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2022-05-08 (Sun) 08:22

仙石線あおば通駅[1] 仙台駅まで僅か0.5km!短すぎる延伸区間

あおば通駅a27

宮城県は仙台市青葉区中央3丁目にある、JR東日本のあおば通駅。
「杜の都」のメインストリートである青葉通の地下に築かれた駅です。
駅周辺にはオフィスビルが林立しており、七十七銀行本店、三菱UFJ銀行仙台支店、三井住友銀行仙台支店、青森銀行仙台支店、秋田銀行仙台支店、SMBC日興証券㈱仙台支店などが集まる町並みは、さながら「みちのくのウォール街」といった趣きです。
北側にある「クリスロード」は昼夜を問わず賑わうアーケード街で、その中の雫石ビルには低予算旅行の心強い味方、快活CLUB仙台中央通店が入居しています。


JR東日本 国鉄 仙台市交通局 仙台市営地下鉄 業務委託駅
あおば通駅a03

そして驚く無かれ、お隣の仙台駅とはたった0.5kmしか離れていません。
この距離は山手線日暮里~西日暮里間、鶴見線浅野~安善間、境線博労町~富士見間と同じくらいで、JR線としては最短の駅間距離です。
仮にあおば通駅から仙台駅に移動するなら、わざわざ地下に潜って列車に乗るよりも、地上を歩いた方が早く辿り着けます。
それこそ仙台駅と繋がる地下通路も延びており、駅名板の真下には「仙台駅東西地下自由通路」と書いてしまっていますね。

なお、鉄道ファンの中には同じ宮城県内にある松島~高木町間の0.3kmが最短駅間だと主張する人がいます。
これは両駅間において運賃計算上の「営業キロ」を0.3kmと定めたためです。
そもそも東北本線松島駅と仙石線高木町駅を直接結ぶ列車も無いので、「最短駅間0.3km説」は実態に則していない主張だと言えるでしょう。



あおば通駅a04

ここからはあおば通駅の大まかな歴史を見ていきましょう。
仙台市役所は1981年より、踏切の解消による道路交通の円滑化を期して仙石線の立体交差事業に着手しました。
2000年3月11日、仙石線仙台~陸前原ノ町間が地下化。
これに合わせて地下トンネルを西に延ばし、あおば通~仙台間が延伸開業しました。
あおば通駅は仙台駅の被管理駅(直営駅)として開設され、仙台地区駅長配下のあおば通駅長が配置されたそうです。
また、駅構内には旅行センターの「びゅうプラザ仙台あおば通店」が併設されました。

9日後の2000年3月20日、仙石線CTCセンターが東塩釜駅から宮城野総合事務所(仙台市宮城野区田子富里)に移転し、あおば通~多賀城間がCTC化しています。
なお、仙石線では1988年3月1日に多賀城~陸前山下間をCTC化しているのですが、多賀城以西については各駅で信号扱いを行なってきたようです。

2002年12月15日、改札口に自動改札機を設置。
開業以来使用されてきたステンレスのラッチは御役御免となりました。



あおば通駅a28
東日本旅客鉄道仙台支社(2010)
『仙石線「あおば通駅」リニューアルオープンおよび記念セレモニー開催について』p.1より引用

2010年4月1日、駅構内を全面リニューアル。
旅客が利用しやすくなるよう「みどりの窓口」と「びゅうプラザ仙台あおば通店」を一体化し、店舗スペースを拡張しました。
また、急病人に対応できるようラッチ内に救護室を設けています。

JR東日本は2010年代にフロント業務の合理化を推し進めており、びゅうプラザについても2014年12月から子会社の㈱びゅうトラベルサービスに順次移管していきました。
びゅうプラザ仙台あおば通店については2016年9月1日を以ってびゅうトラベルサービスに移管しています。



あおば通駅a07

2017年10月1日には業務委託駅となり、LiViT(JR東日本東北総合サービス㈱)が駅営業を受託しました。
2019年3月30日、びゅうプラザ仙台あおば通店が閉店。
2022年1月31日には「みどりの窓口」も営業を終了し、駅員は改札口に配置されるのみとなりました。

主に都市部で複数駅を統合した「営業統括センター」、地方線区で複数駅と乗務員区所を統合した「統括センター」の開設に乗り出しました。
仙台支社においては現在、山形統括センターを開設しただけのようですが、今後は仙台にも波及するものと思われます。



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地上と地下駅を結ぶ階段は2ヶ所あり、青葉通を挟んで左右対称になるように配置されています。
こちらは1番出口で、仙台三菱ビルディングの手前にあります。



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一方、こちらは2番出口。
秋田銀行仙台支店の手前にあります。
なお、どちらの出口も番号は地下の看板に記されているのみで、地上の建屋には一切番号を表示していません。
地下鉄のように「○番出口」とでも書けば良いのに。



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1番出口と2番出口は階段・エスカレーターの配置も左右対称です。



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もちろんエレベーターの出入口もあります。



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地下コンコースの様子。
寒色系のタイルを張っています。
都心の駅でそれなりに利用客が多いはずなのですが、駅構内は妙に静か。
郊外から買い物や遊びで都心に来る人達は仙台駅で一斉に降りてしまうもので・・・。



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天井の看板は改札口の方向を指して「入口 あおば通駅」と案内しています。
まるで改札口を進むまでは駅構内でないかのような書き方ですね。



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自動券売機は3台設置。
うち1台は指定席券売機で、東北新幹線や特急「ひたち」等の切符を購入できます。



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改札口には7組の自動券売機が並びます。
入場専用は1組、出場専用は2組です。



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改札口の脇にある精算所。
ここは2010年4月以前、精算所と「みどりの窓口」を兼ねていました。



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「みどりの窓口」は2010年4月に移転しましたが、先述のとおり2022年1月31日を以って営業終了。
旧窓口の自動ドアはガラス一面に白いフィルターを貼り、室内が見えないようにしています。



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その隣には「びゅうプラザ仙台あおば通店」の旧店舗。
何とヘッドスパサロンに生まれ変わっています!
このお店は仙台を拠点とする「極上ドライヘッドスパ専門店 そら~宙~」のあおば通駅店で、2021年7月1日にオープンしたそうな。
あおば通駅店はLiViT(JR東日本東北総合サービス㈱)がフランチャイジーとして営業しています。
営業時間は10:00~21:00(最終受付19:30)で不定休です。



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コンコースから延びる「東西地下自由通路」。
その脇にはJR東日本の旅行商品等のパンフレットが並びます。



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こちらは「AOBA st MEDIA」と書かれたパンフレットスタンド。
「st」は「station」の略で、JR東日本が一般企業向けに広告枠を貸しているのでしょう。


205系3100番台 宮城野運輸区
あおば通駅a29

長くなったので今回はここまで。


※写真は全て2022年5月4日撮影
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最終更新日 : 2022-05-10

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