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2022-06-21 (Tue) 21:08

JR秋田支社の現業機関が集う「秋田地区総合事務所」ほか

JR秋田地区総合事務所a01

秋田県は秋田市中通7丁目。
秋田駅西口から約300m南下すると、亜麻色の外壁が印象的な5階建てのビルがあります。



JR秋田地区総合事務所a05

このビルはJR東日本秋田支社の「秋田地区総合事務所」です。
総合事務所とは複数の現業機関や非現業部門などを1ヶ所に集めた施設の事。
国鉄時代は「総合庁舎」とも称し、全国各地の鉄道拠点に建設されました。
中には室蘭本線追分駅のように駅舎そのものを総合事務所に建て替えるケースもありましたが、秋田地区総合事務所は秋田駅構内から独立するかたちで建っています。



JR秋田地区総合事務所a03

秋田地区総合事務所の1階にはテナントとして「デイリーヤマザキ中通七丁目店」が入居しています。
普通なら部外者をシャットアウトしそうな総合事務所にコンビニ・・・何とも意味深な話です。
もしかすると国鉄末期~JR初期は「直営店」が入っていたのかも?
あの頃は各現業機関から余剰人員を事業開発に回し、直営の小売店・飲食店・簡易宿泊所などを次々に開業していました。
JR北海道に至っては道央圏で「ジャストロール」なるコンビニを展開していましたし、JR東日本秋田支社にもコンビニ営業に乗り出した時期があったのかも知れません。


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JR秋田地区総合事務所a06

デイリーヤマザキの左脇にはJR関係者用の駐輪場があります。



JR秋田地区総合事務所a08

駐輪場の管理者は秋田運輸区。
「許可証の貼っていない自転車等は処分させていただきます」との注意書きを掲げています。



JR秋田地区総合事務所a07

JR秋田地区総合事務所a11

駐輪場を進んだ先には総合事務所の玄関。



JR秋田地区総合事務所a09

玄関脇には秋田地区総合事務所の表札に加え、「ぽっぽランドこまち」と書かれた表札を掲げています。
「ぽっぽランドこまち」は㈱パソナフォスターが2017年12月1日に開業した事業所内保育所です。
基本的に月~土曜日の7:30~18:30に開園しており、利用者の事前申込みがあれば365日24時間体制で子供を預かる事も出来ます。
要はJR社員が仕事中に子供を預ける保育所という訳です。



JR秋田地区総合事務所a10

玄関ドアの窓ガラスには総合事務所の入居部門をズラリと表示しています。

1階には秋田鉄道健診センターとぽっぽランドこまちが入居。
秋田鉄道健診センターは国鉄時代の秋田鉄道病院をルーツに持ち、その機能を大幅に縮小したJR東日本直営の医療機関です。

2階には秋田保線技術センター、秋田電力技術センター、秋田信号通信技術センターの各本所事務室が入居。
何れも2001年10月1日に開始した「設備部門におけるメンテナンス体制の再構築(設備21)」で発足した現業機関です。
秋田保線技術センターは秋田保線区、秋田電力技術センターは秋田電力区、秋田信号通信技術センターは秋田信号通信区を前身とします。

3階には設備事務センター、秋田土木技術センター、秋田電力技術センター秋田メンテナンスセンター、秋田信号通信技術センター秋田メンテナンスセンターが入居。
JR秋田支社では独自の合理化策として2020年頃から、工務関係各現業機関の総務部門を「設備事務センター」1ヶ所に集約しているそうです。
各線区の用地管理事務も設備事務センターの受け持ちでしょうね。
秋田土木技術センターは「設備21」の一環として保線から土木を切り離し、秋田構造物検査センターと合流して発足した現業機関です。
秋田支社管内における土木構造物(橋梁・トンネル・プラットホーム等)の保守管理を担当しています。

4階には秋田運輸区、運輸事務センターが入居。
秋田運輸区は1993年3月31日に秋田運転区と秋田車掌区を統合し発足した現業機関で、羽越本線・奥羽本線・男鹿線の乗務を担当しています。
運輸事務センターは秋田支社各運輸区の総務部門を1ヶ所に集約した部門で、設備事務センターと同じく秋田支社独自の組織だそうな。

5階には秋田運輸区休養管理室が入居。
乗務員達の仮眠休憩に使われています。



JR秋田地区総合事務所a12

秋田地区総合事務所の南側は駐車場となっており、社用車がズラリと並ぶ様は壮観です。



JR秋田地区総合事務所a14

JR秋田地区総合事務所a15

その真向かいには2階建ての別棟があり、1階は全て車庫となっています。
右端の車庫には「健診センター」との札が付いており、中に秋田鉄道健診センターの巡回検診車を格納している事が伺えます。
2階はアパートの如く外廊下を配していますが、部屋を何に使っているかは不明です。
国鉄時代は秋田保線区秋田保線支区の詰所にでも使っていたのでしょうか?



JR秋田地区総合事務所a16

裏側にも車庫のシャッターが付いています。



JR秋田地区総合事務所a13

そんな別棟の手前には3階建てのビル。



JR秋田事業事務所パルビルa01

JR秋田事業事務所パルビルa05

やけにイビツな形状です。
四角い秋田地区総合事務所とは対照的。



JR秋田事業事務所パルビルa02

このビルもJR東日本の関連施設です。
玄関前の看板には「秋田事業事務所 パルビル」と書かれています。



JR秋田事業事務所パルビルa04

玄関ドアには入居テナントを表示しています。
これによるとJR東日本レンタリース㈱秋田支店、青葉緑化工業㈱秋田営業所、JR東日本メカトロニクス㈱秋田支店の3社が入居中だと分かります。
JR東日本レンタリースはJR東日本の連結子会社として駅レンタカー事業を営んでいます。
青葉緑化工業㈱は仙台に本社を構え、JR東日本から営林(鉄道林の保守管理)や土木防災工事(落石防護工・のり面安定工などの保全)を受注している会社です。
JR東日本メカトロニクスは「JREM」を公式の略称とし、駅構内にある各種機械設備(自動券売機・自動改札機・空調・エレベーター・エスカレーター・可動式ホーム柵など)の施工・メンテナンス、SuicaなどICカードシステムの開発を受注しています。



第一建設工業 秋田工事所a02

パルビルのすぐ南には第一建設工業㈱秋田工事所の看板が立っています。
第一建設工業は新潟駅前に本社を置く建設会社で、一次請けとしてJR東日本から線路・土木構造物・建築物の新設・改良・補修を受注しています。
秋田工事所は秋田支店に属する現業部門で、秋田市近郊において線路の新設・保線作業や建築物の新築・修繕工事などを担当しています。
なお、土木構造物については秋田土木工事所が受け持っています。



第一建設工業 秋田工事所a01

第一建設工業㈱秋田工事所は表通りから大分奥まった場所に社屋を構えています。



第一建設工業 秋田工事所a03

社会保険診療報酬支払基金秋田支部の駐車場ごしに、第一建設工業㈱秋田工事所の社屋を眺めた様子。
表通りからはよく見えませんが、社屋の西面にも「秋田工事所」の切り文字看板をでかでかと掲げているのが分かりますね。



JR秋田地区総合事務所a17

こちらは線路向かいから秋田地区総合事務所を眺めた様子。



JR秋田地区総合事務所とE6系こまち

秋田地区総合事務所の手前を横切る秋田新幹線E6系「こまち」。



JR秋田支社a01

秋田地区総合事務所から約93m北にはJR東日本秋田支社の本拠がどっしりと構えています。

ところでJR東日本は2018年に「変革2027」という経営ビジョンを定めており、2027年までに「鉄道を起点としたサービスの提供」から「ヒトを起点とした価値・サービスの創造」に転換しようと行動しています。
中でも思い切っていたのは2022年3月12日ダイヤ改正に合わせ、新たな現業機関として複数の駅と運輸区を統合した「統括センター」、複数の駅を統合した「営業統括センター」の2種類を開設した事。
JR秋田支社でも横手統括センター、秋田営業統括センター、東能代統括センター、弘前営業統括センターの4ヶ所を開設し、横手・東能代の2ヶ所については駅員と乗務員の業務を融合化しました。



秋田建築設備センターa01
秋田建築設備センターの記名がある注意書き
「建築技術センター」ではない点に注目

そして秋田支社は「変革2027」の次なるステップとして、2022年10月を目途に設備関係の大幅な見直しに着手する方針です。
現在、秋田支社エリアにある設備関係部門は大曲保線技術センター、秋田保線技術センター、東能代保線技術センター、弘前保線技術センター、羽後本荘保線技術センター、秋田土木技術センター、秋田建築設備センター、秋田機械設備センター、秋田電力技術センター、秋田信号通信技術センターの計10ヶ所。
このうち保線6ヶ所については統合して「秋田保線設備技術センター」の1ヶ所だけに再編し、支社で保線に係る企画部門の一部も同センターに集約する事としています。
更に秋田土木技術センターは「秋田土木設備技術センター」、秋田電力技術センターは「秋田電力設備技術センター」、秋田信号通信技術センターは「秋田信号通信設備技術センター」にそれぞれ改称。
従来は秋田支社設備部の直轄部門だった秋田建築設備センターと秋田機械設備センターは、新設の現業機関として「秋田建築設備技術センター」「秋田機械設備技術センター」に改組する模様です。
何だか妙に長ったらしい名前の現業機関ばかりになってしまいますね・・・。



JR秋田地区総合事務所a04

秋田保線設備技術センターは従来のエリアセンター・派出をそのまま移行するといいますが、それでも大幅に管理体制が縮小する事になる訳で「線路の安全確保に問題は無いのか?」と不安に思います。
それとも本所機能は秋田の1ヶ所に集約するけど、他5ヶ所の技術センターはエリアセンター化して保線社員を分散配置させるのでしょうか?
実に気がかりな施策です。


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※写真は全て2021年12月5日撮影
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最終更新日 : 2022-06-23

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