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2021-09-26 (Sun) 17:48

函館本線岩見沢駅[6] 古レールを展示する「有明交流プラザ」

岩見沢駅a302

引き続き空知管内は岩見沢市有明町南にある、JR北海道の岩見沢(いわみざわ)駅を取り上げましょう。
第1回~第3回の記事では「鉄道の町・岩見沢」の象徴と言える岩見沢駅の大まかな歴史を解説。
第4回・第5回の記事では複合駅舎1階の中央口から東口と、東口に隣接する南昇降棟の駐輪場を見ました。
今回は複合駅舎に入居する市営施設「有明交流プラザ」を見ていきましょう。
有明交流プラザは中央口コンコースから通路で繋がっていますが、複合駅舎の西口からも入館する事が出来ます。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 室蘭本線
岩見沢駅a303

西口の外壁には「岩見沢市有明交流プラザ」との切り文字看板を掲げています。
実質的には西口が有明交流プラザのメインエントランスと言えるでしょう。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 幌内線
岩見沢駅a304
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 
岩見沢駅a308

西口エントランスホールの様子。
2階に上がる階段があります。


JR北海道 国鉄 JR貨物 有明交流プラザ管理事務室 万字線
岩見沢駅a305

西口玄関前には有明交流プラザ管理室の窓口があります。
同プラザは指定管理者制度を適用しており、窓口業務と施設管理を(一財)岩見沢振興公社が受託しています。
なお、岩見沢市役所の担当部門は市民環境部市民サービス課です。


JR北海道 国鉄 JR貨物 有明交流プラザ管理事務室 管理室
岩見沢駅a306

管理室では2階にあるセンターホール、市民ギャラリーA・Bといったレンタルスペースの使用申込み手続きを受け付けています。
料金は2020年10月1日付で改訂しており、まる1日使用するとセンターホールで2,810円、市民ギャラリーAで2,300円、市民ギャラリーBで1,460円。
半日使用ならセンターホールで1,400円、市民ギャラリーAで1,150円、市民ギャラリーBで730円が必要です。


JR北海道 国鉄 JR貨物 有明交流プラザ管理事務室 管理室
岩見沢駅a307

管理室のカウンターはかなり低い位置に設置しています。
岩見沢市立図書館で借りた書籍も、こちらで返却する事が出来ます。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 
岩見沢駅a312
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢市観光協会
岩見沢駅a309

西口エントランスホールのホーム側にある(一社)岩見沢市観光協会の本部事務所。
ここでは観光案内と特産物の販売を手がけています。
営業時間は9:00~17:30で、毎年12月29日~1月3日を定休日としています。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢市観光協会
岩見沢駅a310

観光案内所の正面には白樺をあしらったショーケースを設けています。
このショーケースは岩見沢市栗沢町美流渡東町の「カンガルーファクトリー」がデザインしました。
カンガルーファクトリーは横浜から移住した大和田夫妻が営む「花のアトリエ」。
自宅ガーデンで収穫した植物や自然採取の花材を使い、ブーケ・花束・ブライダル装花などのフラワーアレンジメントを手がけています。
毎週金・土・日には予約制のワークショップを開いており、岩見沢産のワイン用葡萄の蔓を使ったバスケット作りに興じる事も出来ます


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 
岩見沢駅a311

中央口の交流プラザ側。
左脇の通路はJR側へと続く連絡通路です。


JR北海道 国鉄 JR貨物 いわみざわ農園
岩見沢駅a314
JR北海道 国鉄 JR貨物 いわみざわ農園
岩見沢駅a313

連絡通路の脇には2018年4月2日に開業した「いわみざわ農園」があります。
いわみざわ農園は「駅ナカおにぎり」を標榜し、岩見沢産ゆめぴりかを麦飯にしたおにぎりのお店です。
おにぎりの具は鮭、梅、南蛮味噌、のりつくだ煮、ツナマヨ、かつお、チーズおかか、明太生のり、にんにく等。

いわみざわ農園ではおにぎりの他にも、玉子かけご飯、唐揚げ、味噌汁などを販売しており、店内のイートインスペースで味わう事が出来ます。
また、軽食以外にもトマト、アスパラ、黒にんにく等の農産物を販売する事もあります。





ちなみに店舗運営者は岩見沢市下志文町で農園を経営する㈱JAKE。
ジェイクって聞くとブルース・ブラザースの兄貴を真っ先に思い出しちゃうなあ・・・。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 
岩見沢駅a315

いわみざわ農園前から有明交流プラザ方面を眺めた様子。
連絡通路の壁には岩見沢市民憲章が掲示されています。

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岩見沢市民憲章
わたしたちは、生き生きとした緑の中の岩見沢市民です。

 岩見沢は、雄大な石狩平野にのぞみ、たくましい開拓の精神に生き、伸びゆく産業、交通の中心のまち、かおり高い文化のまちとして、未来に大きな夢と願いをもっています。
 わたしたちは、このまちに住むことに誇りをもち、品性豊かな市民となるため、こころをあわせて市民憲章をさだめます。

心とからだをきたえ、たのしく明るいまちにしましょう。
木や花を愛し、親切で住みよいまちにしましょう。
ひとに迷惑をかけず、進んできまりを守るまちにしましょう。
仕事に誇りをもち力をあわせて豊かなまちにしましょう。
未来に夢をもち、知性と若さにあふれたまちにしましょう。

昭和43年5月5日 制定
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JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 鉄道の町
岩見沢駅a316

中央口西側にも2階に続く階段があります。
そこを上がってから有明交流プラザ方向を眺めた様子。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 鉄道の町
岩見沢駅a301

2階間取り図を見ると有明交流プラザ、センターホール、南昇降棟の駐輪場が載っています。
有明交流プラザには先述の市民ギャラリーA・Bに加え、市役所サービスセンター、空知総合振興局パスポート窓口、札幌弁護士会南空知法律相談センターが入っています。
市役所サービスセンターは年末年始(12月29日~1月3日)を除き毎日9:00~17:30に開庁しており、住民票の写し・印鑑証明書の即日交付などを行なっています。
空知総合振興局パスポート窓口は平日9:00~16:30の受付。
札幌弁護士会南空知法律相談センターは平日10:00~16:00の受付で、事前予約制により法律相談に対応しています。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 鉄道の町
岩見沢駅a319
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 鉄道の町
岩見沢駅a320

有明交流プラザのホーム側通路には、岩見沢駅とレールの歴史に関する小さな展示スペースがあります。
至近に岩見沢レールセンターが所在する事もあって、駅構内に多く残る古いレールに主軸を置いた展示内容となっています。
本物の古レールは6本を展示。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 鉄道の町 古レール鉄道の町
岩見沢駅a321

左端から見ていきましょう。
1本目は北海道炭礦鉄道が1890年、ドイツのクルップ社(Kruppから購入したレール。
札幌~幌内間で使用されたといい、側面に書かれた「H.T.T」は「Hokkaido Tanko Tetsudo」の略記です。
クルップ社は1811年創業、エッセン(Essen)に本拠を構えたドイツの名門製鉄会社です。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 鉄道の町 古レール
岩見沢駅a322

2本目は北海道官設鉄道が1900年、アメリカのカーネギー社(Carnegie Steel Company)から購入したレール。
現在の富良野線で使われていた物です。
側面の「HGR」は「Hokkaido Government Railways」(北海道官設鉄道)の略記でしょう
カーネギー社はスコットランド出身の「鉄鋼王」アンドリュー・カーネギー(Andrew Carnegie)が1892年7月1日、所有する複数の製鋼所を一まとめにした会社ですね。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 鉄道の町 古レール
岩見沢駅a323

3本目は北海道炭礦鉄道が1902年、イギリスのカメル社(Charles Cammell & Co./チャーリーズ・キャンメル社ともから購入したレール。
現在の函館本線函館~小樽間で使われた物です。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 鉄道の町 古レール
岩見沢駅a324

4本目は北海道炭礦鉄道が1903年、イギリスのボルコウ・ボーン社(Bolckow, Vaughan & Co.)から購入したレール。
現在の函館本線小樽~岩見沢間で使用されていた物です。
ボルコウ・ボーン社はイングランドのミドルスブラ(Middlesbrough)にあった製鉄会社で、1851年創業と言われています。
1930年にはドーマン・ロング社(Dorman Long Co.)に吸収され、法人格が消滅しました。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 鉄道の町 古レール
岩見沢駅a325

5本目は北海道鉄道が1903年、イギリスのバーロウ社(Barrow Hematite Steel Co. Ltd.)から購入したレール。
現在の函館本線函館~小樽間で使用されていた物です。
側面の「H・T・K」は「Hokkaido Tetsudo Kabushikigaisha」の略記ですね。
バーロウ社は1864年4月1日、デボンシャー公爵らによって発足した鉄鋼メーカー。
イングランドのランカシャー(Lancashire)を本拠とし、1963年にヘマタイト鉱石が枯渇するまで地元の象徴的な企業だったそうな。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 鉄道の町 古レール
岩見沢駅a326

6本目は官設八幡製鉄所が1941年に製造した国産レール。
側面の「2601」は当時の皇紀を意味します。


北海道新幹線レール敷設工事 青函トンネル
岩見沢駅a327

展示スペースには北海道新幹線の開業前に実施された、青函トンネル内の3線軌条化工事に関する解説板もあります。
トンネル内での敷設工事はJR北海道の子会社、北海道軌道施設工業㈱が担いました。



岩見沢駅a318

展示スペースの近くには複合駅舎のデザインを讃える数々の賞状が飾ってあります。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 鉄道の町 古レール
岩見沢駅a317

西口階段側から交流プラザ通路を眺めた様子。


長くなったので今回はここまで。


《ブログ内関連記事リンク》
函館本線岩見沢駅[6] 古レールを展示する「有明交流プラザ」


※写真は全て2020年11月24日撮影
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最終更新日 : 2021-11-03

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