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2021-09-22 (Wed) 22:41

函館本線岩見沢駅[5] 移転した輸送本部と南昇降棟の立体駐輪場

岩見沢駅a201

引き続き空知管内は岩見沢市有明町南にある、JR北海道の岩見沢(いわみざわ)駅を見ていきましょう。
第1~3回では岩見沢駅139年の大まかな歴史を辿り、第4回からは2009年3月30日に完成した複合駅舎(4代目駅舎)を取り上げています。
引き続き今回も複合駅舎の1階を眺めましょう。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢複合駅舎 4代目駅舎 岩見沢操車場
岩見沢駅a202

中央口コンコースから3階まで直通のエスカレーター。
3階には待合室、出札窓口(みどりの窓口)、改札口、駅事務室があります。



岩見沢駅a204

こちらは玄関に設置されている館内案内図のうち、1階の間取りを記したものです。



岩見沢駅a203

岩見沢駅a205

中央口コンコースから東に伸びる通路。
その脇にはコインロッカーと飲料自販機が設置されています。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢駅輸送本部 運転取扱業務 駅員 駅事務室 直営駅
岩見沢駅a206

この通路のホーム側には「Staff Only」と書かれたドアがあります。
そのドアノブにはダイヤル式の電子錠が付いており、厳重なセキュリティに置かれたエリアである事は一目瞭然です。
先に挙げたフロアマップでは、このドアの内側を「JR岩見沢駅事務室」と表示しています。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢駅輸送本部 運転取扱業務 駅員 駅事務室
岩見沢駅輸送本部a102
Googleマップを基に作成

この事務室は4代目となる「岩見沢駅輸送本部」で、同駅構内における運転取扱業務を司る場所です。
既に第1回・第2回の記事で取り上げたとおりですが、元々の輸送本部は岩見沢操車場の東側に置かれていました。
それがヤード廃止から1年後の1981年12月4日、輸送本部が旧操車場から本屋構内北東に移転。
新築されたコンクリート造り2階建ての3代目庁舎に入居しました。

その後、国鉄末期~分割民営化初期における合理化によって岩見沢駅の要員が激減。
輸送本部も環境の変化に応じたコンパクト化を図る事になり、2007年6月23日の複合駅舎第一期工事完了に合わせて同駅舎1階に移転したという訳ですね。
なお、3代目庁舎は既に解体されており、線路脇に広がる更地に往時の面影を見る事が出来ます。





こちらは2004年に撮影された特急スーパー宗谷の前面展望動画。
冒頭の左手に在りし日の岩見沢駅輸送本部が映り込んでいます。


輸送総括助役 指導助役 計画助役 配車助役 輸送助役 運転主任 構内係 駅員 輸送本部
岩見沢駅輸送本部a101
「岩見沢駅輸送本部」3代目庁舎の正面玄関における記念写真
前列中央に輸送総括助役、その左右に指導助役、計画助役、輸送助役、配車助役が座っている
なお、輸送総括助役の藤井弘也氏は翌1983年に岩見沢駅首席助役に就任した
岩見沢駅100年史編さん委員会(1982)『岩見沢駅100年のあゆみ』(岩見沢駅長 佐藤英夫)p.72より引用

国鉄時代の岩見沢駅では輸送総括助役が運転取扱業務の責任者で、管理者としては駅長・首席助役に次ぐナンバー3のポジションでした。
その配下には中央運転事務室の業務を取り仕切る輸送副総括助役、運転取扱業務の指導と作業内規の作成を担当する指導助役、構内作業ダイヤの策定・見直しと構内設備の改良計画・工事手配を担当する計画助役、構内各詰所への作業指示・情報伝達と運転整理などを担当する輸送助役、貨車の配車事務を取り仕切る配車助役が置かれていました。
各助役は運転掛、信号掛、操車掛、構内作業掛、踏切保安掛、配車掛といった駅員を指揮。
約360名の構内関係職が一致団結し、南空知の交通拠点を日夜支え続けてきたのです。

しかし現在の岩見沢駅に輸送総括助役はおろか、輸送副総括助役、指導助役、計画助役、配車助役の各管理者は残っておらず、輸送助役2、3名が15名ほどのチームを統率するまでに縮小したといいます。
操車場を含め駅構内に8ヶ所あった運転事務室は全て消滅し、運転取扱業務に係る詰所は輸送本部の1ヶ所だけになってしまいました。
かつて駅構内西側の本屋信号扱所に置かれていた第一種継電連動装置も、複合駅舎1階に移設されているという事です。



岩見沢駅a207

輸送本部前から複合駅舎東口へと続く通路。



岩見沢駅a208

この通路は前後にドアを配置しており、だだっ広い風除室のような雰囲気です。



岩見沢駅a209

東口は正面側にドアの無い半室構造です。



岩見沢駅a210

東口はややイビツな十字路を描いており・・・



岩見沢駅a211

・・・そのホーム側にはJR北海道の100%子会社、北海道クリーン・システム㈱の「JR岩見沢営業所」と「岩見沢営業所」があります。
ややこしい名称ですが、これら営業所はそれぞれ異なる部署です。

このうちJR岩見沢営業所は札幌鉄道支店に属する現業部門で1969年2月1日、岩見沢駅駅務掛詰所が担ってきた清掃の業務委託化に伴い発足した弘済美装㈱岩見沢支所をルーツに持ちます。
札幌鉄道支店はJR北海道本社鉄道事業本部の直轄エリア内における駅舎・社屋・関連事業施設の清掃、警備を受託している部門です。
JR岩見沢営業所は岩見沢駅構内の清掃、到着列車の車内清掃、複合駅舎の警備、附帯荷物輸送に伴う旅客列車の積卸作業などを担っており、出先機関として滝川駅に「滝川作業所」を設けています。
基本的な勤務時間は8:30~翌8:40で、駅員と同様の当直勤務(実働14時間10分)です。

一方、岩見沢営業所は本社ファシリティ営業本部に属する現業部門です。
受注業務は岩見沢近郊の官公庁・病院・福祉施設・商業施設における清掃、警備、設備管理。
勤務時間は現場によって異なります。
ちなみに北海道クリーン・システムの現社長は親会社のJR北海道で旭川駅長、取締役札幌駅長、取締役旭川支社長などを歴任された島典賢さんです。
急行はまなすのラストランで出発合図を出したのも、当時札幌駅長だった島さんでした。
朗らかな笑顔が印象的な紳士です。


岩見沢駅 複合駅舎 4代目駅舎 南昇降棟
岩見沢駅a213

複合駅舎東口は南昇降棟との切れ目に接しています。


岩見沢駅 複合駅舎 4代目駅舎 南昇降棟
岩見沢駅a220
岩見沢駅 複合駅舎 4代目駅舎 南昇降棟
岩見沢駅a212

駅前広場から南昇降棟を眺めた様子。
こちらも駅本屋と同じ3階建てのコンクリート建築です。


岩見沢駅 複合駅舎 4代目駅舎 南昇降棟 屋内駐輪場
岩見沢駅a216
岩見沢駅 複合駅舎 4代目駅舎 南昇降棟 屋内駐輪場
岩見沢駅a217

南昇降棟は1階から3階まで有料駐輪場となっています。
駐輪場の管理はJR北海道ではなく、岩見沢市の外郭団体である(一財)岩見沢振興公社が担っています。



岩見沢駅a218

自転車を押して昇降できるよう傾斜を緩め、左右にスロープを付けた階段。
右側は電動スロープですね。



岩見沢駅a214

立体駐輪場は毎年12月1日~3月31日を冬期閉鎖期間としています。



岩見沢駅a215

駐輪場内には冬期保管以外の自転車を11月30日までに引き取るよう、注意書きも貼り出しています。


時間が無いので今回はここまで。


《ブログ内関連記事リンク》
函館本線岩見沢駅[5] 移転した輸送本部と南昇降棟の立体駐輪場


※写真は特記を除き2020年11月24日撮影
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最終更新日 : 2021-11-03

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