私が所属する札幌学院大学鉄道研究会OB会では、秋田内陸縦貫鉄道の協力を得て2021年12月4日に阿仁合車両基地・運転指令室見学会、翌5日に秋田内陸線全区間の貸切列車乗車会を開催しました。
その模様は近いうちに当ブログでも書き連ねていこうと思います。
私は4日、朝一番の北海道新幹線で津軽海峡を越えてから、青森保線技術センター(旧:青森保線区)、弘前保線技術センター(旧:弘前保線区)を見ようと途中下車を重ねました。
青森市街には1時間ほど滞在し、保線技術センターに加えて東北工事事務所青森工事区と青い森鉄道本社ビルなどを撮影。
それから9:04始発の特急つがる2号(秋田行き)に乗車し、弘前駅に向かいました。
車掌は弘前駅東側に所在するつがる運輸区の所属で、国鉄時代から勤め上げるベテランの男性車掌、若い女性車掌の2人1組で乗務していました。
ただしJR東日本は2020年4月1日の職制改正で車掌職(主務車掌・主任車掌・車掌)と運転士職(主務運転士・主任運転士・運転士)を統合し、地上勤務と同じ4段階の乗務主務・乗務主任・乗務指導係・乗務係に改称しているため、実際の身分はベテラン車掌が「乗務主任(車掌担当)」、女性車掌が「乗務係(車掌担当)」だと思われます。
女性車掌は専ら車内改札に当たる「補助車掌」のポジションで、ベテラン車掌が「本務車掌」としてドア操作と列車監視、車内放送に当たっていました。
白髪の坊主頭に老眼鏡というルックスとは裏腹に、ベテラン車掌が流暢な英語の肉声放送を披露したので思わず舌を巻きました。
JR北海道では車掌が英語放送を肉声でかける事はまず無いので新鮮ですね。
JR東日本 国鉄 奥羽本線 E751系 車掌 乗務員交代 車両基地 つがる運輸区
9:38、弘前駅に到着。
ホーム後方では2人の交代要員が待ち構えており、客用ドアが開くとすぐさま引継ぎを行ないます。
互いに敬礼を交わしつつ引継ぎ事項の伝達・確認を実施。
この風景を眺めた後、ラッチ外に出ました。
弘前駅の待合室には「津軽ラウンジ」という愛称が付いており、津軽地方の観光情報をPRする拠点施設を兼ねています。
その一角には津軽の工芸品を並べた展示スペースもあり、黒石市の工芸品店「阿保こけしや」が手がけたこけしを飾っています。
阿保こけしやの「阿保」は同店を営むこけし職人、阿保六知秀(あぼ・むちひで)さんの姓を取っています。
阿保姓は津軽に多く見られる苗字で、青森駅が1983年に発行した記念誌『ものがたり青森駅史』にも、寄稿した駅員OB達の中に「阿保正明さん」が見られますね。
阿保こけしやの作るこけしは、黒石市内の温湯温泉(ぬるゆおんせん)に伝わる「温湯こけし」に分類されます。
温湯こけしは「津軽系こけしの発祥」と言われており、大正時代初期に盛秀太郎(もり・ひでたろう)がこけしを作り始めた事に端を発します。
日本を代表する版画家・棟方志功(むなかた・しこう)も、盛氏のこけしを「この国一番のこけしだ」と大いに賞賛しました。
阿保六知秀さんは盛氏の弟子・佐藤善二に師事し、こけし作りを学びました。
つまり盛秀太郎の孫弟子という訳です。
六知秀さんは12年間に渡る修行の末、1978年に「阿保こけしや」を開業。
伝統的な温湯こけしを作る一方、新たな風を吹き込んだ「創作こけし」にも挑戦してきました。
津軽ラウンジで展示している「冬のこけし」も創作こけしの一種です。
インタビューで「こけしは四頭身のバランスが良い」と仰った六知秀さんですが、冬のこけしは敢えて二頭身に仕上げています。
こうした形式に捉われ過ぎない柔軟さも阿保こけしやの魅力でしょう。
鉄道グッズ こけし 駅員 制服 乗務員 車掌 運転士
鉄道グッズ こけし 駅員 制服 乗務員 車掌 運転士
津軽ラウンジには面白い事に、JR東日本の制服を身に纏ったこけしも飾ってあります。
題して「JR東日本社員のこけし」。
2020年5月の制服リニューアルを記念して、特別に制作したこけしです。
男性用制服と女性用制服の2体があり、特徴的な襟の青帯やワッペン、JRマークの襟章を細かく再現しています。
こんな鉄道系のこけしが増えればさぞかし楽しいだろうなあ・・・。
というか駅のお土産として販売すれば人気が出そう。
JR東日本 国鉄 奥羽本線 E751系 車掌 乗務員交代
こちらが実際の3代目制服。
2代目制服では制帽・ジャケットに付く飾り帯を男性用は金色、女性用は銀色に分けていましたが、現行では性別による色の違いを無くしています。
しかもLGBTやジェンダーレスに配慮して希望すれば男性社員でも女性用、女性社員でも男性用を着用できるようになりました。
今回の旅では官帽(男性用制帽)を着用した女性運転士も見られましたね。
※写真は全て2021年12月4日撮影
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最終更新日 : 2021-12-12