タタールのくにびき -蝦夷前鉄道趣味日誌-

現在、札学鉄研OB会ブログから筆者投稿の記事を移転中です

Top Page › 東北 › 弘前駅の駅弁 多彩な郷土料理が詰まった「津軽の玉手箱」
2021-12-18 (Sat) 14:16

弘前駅の駅弁 多彩な郷土料理が詰まった「津軽の玉手箱」

弘前駅アプリーズad01

青森県は中南地域、弘前市表町にあるJR東日本の弘前(ひろさき)駅。
奥羽本線を所属線とし、五能線が乗り入れています。
津軽家を藩主とする弘前藩の城下町として栄えた弘前の代表駅です。
現駅舎は2004年12月12日にオープンした4代目で、ガラス張りの開放的なエントランスホールを設けています。
北側の駅ビル「アプリーズ」は国鉄末期の1982年4月23日に開業した物で、2011年4月からはJR東日本の子会社である㈱JR東日本青森商業開発が管理・運営を担当。
年末年始を除き毎日10:00~20:00の営業で、津軽生まれの洋菓子店「ラグノオ」の直営ショップ「ラグノオアプリ」、地元弘前の老舗菓子店「しかないせんべい」、Can Do弘前駅ビル店、ニチイ学館弘前教室などが入居しています。


JR東日本 国鉄 弘南鉄道 駅弁 津軽弁 奥羽本線 五能線 JR貨物
弘前駅の駅弁売場ad02

4代目駅舎2階の改札口前(あずましろ~ど)には津軽のお弁当、略して「津軽弁」を販売するコーナーがあります。
ここでは弘前観光コンベンション協会が2010年から、津軽地方の郷土料理を駅弁として販売する事によって、観光振興や地場食材の活用に取り組んできました。
略称の「津軽弁」は方言の津軽弁と意図的に掛けたネーミングで、消費者に対する印象付けを狙ったものだと言います。
そして重要なのは「津軽弁」が旅行者のみならず、地域住民をもターゲットにしているという事。
「地域内外の方にも支持される美味しいお弁当」をコンセプトの一つに掲げ、旅行者なら津軽料理の魅力を知り、地元住民ならその魅力を再認識する駅弁を目指しています。



弘前駅の駅弁売場ad03

2021年現在、「津軽弁」の製造は以下の5社が受託しています。

①㈱あきたや
②㈱グッドスタッフ 御食事処ぐっど
③まみーくっく
④㈱AKU
⑤つがる惣菜

1社目の㈱あきたやは弘前市茂森町で総合宴会場「サンパレス秋田屋」を営み、仕出し料理、おせち等も手がける会社です。
観光バスへの弁当の積み込みにも対応しています。
「津軽弁」の販売は電話注文で受け付けています。

2社目の㈱グッドスタッフは地元企業・・・と思いきや、何と熊本県熊本市に本社を構えています。
同社は全国各地で飲食業のアウトソーシングやビルメンテナンス等を展開。
東京営業本部長の岩田勝也さんが北津軽郡中泊町のご出身だといい、「食で地元に恩返ししたい」との思いから2020年8月18日、ウェルネスセンターしゃりき温泉に「御食事処ぐっど」を出店しました。
そして「津軽弁」の製造にも参入したという訳です。
「津軽弁」の販売は電話注文で受け付けています。

3社目の「まみーくっく」は弘前駅から東に約2km、弘前市早稲田1丁目にある惣菜店です。
「津軽弁」は弘前駅改札口前の販売コーナーで取り扱っています。

4社目の㈱AKUは弘前市宮川3丁目で「寿司割烹 味新」を運営する会社です。
「津軽弁」は弘前駅改札口前の販売コーナー、「寿司割烹 味新」の2ヶ所で取り扱っています。
中には「味新」に行かなければ買えない「津軽弁」もあるので要注意です。

5社目の「つがる惣菜」は五所川原駅から徒歩11分、五所川原市一ツ谷にある弁当店です。
同店は通常の店頭販売に加え、五所川原市役所の職員を対象とした専用弁当も手がけています。
「津軽弁」は自店で販売しています。



津軽の玉手箱(津軽の駅弁)a01

弘前駅の販売コーナーを眺めていると、豊富なレパートリーに目移りしてしまいます。
売り場を切り盛りするのは津軽振興会の奥さん達で、津軽訛りの接客が味わい深いですね。
「津軽応援弁当」という奥さん達の手作り弁当までありましたが、今回は「津軽弁」の中から一つを選択。
弘前の惣菜店「まみーくっく」による「津軽の玉手箱」です。
カラフルな包装紙が目を引きます。



津軽の玉手箱(津軽の駅弁)a02

包装紙を外すと「おしながき」が露になりました。



津軽の玉手箱(津軽の駅弁)a03

津軽の玉手箱(津軽の駅弁)a04

蓋を開けるとこれまたバラエティ豊か。
包装紙の如く四角形に料理を並べた様が愉快ですね。



津軽の玉手箱(津軽の駅弁)a05

内容が分かり易いように「おしながき」と並べてみます。
真ん中に4種類のご飯を集めており、しそ巻きあんずゆかりご飯、ゴマご飯、ホタテ玉子みそご飯、紅生姜の甘口いなり風・・・と異なる味を楽しめます。
しそ巻きあんずは噛めば噛むほど甘味が出て、ゆかりご飯の酸味と絶妙にマッチします。
ゴマご飯はその甘さに何処か団子を食べているような、むしろ歯で餅つきをしてゴマ団子に仕上げていくかのような感覚を覚えます。
ホタテ玉子みそご飯は津軽料理の中でも特に有名な「貝焼き味噌」をご飯に混ぜた代物。
ピンクのいなり寿司は津軽地方における「ハレの日の料理」で、砂糖が高価だった時代にお客さんを喜ばそうと、砂糖を多めに入れて甘く仕上げたのが現在まで受け継がれています。
だけど砂糖を多く使っただけでは甘ったるいので、紅生姜を加えて爽快感を演出しているのが何とも心憎いですね。

おかずはいかメンチ、長もやし炒め、椎茸のにんにくみそ焼、赤かぶ漬、嶽きみとホタテかき揚、長いも煮、茄子しそ巻、だし巻き玉子の計8種類。
いかメンチはイカゲソを叩いてミンチにし、タマネギや人参などと練りこみ、小麦粉をまぶして揚げた言わば「イカのメンチカツ」です。
終戦直後の食糧難の時代に考案されたというイカメンチですが、実は道内でも函館や森町、小樽など一部地域で食べられています。
椎茸のにんにくみそ焼はニンニクの辛味がガツンと効き、甘く味付けされたご飯4種とのギャップがたまりません。
かき揚げに使われている「嶽きみ(だけきみ)」とは、弘前市内の嶽高原で栽培されているトウモロコシの事。
「きみ」は津軽弁でトウモロコシを意味する言葉です。
ご飯とおかず、合わせて12種類もの味覚が詰まった、まさしく「玉手箱」と呼ぶに相応しい弁当でした。



弘前駅の駅弁売場ad04

ちなみに弁当売り場の近くには・・・



弘前駅の駅弁売場ad05

巨大な林檎のオブジェが鎮座しています。




食後は巨大林檎を眺めながら、ウッディ・ハーマン(Woody Herman)の「Monterey Apple Tree」(原題:Apple Honey)を聴いて過ごしました。
林檎に因んだ選曲。


※写真は全て2021年12月4日撮影
スポンサーサイト



最終更新日 : 2021-12-18

Comment







管理者にだけ表示を許可