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※写真は全て2022年5月2日撮影
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最終更新日 : 2022-07-08

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