引き続き空知管内は岩見沢市有明町南にある、JR北海道の岩見沢(いわみざわ)駅を取り上げましょう。
第1回~第3回の記事では「鉄道の町・岩見沢」の象徴と言える岩見沢駅の大まかな歴史を解説。
第4回からは複合駅舎(4代目駅舎)を眺め、合築の市営施設「有明交流プラザ」も紹介しました。
そして第8回でホームへと足を踏み入れ、国鉄時代に本屋構内の運転取扱業務を統括した中央運転事務室の痕跡も見ました。
今回もプラットホームの様子を見ていきましょう。
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 鉄道の町 室蘭本線 函館本線 幌内線 万字線 車両基地
前回は第二ホーム(3・4番線)に残る出発指示合図器を取り上げましたが、実は4番線上り2・3両停止位置目標の柱には・・・
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 鉄道の町 出発指示合図器 5番線 岩見沢駅構内
・・・ホームに接しない5番線の出発合図器が付いています。
旅客ホームの出発指示合図器とは違い、運転士に対しブザーを鳴らして出発合図を送る設備ですね。
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 鉄道の町 室蘭本線 函館本線 幌内線 万字線 車両基地
5番線は第二ホームの4番線と、第三ホームの6番線に挟まれた副本線です。
ごく稀に回送列車の留置に使用される事があります。
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 鉄道の町 第三ホーム 6番線 7番線 岩見沢駅構内
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 鉄道の町 第三ホーム 6番線 7番線 岩見沢駅構内
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 鉄道の町 第三ホーム 6番線 7番線 岩見沢駅構内
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 鉄道の町 第三ホーム 6番線 7番線 岩見沢駅構内
続いて第三ホーム(6・7番線)を見ていきましょう。
こちらは20m車10両が収まる程度の長さで、6番線は主に下り特急(旭川・網走・稚内方面)、7番線は上下普通列車(上りは折り返し列車のみ)が発着します。
第二ホームの旅客上屋には古レールが支柱としてふんだんに使われていますが、第三ホームの上屋は全て近代的な鉄骨となっています。
JR北海道 国鉄 JR貨物 待合室 岩見沢運転所 岩見沢第一機関区 車両基地
JR北海道 国鉄 JR貨物 待合室 鉄道の町 第三ホーム 6番線 7番線 岩見沢駅構内
ホーム中間の待合室。
第二ホームと同様のガラス張りです。
JR北海道 国鉄 JR貨物 運転取扱業務 列車扱い 立ち番 出発指示合図器 6番線 岩見沢駅構内
待合室の東側には6番線用の出発指示合図器が残っています。
第二ホームの物と同じランプ仕様です。
JR北海道 国鉄 JR貨物 運転取扱業務 列車扱い 立ち番 出発指示合図器 6番線 岩見沢駅構内
ただしスイッチは第二ホームに比べるとシンプルな作りで、上下線共通の指示合図ボタンを1つ設けているだけ。
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 鉄道の町 出発指示合図器 6番線 岩見沢駅構内
出発指示合図器のランプは、待合室を挟んで西側にも設置されています。
こちら側はランプとスイッチが別々の柱に付いており、スイッチの方が待合室により近いですね。
JR北海道 国鉄 JR貨物 運転取扱業務 列車扱い 立ち番 出発指示合図器 7番線 岩見沢駅構内
7番線の出発指示合図器もランプとスイッチが別々の柱に付いており、しかもこちらはランプが西側の1ヶ所にしかありません。
JR北海道 国鉄 JR貨物 運転取扱業務 列車扱い 立ち番 出発指示合図器 7番線 岩見沢駅構内
おまけにランプの表記はすっかり掠れ、「出発指示」の4文字が原型を留めていません。
JR北海道 国鉄 JR貨物 運転取扱業務 列車扱い 立ち番 出発指示合図器 7番線 岩見沢駅構内
7番線用出発指示合図器のスイッチは跨線橋手前の柱にあります。
JR北海道 国鉄 JR貨物 運転取扱業務 列車扱い 立ち番 出発指示合図器 7番線 岩見沢駅構内
6番線と同様、ボタン1つだけの出発指示合図器。
第三ホームでも連結作業を行なうため、パトランプ付きの作業中スイッチも設置されています。
こちらは6番線の作業中スイッチ。
こちらは7番線の作業中スイッチです。
岩見沢運転所 岩見沢第一機関区 岩見沢機関区 JR北海道 国鉄 車両基地
駅裏の有明町中央には岩見沢運転所が所在し、第三ホームの真向かいに気動車用の車庫が建っています。
7番線と車庫の間には5本の側線が敷かれ、主に交流電車の留置に使われています。
これら側線も含めて岩見沢運転所構内と見なす鉄道ファンが多く見受けられますが、正しくは5本とも岩見沢駅構内に属します。
岩見沢駅の本屋構内における構内配線略図
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岩見沢駅90年史編さん委員会(1972)『岩見沢駅90年史』(岩見沢駅長 竹田小太郎)p.49より引用
国鉄時代の岩見沢駅配線略図を見ると、5本の側線は7番線に近い順に8番線、9番線、10番線、11番線、12番線と割り振っています。
当時の岩見沢駅では岩見沢操車場と区別するため、駅本屋のある構内北東を「本屋構内」と称しており、1~12の各番線も「本屋」の2文字を冠していました。
この配線略図では岩見沢駅に属する線路を実線で示す一方、駅構内に該当しない線路を破線で示しています。
つまり本屋12番線に隣接する機関車庫や転車台の辺りが岩見沢第一機関区、飛び地的に存在する修繕2~4番線が岩見沢客貨車区の線路という訳です。
岩見沢運転所 岩見沢第一機関区 岩見沢機関区 JR北海道 国鉄 車両基地
そして岩見沢第一機関区と岩見沢客貨車区を統合し、国鉄末期の1986年11月1日に発足したのが岩見沢運転所(当初は岩見沢運転区)。
当然ながら運転所は第一機関区と客貨車区の施設を継承しているため、車庫の手前の12番線までが岩見沢駅構内、車庫から北側が岩見沢運転所構内となります。
岩見沢駅本屋信号扱所 岩見沢駅継電室 信号設備 出発信号機 入換信号機 運転取扱業務
信号設備 出発信号機 入換信号機 運転取扱業務
入換信号機が12番まで生きている様子からも、5本の側線が今なお岩見沢駅に属する施設である事は明白です。
このビル内の「継電室」に第一種継電連動装置を設け、概ね20~30名の信号掛(国鉄末期は輸送管理係・運転係)を配置していた訳ですが、現在は複合駅舎1階の輸送本部(4代目)に連動装置を移設しています。
本屋信号扱所について詳しくは追い追い書き連ねていきましょう。
連結時に使う作業中スイッチも、側線用の物が第三ホームの7番線側に設置されています。
こちらは跨線橋前の8番線用。
7番線用と同じ柱にパトランプを設置しているため、柱の前後に個別の作業中スイッチを設けています。
第三ホーム西側には9番線・10番線用の作業中スイッチがあります。
こちらは柱の東面に2つのスイッチを並べていますね。
なお、11番線・12番線用の作業中スイッチはホーム上に存在しません。
長くなったので今回はここまで。
《ブログ内関連記事リンク》
函館本線岩見沢駅[11] 意外と分かりにくい?岩見沢運転所との境界線
※写真は全て2020年11月24日撮影
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最終更新日 : 2021-11-03