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2021-11-03 (Wed) 13:10

函館本線岩見沢駅[15] 南西の保線機械基地と岩見沢操車場跡

岩見沢駅a999

引き続き空知管内は岩見沢市有明町南にある、JR北海道の岩見沢(いわみざわ)駅を取り上げましょう。
第1回~第3回の記事では「鉄道の町・岩見沢」の象徴と言える岩見沢駅の大まかな歴史を、附属施設である岩見沢操車場と共に解説。
第4回からは複合駅舎(4代目駅舎)を眺め、合築の市営施設「有明交流プラザ」も紹介しました。
第8回からはラッチ内へと足を踏み入れ、3面あるプラットホームを全て観察。
第13回・第14回では「岩見沢駅本屋信号扱所」をはじめ駅構内西側に現存する国鉄時代の建築群と、構内から少しはみ出た「岩見沢電話交換所」(旧:札幌情報区岩見沢派出所)を紹介しました。
今回はいよいよ最終回、駅南西の様子を見ていきましょう。


JR北海道 国鉄 JR貨物 車両基地 岩見沢保線所 北海道軌道施設工業㈱岩見沢機械センター
岩見沢保線機械基地a01

岩見沢複合駅舎から南西に約866mの岩見沢市2条西15丁目。
住宅街に面するコンクリート造りの保守用車庫があります。


JR北海道 国鉄 岩見沢保線管理室 保守用車 軌道モーターカー 排雪モーターカー
岩見沢保線機械基地a09

この車庫は軌道モーターカーの格納に使われており、その手前にはモーターカーのアタッチメント(連結器・ラッセル等)や資材庫代わりのコンテナが置かれています。


JR北海道 国鉄 岩見沢保線所 車両基地 保守用車
岩見沢保線機械基地a02

モーターカー庫のすぐ南西、岩見沢市2条西16丁目の区画にも保守用車庫が建っています。
この一帯は岩見沢保線所の保線機械基地です。



岩見沢保線機械基地a03

こちらの保守用車は外壁にトタン板を張っています。


岩見沢レールセンター 超音波レール探傷車 HI-RIC
岩見沢保線機械基地a14

窓からチラリと見える保守用車の側面には「TOKYO KEIKI」のロゴ。
紫と白のカラーリングも視認できます。


岩見沢レールセンター 超音波レール探傷車 HI-RIC
岩見沢レールセンターのレール探傷車pdf01
東京計器レールテクノ株式会社(2016)

その正体は岩見沢レールセンターが2016年10月に導入した、東京計器レールテクノ製の超音波探傷車「MS0238」です。
レール探傷車とは超音波を使い、走行しながらレールの欠陥を検測する保守用車のこと。
東京計器レールテクノ㈱は1965年、国鉄に東海道新幹線用として第1号を納入して以来、累計27両のレール探傷車を量産してきました。

岩見沢レールセンターのMS0238には「HI-RIC」という愛称が付いており、これは「Hokkaido Iwamizawa Rail Inspection Car」を略したものです。
車体には同年3月26日に開業した北海道新幹線と同様の塗装を施しています。
機能は前方の状況を映し出す「画像鮮明化装置付き高感度カメラ」、レールの問題箇所に素早く塗料を付ける「マーキングガン」、レールの傷や磨耗が発生した位置情報を特定する「データ・デポ車上子」、レール頭頂部の磨耗を検測する「波状磨耗検出装置」などを装備。
全道の在来線を巡って鉄道の安全を守ると共に、乗り心地の良い線路を維持するというサービス面にも貢献しています。



岩見沢保線機械基地a05

岩見沢保線機械基地a04

レール探傷車庫から更に南西、岩見沢市3条西17丁目の区画にも2棟の保守用車があります。
同じ保線機械基地の構内で2回も住所を跨ぐというのが面白いですね。


MTT車庫 マルタイ
岩見沢保線機械基地a07

手前の車庫には北海道軌道施設工業㈱のマルチプルタイタンパーが納まっています。



岩見沢保線機械基地a06

道路脇の留置線に置かれた第二種車止め。
マルタイ車庫付近で線路は行き止まりとなっています。



岩見沢保線機械基地a08

構内に留置されていたレール運搬用のトロ。
このような床の低いトロッコを保線関係では「トロ」と呼びます。
人力で載線・離線が出来る事から、様々な保線の現場でトロが使われています。



岩見沢保線機械基地a13

保線機械基地から230mほど複合駅舎寄り、岩見沢市1条西13丁目にはJR北海道の子会社・北海道軌道施設工業㈱の社屋が建っています。
北海道軌道施設工業は国鉄の協力会社として1949年3月1日に設立された会社で、国鉄時代からの慣習でJR関係者からは「軌道会社」と呼ばれています。


北海道軌道施設工業㈱岩見沢出張所 北海道軌道施設工業㈱岩見沢レールセンター 軌道会社
岩見沢保線機械基地a12

この建物は車庫のある南側が2階建て、事務所が入居する北側が3階建てという変則的な構造です。


北海道軌道施設工業㈱岩見沢出張所 北海道軌道施設工業㈱岩見沢レールセンター 軌道会社
岩見沢保線機械基地a11

ここは北海道軌道施設工業㈱札幌支店に属する現業部門、岩見沢出張所と岩見沢機械センターの2部門が使用している事業所です。
どちらも岩見沢保線所の担当区域内(函館本線夕張川橋梁~滝川間・室蘭本線志文~岩見沢間・根室本線滝川~落合間)における軌道補修工事を受注しています。

岩見沢出張所は軌道会社の「軌道部門」に分類される現業部門で、2016年4月1日を以って廃止された札建工業㈱岩見沢営業所の軌道工事業務を継承するかたちで発足しました。
これはJR北海道がグループ全体の経営基盤の強化を図るべく、一定の業務分野はなるべく一つのグループ会社に統合するという施策の一環だったそうです。
2017年2月1日には釧路支社管内で業務委託駅の営業などをしてきたジェイ・アール道東トラベルサービス㈱が、道央圏で同様の業務を営む㈱北海道ジェイ・アール・サービスネットに吸収合併されましたが、これも「一定業務一社化」の一環だったという訳ですね。

岩見沢出張所には所長を筆頭に正社員の軌道技術員(工事総括主任・工事技術主任・工事技術係・工事係など)、日給月給制の軌道工が勤務。
夜間に実施する定期的な軌道補修工事、レール・マクラギ・バラストなど軌道材料の更換工事といった大掛かりな保線作業を担っています。



岩見沢保線機械基地a10

一方、岩見沢機械センターは軌道会社の「機械部門」に分類される部門です。
1998年4月1日、JR北海道の保線機械業務外注化に伴い発足しました。
当時、JR北海道は全道各線区の保線機械業務を一斉に外注化しており、札幌支店エリアでは他にも札幌機械センター、小樽機械センター(廃止済み)、追分機械センター、苫小牧機械センター、室蘭機械センターが発足しています。
所長を筆頭に機械技術員(機械総括主任・機械技術主任・機械技術係・機械係など)が勤務。
機械技術主任・機械技術係・機械係の3職名については、親会社の設備所に勤務する機械設備担当と被りますね。
実際は国鉄末期の保線区に勤務した重機保線長・重機副保線長・重機保線係に相当し、マルタイ・レール削正車の運転による軌道補修、排雪モーターカーの運転による機械除雪に当たっています。



岩見沢保線機械基地a15

さて、保線機械基地をGoogleマップで見ると、モーターカー庫の位置に「岩見沢操車場跡」と表示されています。
しかし実は微妙に間違っており、この辺りはギリギリ「本屋構内」の範疇だったんですね。
国鉄時代はモーターカー線、市場青果岐線、石炭荒荷線が敷かれており、これら線路を転用したのが現在の保線機械基地なのです。


岩見沢操車場跡a06

実際の岩見沢操車場跡は更に南西に広がる広大な更地と、「室蘭本線跡地緑地」として整備された遊歩道の一帯です。
その中には岩見沢第二機関区(末期は空知運転所)の跡地もあります。



岩見沢操車場跡a02

岩見沢操車場跡a03

住宅地の北に広がるヤードの跡地。
古い木マクラギの柵に往時の面影を残しています。


《ブログ内関連記事リンク》
函館本線岩見沢駅[15] 南西の保線機械基地と岩見沢操車場跡


※写真は全て2020年11月24日撮影
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最終更新日 : 2021-11-03

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