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2022-02-22 (Tue) 22:54

交通資料館に出現!札幌市営地下鉄南北線の除雪基地

札幌市交通資料館の除雪基地a01

交通資料館は市営地下鉄南北線の高架下にあるのですが、その敷地は公道によって分断されており、住所も南区真駒内東町1丁目の1番地、2番地、3番地に分かれています。
このうち自衛隊前駅に最も近い1番地の構内は屋内展示室が置かれた区域。
2017年10月1日を以って長期休館に入ってからは、展示室がリニューアルの対象となったため取り壊されています。
かれこれ5年近く休館が続く交通資料館ですが、1番地の敷地については本来とは異なる用途に活用されています。


JR北海道 国鉄 札幌市交通局 札幌市営地下鉄南北線 博物館 札幌市交通資料館
札幌市交通資料館の除雪基地a02
札幌市営地下鉄 保線区
札幌市交通資料館の除雪基地a03

冬場は構内にプレハブ小屋が建ち、作業車がズラリと並びます。
プレハブ小屋の脇には仮設トイレも置かれていますね。
これは一体何かと言うと、札幌市交通局が設置した除雪基地なんですね。



札幌市交通資料館の除雪基地a05

この除雪基地は札幌市営地下鉄南北線の地上区間、すなわち平岸~真駒内間(4.5km/平岸駅は地下)の高架線における除雪作業を担っているのです。
さて、南北線の地上区間は全面的にシェルターで覆われていますから、除雪作業は必要ないんじゃないか・・・と思う方もいらっしゃるでしょうね。
確かにゴムタイヤ地下鉄の走行路面は、シェルターのおかげで積雪に悩まされる事はまるっきりありません。
しかしシェルターの外側には雪が積もります。
シェルター上の積雪を放置すると沿線の民家や道路に落雪するリスクがありますし、シェルターが雪の重みに耐えられなくなる可能性も無いとは言い切れません。
そこで写真の高所作業車を何台も配備し、作業員がバケットに乗り込んでシェルターの雪下ろしをするんですね。





Youtubeを漁ってみたら、南北線の除雪作業を撮影した動画が見つかりました。
バケットに乗った作業員は柄の長いブラシを持ち、シェルターの雪をはたき落としていきます。
なお、この除雪作業をしているのは交通局の職員ではなく、請負業者の㈱東洋建物興業に勤務する従業員です。
東洋建物興業は札幌を地盤とする総合ビルメンテナンス会社・㈱東洋実業の子会社で、主に札幌近郊の官公庁から清掃・設備管理・警備などを受注しています。
地下鉄シェルターの除雪については、札幌市交通局高速電車部施設課土木係の監督を受け実施しているそうです。
ちなみに札幌市交通局に「保線区」は存在せず、「土木係」が一般的な鉄道事業者の保線区に相当する業務を担当しています。



札幌市交通資料館の除雪基地a04

交通資料館の門扉付近には「地下鉄施設保守作業出入口につき駐車禁止」との注意書きが出ています。
この注意書きに描かれたキャラクターのヘルメットには、STマークが制定される前に使われていた札幌市交通局の徽章が付いています。
デフォルメした北海道の図柄に、札幌のイニシャル「S」を冠したデザインですね。
この事から交通資料館の敷地を除雪基地として活用するのは、同館の長期休館中に始まった話ではないと分かります。
昭和の頃から資料館を閉鎖する冬場に除雪基地を設け、土地の有効活用をしてきたのでしょう。
もしかすると交通資料館の開館前(1975年5月以前)から、この一角は除雪基地として使われていたのかも?
当時をご存知の方がいらっしゃれば情報をいただけると幸いです。




※写真は全て2022年2月20日撮影
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最終更新日 : 2022-02-22

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