引き続き空知管内は岩見沢市有明町南にある、JR北海道の岩見沢(いわみざわ)駅を取り上げましょう。
第1回~第3回の記事では「鉄道の町・岩見沢」の象徴と言える岩見沢駅の大まかな歴史を解説。
第4回からは複合駅舎(4代目駅舎)を眺め、合築の市営施設「有明交流プラザ」も紹介しております。
今回からはホーム側の様子を見ていきましょう。
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 室蘭本線 幌内線 万字線 岩見沢駅構内 跨線橋
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 室蘭本線 幌内線 万字線 岩見沢駅構内 跨線橋
複合駅舎3階の改札口と直結している跨線橋の内部。
国鉄時代から健在の、古レールと木材で組み立てた跨線橋です。
2000年12月10日に3代目駅舎を襲った火災では、幸いにもこの跨線橋が延焼を免れました。
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 室蘭本線 幌内線 万字線 岩見沢駅構内 跨線橋
骨格材として使われている古レール。
もちろん天井の梁も古レールです。
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 室蘭本線 幌内線 万字線 岩見沢駅構内 跨線橋
梁の中には北海道炭礦鉄道が1890年、ドイツのクルップ社に発注したレールが1本。
これは1949年に鉄道レールとしての役目を終え、岩見沢駅跨線橋の梁へと転用されました。
おかげでホワイトグレーに塗り潰されていた「KRUPP GERMANY 1890 HTT」の刻印がはっきりと読めますね。
ちなみにイワホは岩見沢市役所主導の観光振興ビジョン「いわみざわ駅まる。」の一環として、2013年9月4日に複合駅舎1階にオープンした観光情報センターです。
2018年3月25日には複合駅舎での営業を終了し、同年4月中旬を以ってナカノタナ市場(岩見沢市4条西2丁目)に移転オープンしました。
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 室蘭本線 幌内線 万字線 岩見沢駅構内 跨線橋
改札口から向かって右側にはガイドポールが一列に並んでいます。
ガイドポールは灰色のベルトパーテーションを張っており・・・
JR北海道 国鉄 JR貨物 車両基地 室蘭本線 幌内線 万字線 岩見沢駅構内 跨線橋
・・・先頭のポールには「入口専用」と大きく書いた案内札を掲げています。
ここは平日朝ラッシュ時(7:00~8:30)に使用される乗車専用レーンです。
朝ラッシュ時の岩見沢駅は美唄・奈井江方面や栗山方面からの通勤通学客と、岩見沢市内から江別・札幌方面または美唄方面に向かう通勤通学客で入り乱れます。
そのため跨線橋内で動線の整理を行ない、混雑緩和を図っているという訳ですね。
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 室蘭本線 幌内線 万字線 岩見沢駅構内 跨線橋
もちろん専用レーンの反対側には・・・
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 室蘭本線 幌内線 万字線 岩見沢駅構内 跨線橋
・・・「進入禁止」と大きく表示しています。
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 室蘭本線 幌内線 万字線 岩見沢駅構内 跨線橋
跨線橋内の左右には「出会い頭の衝突にご注意」「ホームや跨線橋は走らないで」など、乗客に対する注意書きを三角に折って貼り出しています。
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 岩見沢駅構内
岩見沢駅の跨線橋はエレベーター完備。
第一ホーム(1番線)、第二ホーム(3・4番線)、第三ホーム(6・7番線)と3面ものホームがあるので、エレベーターも3台を導入しています。
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 室蘭本線 幌内線 万字線 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎
跨線橋から複合駅舎を眺めた様子。
有明交流プラザの窓を大きく取っている反面、駅事務室の窓はかなり小さい上に少なめです。
跨線橋と改札口は自動ドアで区切られています。
その脇には第一ホーム(1番線)へと続く階段が。
第一ホームは室蘭本線の発着が多いので、階段の壁にも室蘭本線苫小牧~岩見沢間の利用促進を訴えるポスターを掲示しています。
このポスターは岩見沢商工会議所・岩見沢市・北海道商工会議所連合会の3者が制作した物で、栗山町内・由仁町内・安平町内の各駅にも貼り出しています。
モジャくん JR北海道
階段頭上には「JRをご利用いただきありがとうございます」とのメッセージも。
よく見るとステッカーではなく、極薄にスライスした板に塗装を施した物だと分かります。
すすけ具合とやや旧時代的なフォントを見るに、分割民営化からさほど歳月が経っていない頃に貼られたのでしょう。
モジャくん JR北海道
その左端には挙手敬礼をするモジャくんの姿。
岩見沢駅輸送本部 運転取扱業務 信号扱い 継電連動装置 操車 連結作業 駅員
跨線橋の階段を降りきった先には・・・
岩見沢駅輸送本部 運転取扱業務 信号扱い 継電連動装置 操車 連結作業 駅員
・・・第5回の記事で触れた岩見沢駅輸送本部(4代目)の勝手口があります。
こちらはドアに大きな窓が付いていますが、すぐ手前に衝立を置いているので室内の様子を窺い知る事は出来ません。
「関係者以外立入禁止」「改札口は左の階段をお上がり下さい」との注意書きも貼っています。
輸送職駅員(輸送主任・輸送指導係・輸送係)が操車・連結作業をしたり、転轍機の塗油作業をしたり、除雪作業員に混じって駅構内の人力除雪をする際は、この勝手口から出入りします。
岩見沢駅輸送本部 運転取扱業務 操車 連結作業 駅員 輸送主任 輸送指導係 輸送係
操車は隣接する岩見沢運転所の出入区や、駅構内留置線への回送に係るものが多め。
輸送職駅員は作業服と赤帯入りヘルメットを着用し、先頭の乗務員室に添乗して列車を誘導します。
保線作業に関連する操車業務もあり、主に夜間の線路閉鎖工事ではマルタイ等の保守用車に添乗し、冬場は排雪モーターカーにも添乗します。
一昔前までは運転士側のステップに上がり、風を浴びながら操車を行なうのが当たり前でしたが、昨今では転落事故防止の観点から車内やオープンデッキで行なうようになってきました。
ちなみにJR北海道ではヘルメットの帯(識別線)の色を職種別に色分けしています。
輸送職駅員(輸送主任・輸送指導係・輸送係)なら赤帯。
検修員(車両技術主任・車両技術係・車両係)なら黒帯。
電気係員(電気技術主任・電気技術係・電気係)なら緑帯。
保線係員・構検係員(施設技術主任・施設技術係・施設係)、建築係員(建築技術主任・建築技術係・建築係)、機械係員(機械技術主任・機械技術係・機械係)は何れも工務系統を表す青帯。
これら4色による識別を原則としています。
子会社の中にもJR北海道に準じた識別線の色を採用している所があり、例えば北海道軌道施設工業㈱ならJRの保線係員と同じ青帯、㈱ドウデンならJRの電気係員と同じ緑帯のヘルメットを被ります。
こちらは岩見沢駅長(岩見沢地区駅長)が出演する貴重な動画。
現場長(駅長・所長)のヘルメットには白帯1本を各系統の色帯2本で挟んだ識別線が付きます。
駅長なら白帯1本+赤帯2本、運転所長・運輸所長・運輸車両所長・工場長・車両所長なら白帯1本+黒帯2本、保線所長・新幹線工務所長・構造物検査センター所長・設備所長なら白帯1本+青帯2本、電気所長・電力所長・信号通信所長なら白帯1本+緑帯2本です。
なお、助役は副駅長・副所長・科長・総括助役・担当助役の別なく、白帯抜きの色帯2本となります。
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 室蘭本線 幌内線 万字線 岩見沢駅構内 跨線橋
第一ホーム跨線橋前の床面には出口として、エスカレーターと階段の2方向を案内するステッカーが貼られています。
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 室蘭本線 幌内線 万字線 岩見沢駅構内 跨線橋
輸送本部前から跨線橋の階段を見上げた様子。
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 室蘭本線 幌内線 万字線 岩見沢駅構内 プラットホーム
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 室蘭本線 幌内線 万字線 岩見沢駅構内 プラットホーム
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 室蘭本線 幌内線 万字線 岩見沢駅構内 プラットホーム
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 室蘭本線 幌内線 万字線 岩見沢駅構内 プラットホーム
第一ホームの様子。
岩見沢駅構内は単式ホーム1面1線、島式ホーム2面4線を組み合わせた3面5線の複合型です。
なお、2番線・5番線・8~12番線はホームに接しておらず、これらも含めると12本もの着発線を有する事となります。
第一ホームは1番線のみ使用の単式ホームで、20m8両が納まる程度の長さ。
3面の中では最も短いですね。
キハ40系350番台 苫小牧運転所 日高本線 日高色 キハ40形350番台
1番線に停車中のキハ40-353。
2015年に日高本線鵡川~様似間が高波被害で不通となってからは、室蘭本線や函館本線岩見沢~滝川間などの定期運用に回されていました。
長くなったので今回はここまで。
《ブログ内関連記事リンク》
函館本線岩見沢駅[8] ドイツ産古レールの梁と輸送本部の勝手口
※写真は全て2020年11月24日撮影
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最終更新日 : 2021-11-03