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2021-09-19 (Sun) 18:00

函館本線岩見沢駅[4] 「鉄道の町」の新たな象徴となった赤レンガ駅舎

岩見沢駅a101

引き続き空知管内は岩見沢市有明町南にある、JR北海道の岩見沢(いわみざわ)駅を見ていきましょう。
前3回の記事では岩見沢駅139年の歴史を大まかに書き記しました。
岩見沢駅の公式見解によると開業日は官設幌内鉄道札幌~幌内間の延伸開通と同じ1882年11月13日で、来る2022年には140周年を迎えます。

国鉄時代は駅周辺に岩見沢車掌区、岩見沢第一機関区、岩見沢第二機関区、岩見沢客貨車区、岩見沢保線区、同岩見沢保線支区、同岩見沢保線支区(※西岩見沢保線支区は無い)、岩見沢電気区、同岩見沢電力支区、同岩見沢信号支区、同岩見沢通信支区、札幌建築区岩見沢建築支区、岩見沢レールセンター等の現業機関が集結。
これらの業務を監督する岩見沢運輸長室もあり、他に国鉄職員の福利厚生施設として岩見沢診療所と岩見沢配給所が置かれていました。
様々な職種の国鉄職員が大勢暮らし、弘済美装㈱や北海道鉄道荷物㈱、札建工業㈱、猪股組など協力会社の社員も共に働く岩見沢はまさしく国鉄の企業城下町といった趣きで、「鉄道の町」としてその名が知れ渡りました。
中でも岩見沢駅は北日本最大のヤードと謳われた岩見沢操車場を抱え、最盛期の1947年には総員573名を数えるほどの「マンモス駅」でした。


JR北海道 国鉄 JR貨物 室蘭本線 函館本線 万字線 幌内線 岩見沢操車場
岩見沢駅a107

国鉄末期~分割民営化初期の合理化で多くの現業機関が廃止となり、これまた大勢の鉄道職員が岩見沢を去りました。
かつては500名前後の駅員が働いた岩見沢駅も、今や総員35名に大幅縮小しました。
しかし岩見沢駅の北部には岩見沢運転所(旧:岩見沢第一機関区)、岩見沢保線所(旧:岩見沢保線区)、同岩見沢保線管理室(旧:岩見沢保線区岩見沢保線支区)、岩見沢電気所(旧:岩見沢電力所および岩見沢信号通信所)といった現業機関が健在。
他にも北海道クリーン・システム札幌鉄道支店JR岩見沢営業所、北海道ジェイ・アール運輸サポート㈱苗穂事業所岩見沢事業所、㈱ドウデン岩見沢メンテナンスセンター、北海道軌道施設工業㈱札幌支店岩見沢出張所・岩見沢機械センターと子会社4社の事業所もあります。
国鉄時代の活気こそ失われたものの、これらの職場が一堂に会する岩見沢は「鉄道の町」らしい風情を色濃く残していると言えるでしょう。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 駅本屋 4代目駅舎 複合駅舎 室蘭本線 幌内線 万字線
岩見沢駅a106

そんな「鉄道の町・岩見沢」の新たな象徴となったのが、2009年3月30日に完成した4代目駅舎。
前回記事に書いたとおりこの駅舎は「まちづくりの一環」として、岩見沢市役所とJR北海道が官民一体となり建設しました。
駅の施設(待合室・駅事務室・輸送本部)と市営交流施設「有明交流プラザ」が組み合わさった複合駅舎なんですね。
デザイナーは東京都品川区の一級建築士事務所・㈱ワークヴィジョンズ(※当時は有限会社)の代表を務める西村浩さんです。
地上3階建てのコンクリート建築は内外装にレンガと古レールをふんだんに使っており、2009年11月6日にはグッドデザイン賞(2009年度グッドデザイン大賞)を受賞しました。



岩見沢駅a108
Google mapを基に作成(2021年9月19日閲覧)

ところで一緒くたに「複合駅舎」と見なされている4代目駅舎ですが、デザイナーの西村さんによると厳密には複合駅舎、南昇降棟、自由通路(有明連絡歩道)、北昇降棟の4棟により構成しているのだといいます。
そして実際の複合駅舎は南西側に建つ大きめの棟で、この建物に岩見沢駅の待合室・駅事務室・輸送本部と有明交流プラザが入居しています。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 駅本屋 4代目駅舎 複合駅舎 室蘭本線 幌内線 万字線
岩見沢駅a109

こちらは複合駅舎と南昇降棟の繋ぎ目。
ここを見れば線路南側だけでも、別々の建物が並んでいるのだという事が分かりますね。


JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 駅本屋 4代目駅舎 複合駅舎 室蘭本線 幌内線
岩見沢駅a110
JR北海道 国鉄 JR貨物 岩見沢操車場 駅本屋 4代目駅舎 社員配置駅 直営駅
岩見沢駅a105

駅前のタクシー乗り場から駅舎西口にかけて、2棟の上屋が弧を描くように建っています。



岩見沢駅a111

岩見沢駅a112

高々と掲げられた切り文字タイプの駅名板。
その眼下には小さな薔薇園があります。
薔薇園の花壇もレンガ積みです。



岩見沢駅a114

2階・3階の開放感バツグンな大窓。
窓サッシには加工した古いレールを使用しています。



岩見沢駅a113

道内屈指の豪雪地帯である岩見沢の気候に配慮し、コの字型に軒下へと窪ませた中央口玄関。
ドアも真正面ではなく左右に配置し、なおかつ二重構造とする事で屋内への猛吹雪の直撃を防いでいます。



岩見沢駅a115

中央口右手の風除室には4代目駅舎のデザインを讃える銘板が縦一列に並んでいます。


2009年度グッドデザイン大賞受賞施設 岩見沢複合駅舎 グッドデザイン賞
岩見沢駅a116

一番上に掲げているのは「2009年度グッドデザイン大賞」の銘板です。



岩見沢駅a117

真ん中に掲げているのは2011年10月14日に受賞した「第11回ブルネル賞」(2011 Brunel Awards)の銘板。
ブルネル賞は欧米の鉄道技師らが中心となって創設した国際的な賞で、鉄道に係る建築物・車両などの優れたデザインを奨励する事を目的とし1985年に始まりました。
賞の名称はグレート・ウェスタン鉄道(Great Western Railway)のエンジニアとして、あらゆる建築物・土木構造物・車両を設計し会社の黎明期を支えたイザムバード・キングダム・ブルネル(Isambard Kingdom Brunel)に因んでいます。



岩見沢駅a120

こちらは「平成21年度北海道赤レンガ建築賞」の銘板。
赤レンガ建築賞は北海道庁建設部住宅局建築指導課が主幹を務め、建築文化の向上と地域に根ざしたまちづくりの促進を目的として毎年12月に建築物を表彰する賞です。
この賞を受賞した建築物には神田日勝記念館、六花亭釧路春採店、大成札幌ビルなど、そもそも赤レンガを使っていないものが多く、名前に反して赤レンガ自体は受賞の要件になっていません。
対して岩見沢複合駅舎の場合、「赤レンガ建築賞」の名に相応しく内外装に赤レンガを使用。
しかも2・3階に大窓を配しているおかげで、夜間にはレンガの内壁が赤々と照らし出され、町並みに彩りを加えています。


岩見沢駅 岩見沢地区駅 複合駅舎 JR北海道 国鉄 コンコース
岩見沢駅a119
岩見沢駅 岩見沢地区駅 複合駅舎 JR北海道 国鉄 コンコース
岩見沢駅a121

1階中央口コンコースの様子。
3階まで吹き抜け構造になっています。


岩見沢駅 岩見沢地区駅 複合駅舎 JR北海道 国鉄 北海道キヨスク
岩見沢駅a122
岩見沢駅 岩見沢地区駅 複合駅舎 JR北海道 国鉄 コンコース コンビニ
岩見沢駅a118

中央口コンコースでは「セブンイレブン北海道ST岩見沢店」が営業しています。
営業時間は7:00~21:00です。
JR北海道の子会社である北海道キヨスク㈱は2010年11月1日、セブンイレブン・ジャパンと業務提携。
従来の「キヨスク」に代わる新業態として、セブンイレブンの駅ナカ店舗を道内各地に26店舗、JR札幌病院のテナント1店舗を展開しています。
岩見沢駅の場合は2018年5月25日にキヨスク岩見沢店を閉店し、改装期間を経て同年7月18日にセブンイレブンへと生まれ変わりました。

余談ですがキヨスク経営のセブンイレブンは面白い事に、店員の名札に「営業係」の職名が明記されています。
まさかの駅員と同じ職名です!
営業指導係や営業主任もいるのかなあ?



岩見沢駅a123

中央口コンコースの玄関脇には市内企業の広告を集めた行灯看板があります。



岩見沢駅a124

こちらは志文にある「北海道グリーンランド」の広告看板。
元々は三井鉱山㈱が炭鉱に代わる新事業を画策し、1986年4月26日にオープンした遊園地です。
道民には「三井グリーンランド」の名で親しまれてきました。
名物は北海道最大級と言われる高さ85mの観覧車で、人気番組「水曜どうでしょう」の写真展が開催された事もあったそうです。
しかし2005年9月1日、三井グリーンランド㈱の筆頭株主が三井鉱山㈱から西部ガス㈱に変わると状況が一変。
三井グリーンランド㈱は2006年7月1日にグリーンランドリゾート㈱へと社名変更し、更に2007年7月1日には岩見沢の子会社ともども遊園地名から「三井」を外す事になりました。





テレビCMのサウンドロゴも変化。
三井時代はCMの最後に「みーついグリーンラーンド♪」とのコーラスが入りましたが・・・





・・・2007年7月以降は音声を使い回しつつも冒頭の「三井」をカットして流すようになりました。
しかしカットしたらイマイチしまりの無いメロディになってしまった気がします。



岩見沢駅a125

グリーンランドを筆頭に19社の広告が並んでいます。
下段の左から2番目は、岩見沢駅の駅弁を手がける㈲花扇ですね。
花扇は岩見沢駅から約1.5km南方に離れた美園の仕出し料理屋で、作っている駅弁は「とり釜めし」、「えび釜めし」、「ほたて釜めし」の3種類です。
どうやら㈲岩見沢駅構内立売商会が1992年3月に廃業した後、駅弁製造に参入した模様。
しかし本分が仕出し料理屋という事もあってか、駅弁を毎日販売している訳ではありません。

以前はキヨスク岩見沢店で花扇の駅弁を取り扱っていましたが、セブンイレブン転換後は複合駅舎1階の岩見沢観光協会で販売しています。


時間が無いので今回はここまで。


《ブログ内関連記事リンク》
函館本線岩見沢駅[4] 「鉄道の町」の新たな象徴となった赤レンガ駅舎


※写真は全て2020年11月24日撮影
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最終更新日 : 2021-10-19

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