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2021-10-09 (Sat) 20:37

函館本線岩見沢駅[10] 出発指示合図器を取り扱った中央運転事務室

岩見沢駅a701

引き続き空知管内は岩見沢市有明町南にある、JR北海道の岩見沢(いわみざわ)駅を取り上げましょう。
第1回~第3回の記事では「鉄道の町・岩見沢」の象徴と言える岩見沢駅の大まかな歴史を解説。
第4回からは複合駅舎(4代目駅舎)を眺め、合築の市営施設「有明交流プラザ」も紹介しました。
そして第8回でホームへと足を踏み入れました。
今回もプラットホームの様子を見ていきましょう。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 鉄道の町 岩見沢駅構内 岩見沢駅3番線
岩見沢駅a704

第二ホーム(3・4番線)の跨線橋右脇には、転落防止柵を付けた通路があります。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 鉄道の町 岩見沢駅構内 岩見沢駅3番線
岩見沢駅a705
JR北海道 国鉄 JR貨物 鉄道の町 岩見沢駅構内 岩見沢駅3番線 キハ40系 ヨンマル
岩見沢駅a703

この通路はエレベーターと乗り場を連絡するもので、他人とすれ違うのもやっとの細さです。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 鉄道の町 岩見沢駅構内 跨線橋
岩見沢駅a708
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 鉄道の町 岩見沢駅構内 跨線橋
岩見沢駅a709

跨線橋のエレベーターは分割民営化後に増設されました。
第二ホームのエレベーターホールは跨線橋脇の連絡通路、ホーム東側の2ヶ所に出入口を設けています。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢駅構内 岩見沢駅中央運転事務室 運転取扱業務 車両基地
岩見沢駅a724

エレベーターホールから80mほど東に歩くと、第二ホームの末端に到着。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢駅構内 岩見沢駅中央運転事務室 運転取扱業務 車両基地
岩見沢駅中央運転事務室a04
岩見沢駅輸送本部の支部的存在だった「岩見沢駅中央運転事務室」
撮影当時は岩見沢操車場の廃止後で、左奥には本屋構内に移転した輸送本部の3代目庁舎が見える
岩見沢駅100年史編さん委員会(1982)『岩見沢駅100年のあゆみ』(岩見沢駅長 佐藤英夫)p.46より引用

ここにはかつて、2階建ての岩見沢駅中央運転事務室がありました。
往時の岩見沢駅構内は北日本随一と呼ばれるほどに広大で、操車場内にある輸送本部だけで各詰所の運転取扱業務を統括するには無理がありました。
そこで輸送本部に代わり、本屋構内の運転取扱業務を統括する部門として中央運転事務室を設けたという訳です。
言わば輸送本部の支部みたいなものですね。
中央運転事務室には輸送総括助役の代理的ポジションである輸送副総括助役が勤務し、その配下に指導助役、輸送助役、運転掛(国鉄末期の運転主任)、予備構内手などが置かれていたといいます。


JR北海道 国鉄 岩見沢駅中央運転事務室 運転取扱業務 輸送助役 運転掛 運転助役 駅員
岩見沢駅中央運転事務室a02
「岩見沢駅中央運転事務室」における輸送助役の執務風景
操車場の輸送本部に代わり、本屋構内の各詰所に作業指示・情報伝達を行なっていた
岩見沢駅80年史編さん委員会(1962)『岩見沢駅80年史』(岩見沢駅長 斎藤好男)p.40より引用

岩見沢駅輸送本部では輸送助役らが指令所、他駅、保線区などと連絡を取り合っていました。
そして操車場内の各詰所に対し作業指示・情報伝達をしたり、輸送障害に伴う運転整理(着発線の変更など)、乗務員に渡す運転通告券の発行、保線作業に伴う線路閉鎖手続きなどをこなしていたのです。
中央運転事務室も同様の業務を、本屋構内に関連したものに限り処理。
輸送助役らは2階の大窓から構内を監視しつつ机に向かい、電話で関係各所とやり取りを重ねて作業ダイヤを調整しました。


JR北海道 国鉄 岩見沢駅中央運転事務室 運転取扱業務 輸送助役 運転掛 運転助役 駅員 当務駅長
岩見沢駅中央運転事務室a03
中央運転事務室前でフライ旗を持ち、列車監視を行なう運転掛
事務室の玄関には気象告知板が置かれている
岩見沢駅90年史編さん委員会(1972)『岩見沢駅90年史』(岩見沢駅長 竹田小太郎)p.38より引用

プラットホームでの列車扱いも中央運転事務室の担当業務です。
予備助役や運転掛(国鉄末期の運転主任)が金線1本入りの赤帽を被り、フライ旗を携帯して立ち番に当たりました。

中央運転事務室が廃止された詳細な時期は不明。
少なくとも1990年代前半には建屋が解体されていたようです。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢駅構内 岩見沢駅中央運転事務室 運転取扱業務 車両基地
岩見沢駅a725

なお、中央運転事務室跡の手前をよく見ると・・・


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢駅構内 岩見沢駅中央運転事務室 運転取扱業務 車両基地
岩見沢駅a726

・・・ホームの床面にミステリーサークルを発見!
薩摩藩主・島津家の家紋に似た、十字を円で囲んだ図柄です。
よーく目を凝らすと十字の部分が薄っすら緑色がかっていますね。
この正体は労働安全衛生のシンボルである緑十字の路面標示
国鉄時代の有人駅では当たり前に見られた緑十字ですが、大抵は看板タイプだったので路面標示は珍しいように思います。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢駅構内 岩見沢駅中央運転事務室 運転取扱業務 車両基地
岩見沢駅a722

土台さえも綺麗さっぱり消滅した中央運転事務室。
その跡地には線路へと降りる階段が作られています。
この北側にはかつて岩見沢駅輸送本部の3代目庁舎が建っていました。
輸送本部は複合駅舎の第一期工事完了まで3代目庁舎に入居していたので、輸送職駅員(輸送主任・輸送助役・輸送係)が線路を横断してホームに上がれるように階段を新設したのでしょう。
何しろ旅客列車の連結作業をホームで行なう訳ですからね。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢駅構内 岩見沢駅中央運転事務室 運転取扱業務 車両基地岩見沢駅a723

階段の最下段には黄色い塗料の足跡マークが付いています。
これは駅員がホームから輸送本部に戻る際、一度立ち止まって線路上を見渡すよう喚起するための路面標示でしょう。
鉄道の現場では触車事故を防止するべく、様々に知恵を絞っています。


JR北海道 国鉄 岩見沢駅構内 岩見沢駅中央運転事務室 運転取扱業務 運転主任 列車扱い詰所
岩見沢駅a707
JR北海道 国鉄 岩見沢駅構内 岩見沢駅中央運転事務室 運転取扱業務 運転主任 列車扱い詰所
岩見沢駅a706

中央運転事務室の2階建て建築は見る影もありませんが、同部門に属する列車扱い担当の予備助役・運転掛(国鉄末期の運転主任)が使用した詰所は跨線橋下に残っています。


JR北海道 国鉄 出発指示合図器 列車扱い 立ち番 駅員 運転主任 輸送主任 運転掛 運転取扱業務
岩見沢駅a710

岩見沢駅構内には第一ホーム(1番線)を除き、列車扱い担当が使用した出発指示合図器が残っています。
こちらは第二ホーム4番線の跨線橋前に現存する出発指示合図器です。

当務駅長(列車扱い担当)は出発時刻になったら、出発信号機の進行現示(青信号)、旅客の乗降および小荷物の積卸が完了した事を確認し、問題なければ車掌に出発指示合図を送ります。
この合図を受けて車掌が閉扉操作を行ない、ドアが閉まった後に車側灯の滅灯を確認してから運転士に対し出発合図を送るという訳です。


JR北海道 国鉄 出発指示合図器 列車扱い 立ち番 駅員 運転主任 輸送主任 運転掛 運転取扱業務
岩見沢駅a711

岩見沢駅の出発指示合図器は「出発指示」の4文字を記したランプと、音声を流すスピーカーを組み合わせた物です。
これは札幌駅で2021年現在も使用されている物と同様のタイプで、当務駅長がボタンを押せばランプとスピーカーが連動します。
ボタンを押している間はランプが黄色く点灯し、同時にスピーカーから発車ベルが鳴り響きます。


JR北海道 国鉄 出発指示合図器 列車扱い 立ち番 駅員 運転主任 輸送主任 運転掛 運転取扱業務
岩見沢駅a712

古レールの柱に据え付けられた出発指示合図器のボタン。
「4#」は4番線用を意味します。


JR北海道 国鉄 出発指示合図器 列車扱い 立ち番 駅員 運転主任 輸送主任 運転掛 運転取扱業務
旭川駅輸送主任aa01
分割民営化後の旭川駅で今は無き781系の列車扱いに臨む輸送主任
1990年代初頭までは道内各地の主要駅でホームの立ち番が見られた
北海道旅客鉄道労働組合(1990)『JR北海道労組新聞』1990年4月1日付第4面より引用

今や道内在来線で常時列車扱いを実施しているのは札幌駅だけですが、JR北海道の発足後しばらくは各地の主要駅でも列車扱い業務を行なっていました。
それが駅業務執行体制の見直しを重ねるにつれて次第に減少し、1994年3月1日には支社所在地の釧路駅・旭川駅でも列車扱い業務を廃止しています。
岩見沢駅もその頃までに列車扱いを取り止めたようですが、臨時の列車扱いを想定しているのか出発指示合図器は撤去を免れました。


JR北海道 国鉄 出発指示合図器 列車扱い 立ち番 駅員 運転主任 輸送主任 運転掛 運転取扱業務
岩見沢駅a713

こちらは3番線跨線橋前の出発指示合図器。
4番線に比べてランプの腕金が太めです。


JR北海道 国鉄 出発指示合図器 列車扱い 立ち番 駅員 運転主任 輸送主任 運転掛 運転取扱業務
岩見沢駅a716

この出発指示合図器は連結作業用の作業中スイッチと一体化しています。
もちろん黄色いパトランプも古レールに装着。


JR北海道 国鉄 出発指示合図器 列車扱い 立ち番 駅員 運転主任 輸送主任 運転掛 運転取扱業務
岩見沢駅a714

反対側から眺めた様子。
作業中スイッチの配電線が出発指示合図器のランプを遮ってしまいました。


JR北海道 国鉄 出発指示合図器 列車扱い 立ち番 駅員 運転主任 輸送主任 運転掛 運転取扱業務
岩見沢駅a715

出発指示合図器には「3#上り出発」と「3#指合1」、2つのボタンがあります。
「3#上り出発」は当務駅長が回送列車の運転士に対し出発合図を送るボタンですね。
下の黒いボタンが車掌に対する出発指示合図のボタンです。


JR北海道 国鉄 出発指示合図器 列車扱い 立ち番 駅員 運転主任 輸送主任 運転掛 運転取扱業務
岩見沢駅a717

第二ホーム(3・4番線)の札幌寄りにも出発指示合図器が設置されています。
こちらは3・4番線ともにランプがありません。


JR北海道 国鉄 出発指示合図器 列車扱い 立ち番 駅員 運転主任 輸送主任 運転掛 運転取扱業務
岩見沢駅a718

ここも3番線用は作業中スイッチと合体しています。


JR北海道 国鉄 出発指示合図器 列車扱い 立ち番 駅員 運転主任 輸送主任 運転掛 運転取扱業務
岩見沢駅a719

跨線橋前の出発指示合図器と区別するため「3#指合2」と末尾の番号を変えています。


JR北海道 国鉄 出発指示合図器 列車扱い 立ち番 駅員 運転主任 輸送主任 運転掛 運転取扱業務
岩見沢駅a720

4番線も札幌寄りに2基目の出発指示合図器を設けています。
作業中スイッチとは別々の柱に付いています。


JR北海道 国鉄 出発指示合図器 列車扱い 立ち番 駅員 運転主任 輸送主任 運転掛 運転取扱業務
岩見沢駅a721

こちらは「4#指合2」との札を掲げています。
ちなみに各ホームの出発指示合図器は札幌市中央区の電気工事業者・丸隆電気工業㈱が設置工事を施しました。


長くなったので今回はここまで。


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函館本線岩見沢駅[10] 出発指示合図器を取り扱った中央運転事務室


※写真は特記を除き2020年11月24日撮影
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最終更新日 : 2021-11-03

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