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2022-06-14 (Tue) 22:20

青い森線東青森駅[4] JR貨物の賃貸商業施設と青森資材センター

東青森駅a301

引き続き青森県は青森市大字古館字安田(旧:東津軽郡浜舘村大字田屋敷)にある、青い森鉄道・JR貨物の東青森駅を取り上げましょう。
駅の大まかな歴史、自由通路「とおりゃんせ橋」と待合室、プラットホームについては既に書いたとおりです。
今回からは記事を2回に分け、東青森駅の外周を歩いてみましょう。



東青森駅a302

駅本屋の北側には広々としたショッピングセンターがあります。
ここではスーパーマーケットの「ユニバース東青森店」、ホームセンターの「DCMホーマック東青森店」がテナントとして営業しています。



東青森駅a303

この商業施設の名は「東青森ステーションショッピングセンター」。
JR貨物が事業開発の一環として、東青森駅の一部貨物ホームを整理・開発し2002年10月に開業しました。※Wikipedia「東青森駅」の項は2003年11月18日開業と述べているが間違い
あまり知られていませんがJR貨物は分割民営化直後から商業施設、分譲マンション、駐車場などの不動産開発にも取り組んでいるのです。

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 商業施設の開発においては、当社が建物を建設して賃貸する手法と、当社が土地を賃貸してテナント側が建物を建設する手法を選択し開発を進めてきました。主な商業施設は、2002年9月竣工の「東青森駅商業施設」、2003年10月竣工の「西湘貨物駅複合レジャー施設(土地貸付)」、2004年2月竣工の「田端信号場スーパー・フィットネス」、2006年8月竣工の「岩国家電量販店」、2008年4月竣工の「浜小倉複合レジャー施設(土地貸付)」、2009年11月竣工の「豊橋東口複合商業施設」、2015年6月の「隅田川駅商業施設(土地貸付)」があります。最近では、用地の収益力に合わせて事業用定期借地権設定契約を活用した土地貸付物件も増えてきています。

《出典》
日本貨物鉄道株式会社(2019)『JR貨物30年のあゆみ』p.145
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東青森駅a304

東青森ステーションショッピングセンターのテナントですが、面白い事に2店舗とも北海道がらみの資本です!
㈱ユニバースは元々、青森県内で食品スーパーを展開してきた地元企業ですが、2011年10月付で札幌に本社を置く㈱アークスの完全子会社となりました。



東青森駅a308

ホーマックは釧路で創業した「石黒ホーマ」をルーツとし、道内全域、東北6県、関東3県に展開しています。
30年近く親しまれてきた店名ですが、2022年3月から約2年間をかけて全店舗を「DCM」に改称・統一する事となりました。
ホーマック東青森店が「DCM東青森店」に改称するのも時間の問題です。



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駐車場から眺めるEH500形。
商業施設と貨物駅を隔てるのはフェンス1枚だけです。



東青森駅a306

東青森ステーションショッピングセンターから時計回りに駅の外周を辿っていきましょう。



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駅本屋からは直線距離にして約330m離れましたが、こんな所にも貨物駅の通用口があります。



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看板によると、この通用口は貨物自動車の出入口。
至近に駅員や守衛の詰所はありませんが、防犯カメラが始終作動しています。
なお、第1回で既に触れたとおりトラックの出入口は駅本屋側にもあります。



東青森駅a312

この出入口付近はコンテナを輸送するトラックの留置に使われています。
撮影当時は国際興業グループの運送会社、丸運十和田運送㈱のトラックがズラリと並んでいました。



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このトラック用出入口には青森総合鉄道部東青森派出の表札も掲げています。
どうやら東青森派出に勤務する従業員の出入口としても使っているようです。

青森総合鉄道部は2000年4月1日に青森機関区と青森信号場を統合し発足した地方機関です。
旧青森機関区は「運転課」として動力車の運転並びに機関車・貨車の検修、旧青森信号場は「輸送課」として構内の信号扱いと八戸臨海鉄道への委託業務(操車・連結)の監督を担当しています。
一方、東青森派出は電気機関車の仕業検査を担当しており、特に北海道新幹線の開業後は東青森駅での機関車交換が増えたので青函輸送の要と言える職場です。



東青森駅a314

トラック出口のすぐ隣には、貨物駅構内から分離されたかたちの鉄道関連施設があります。
ここは国鉄時代に存在した「青森資材センター」の遺構だそうな。

資材センターとは1968年12月から1970年11月にかけて従前の「用品庫」を刷新し、資材調達・管理に係る事務処理をコンピュータ化して能率向上・迅速化を期した現業機関です。
取り扱う資材はOA機器、制服類、座席カバー、寝台用シーツ、燃料(石炭・軽油)、軌道材料、保線機械、電線、各種工具など多種多様。
これらを調達して保管し、必要な時に各現業機関へ配給する役目を担うと共に、各現業機関から提出される物品使用報告書(運転関係区所の場合は物品領収券)を基に代価報告一覧表などの帳票を作成しました。
人員は所長を筆頭に支所長、助役(総務助役・事務機械助役・工事用品助役・諸用品助役・燃料助役・輸送助役など)、事務掛、試験掛、場内誘導掛、重機掛、諸機掛、工作掛、現品掛、整備掛、自動車運転士、守衛長、守衛が置かれていました。



東青森駅a313

正門のすぐ手前には2階建ての事務所棟があります。
守衛室もこの中にあったんでしょうね。



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奥に見えるのは資材倉庫。



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この倉庫にも事務室を併設しており、玄関には「納品受付」の札を掲げています。
部外の業者が資材を納品するための窓口という訳ですね。



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もはや青森資材センターには人気が全く無く、金網フェンスも赤錆塗れで破損も目立ちます。



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資材センターの外れから金網越しに貨物駅構内を眺めます。



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更に270mほど進むとトタン板を張った、古い保守用車庫があります。
昔はこの付近に青森保線区東青森保線支区の詰所も建っていたのかな・・・と見ています。



青森保線区の指揮命令系統(1969)

長らく国鉄の保線区は換算軌道キロ5~6kmおきに、10名前後の線路工手から成る「線路班」を1班ずつ置き、2~4班の取りまとめ役として「線路分区」を構えていました。
換算軌道キロは本線軌道延長に側線軌道延長の1/3を加えたものですね。
線路班が担ってきた人力保線は随時修繕方式と言い、ビーターを持って担当する区間を巡回し、レールやマクラギ、道床を見たり触ったりして検査を行い、異常を発見したら直ちに修繕を施すものでした。
しかし高度経済成長期に鉄道の輸送量が増大すると、それに伴い列車本数も増便された事により、保線作業の出来る列車間合が減少。
おまけに列車の速度も向上したために線路破壊が早まり、それでも運転回数が多いせいで十分な修繕の出来る時間が少ない…というジレンマを抱えてしまった訳です。

そこで国鉄施設局は「軌道保守の近代化」を計画し、線路分区に代わる現業機関として1963年4月から「保線支区」の設置を進め、保線機械を活用し限られた時間の中で集中的に検査・補修を行う「定期修繕方式」に移行していきました。
従前は混同していた検査と作業も完全に分離。
換算軌道キロ10~15kmおきに設置した「検査班」が支区長に報告した検査結果を元に、計画担当(計画助役および技術掛)が作業計画を策定し、作業助役を通じて「作業班」に修繕をさせるという業務体制に移行しています。

青森保線区も1969年4月1日に近代化に合わせた組織改正を敢行し、線路分区の統合により東青森保線支区・青操保線支区・西青森保線支区の3ヶ所を開設。
検査班は小湊・浅虫・野内・東青森・青操第一・青操第二・青森第一・青森第二・西青森・蟹田・三厩の計11班とし、各支区に作業班を1班ずつ置きました。



国鉄青森保線区の指揮命令系統(1982)aa01

JR東日本は1988年度に「小保線区方式」への転換を打ち出し、保線支区を保線管理室と機械グループに分離・縮小改組しました。
更に2001年10月1日から「設備部門におけるメンテナンス体制の再構築」を開始。
これに伴い保線区を一気に統廃合した上、施工を全面的に外注化した「保線技術センター」に大幅改組し、なおかつ保線から土木を分離して「土木技術センター」を設立しています。
青森保線区についても線路関係は青森保線技術センター、土木関係は盛岡土木技術センター青森派出に生まれ変わっており、何れも国鉄時代のような支区制は敷いていません。
東青森保線支区の詳細な廃止時期は不明ですが、少なくとも分割民営化後に保線管理室化し、「メンテナンス体制の再構築」までには廃止されたものと考えられるでしょうね。

また、JR貨物は会社発足に伴い東青森駅構内に「盛岡施設区青森派出」を開設し、青森県内の各貨物駅・機関区・貨車区において線路・土木構造物・建築物・機械設備の保守をさせていました。
なお、盛岡施設区は1993年5月1日、メンテナンス業務の集中化を図るべく盛岡電気区と統合して「盛岡保全区」に改組しましたが、青森派出の存廃については不明。
少なくとも東北保全技術センターが発足した2002年10月1日までには廃止されたようです。




東青森駅a321

保守用車庫の南側には青森総合鉄道部東青森派出の仕業検査庫があります。


長くなったので今回はここまで。




※写真は全て2022年5月1日撮影
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最終更新日 : 2022-06-16

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