タタールのくにびき -蝦夷前鉄道趣味日誌-

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2021-02-23 (Tue) 19:04

モジャくんだけじゃない!道内JR線のマスコット「つくぞうくん」

北海道軌道施設工業マルタイ(落石駅aa02

JR北海道は2021年現在、計18社のグループ会社を抱えています。
このうち北海道軌道施設工業㈱はJR北海道の各保線所や工務技術センター、JR貨物北海道保全技術センター等から、線路及び土木構造物の補修工事・新設工事を受注する一次請けの建設会社です。
元々は国鉄の協力会社として1949年3月に設立され、道内の各保線区が策定した補修計画に則る線路の施工を手がけてきました。
1987年4月の分割民営化に伴いJR北海道の子会社となった後、1998年4月には全道の保線機械業務を受託。
JR北海道が保有する軌道モーターカーの運転・整備に加え、自社所有のマルチプルタイタンパー、バラストレギュレーター、レール削正車など各種保守用車を用いて鉄路の安全を守り続けています。

ところで北海道軌道施設工業にはオリジナルキャラクターが存在します。
その名も「つくぞうくん」。
見ての通りヘルメットに安全ベスト、軍手、長靴を着用した象のキャラクターです。
JR北海道の保線所ですと黄色帽体に青帯を引いたヘルメットを被りますが、北海道軌道施設工業の場合、正社員は白色帽体に青帯を引いたヘルメットを被ります。
ちなみに同社の軌道工(日給月給制の保線作業員)は黄色帽体のヘルメットです。


JR北海道 国鉄 JR貨物 マルタイ マルチプルタイタンパー MTT 保線機械 保守用車 保線車両
北海道軌道施設工業マルタイ(落石駅aa01

「つくぞうくん」はマルタイやレール削正車などの車体側面にでかでかと貼られています。
マルタイに貼られているというのが重要で、「つくぞうくん」という名前は保線作業の基本的な工程、「道床搗き固め」に由来するのだそうな。

道床とは列車がレール・マクラギに与える衝撃を吸収・緩和し、マクラギのズレや路盤の破壊などを防ぐもの。
通常はバラストを敷き詰めて道床としています。
しかし道床もまた列車荷重によって緩みが生じていくため、「搗き固め」によってマクラギ下が均一な固さになるように整える訳です。
かつては保線作業員がビーター(片側をハンマー状にしたツルハシ)を持って搗き固めをしましたが、これをより効率的に実施できるよう国鉄は1948年に「タイタンパー」という機械を導入しました。
このタイタンパーは道路工事の修復ドリルみたいに持ち運び可能な物で、車両の体裁を成すマルタイと区別するため「手搗きタイタンパー」とも呼ばれます。

1940年代以降は欧米諸国の鉄道会社が保線機械の導入を進め、マティサ(スイス)やプラッサー&トイラー(オーストリア)といった鉄道重機メーカーが大躍進。
国鉄施設局も海外の事例に倣い、1959年にマティサ社から国鉄初のマルチプルタイタンパーを購入。
そして1963年4月、列車本数の増加とスピードアップに対応するべく従前の「随時修繕方式」から脱却し、限られた列車間合いを使って集中的に補修を施す「定期修繕方式」への移行に踏み切ります。
定期修繕方式の要は保線作業の更なる機械化で、レール運搬、レール更換、マクラギ更換、道床整理、締結装置補修など様々な作業に保線機械を投入する事により、能率的かつ機動的な保線体制の確立を目指しました。
そして現在、保守用車による保線作業は一般的となりました。


JR北海道 国鉄 JR貨物 マルタイ マルチプルタイタンパー MTT 保線機械 保守用車 保線車両
北海道軌道施設工業マルタイ(落石駅aa03

萌黄色のマルタイは「JR北海道グループ 北海道軌道施設工業株式会社」の表記に加え、同社の社章である「HKマーク」を掲げています。
しかしJR関係者は「HK」の呼称を用いず、国鉄時代からの慣習で「軌道会社」と呼ぶ事が多いんですって。
軌道会社では保線機械業務を担当する現業機関として「機械センター」を各地に設置しています。
その内容は下記の通りです。

【札幌支店】
①札幌機械センター
→札幌保線所倶知安保線管理室・小樽保線管理室・札幌保線管理室・島松保線管理室・江別保線管理室・石狩当別保線管理室、JR貨物北海道保全技術センターの保線機械業務を受託
②岩見沢機械センター
→岩見沢保線所岩見沢保線管理室・滝川保線管理室・富良野保線管理室の保線機械業務を受託
③追分機械センター
→追分保線所追分保線管理室・占冠保線管理室の保線機械業務を受託
④室蘭機械センター
→室蘭保線所伊達紋別保線管理室・室蘭保線管理室、JR貨物北海道保全技術センターの保線機械業務を受託
⑤苫小牧機械センター
室蘭保線所苫小牧保線管理室・鵡川保線管理室・静内保線管理室、JR貨物北海道保全技術センターの保線機械業務を受託

【釧路支店】
①釧路機械センター
→釧路保線所白糠保線管理室・釧路保線管理室・厚岸保線管理室・根室保線管理室・標茶保線管理室・斜里保線管理室の保線機械業務を受託
②帯広機械センター
→帯広保線所新得保線管理室・帯広保線管理室・池田保線管理室の保線機械業務を受託

【旭川支店】
①旭川機械センター
→旭川保線所深川保線管理室・旭川保線管理室・上川保線管理室、名寄保線所名寄保線管理室・音威子府保線管理室・稚内保線管理室、JR貨物北海道保全技術センターの保線機械業務を受託
②北見機械センター
→北見保線所遠軽保線管理室・北見保線管理室の保線機械業務を受託

【函館支店】
①函館機械センター
→函館保線所函館保線管理室・大沼保線管理室、道南いさりび鉄道の保線機械業務を受託
②長万部機械センター
→函館保線所八雲保線管理室・長万部保線管理室の保線機械業務を受託

【函館新幹線支店】
①函館新幹線出張所機械グループ
→函館新幹線工務所木古内管理室・奥津軽管理室の保線機械業務を受託


JR北海道 国鉄 JR貨物 バラストレギュレーター BR 保線機械 保守用車 保線車両
北海道軌道施設工業BR(沼ノ端駅aa01

なお、軌道会社の所有であっても「つくぞうくん」の姿が見られない保守用車もあります。
こちらはプラッサー&トイラー社製のバラストレギュレーター、KSP2001。
JR北海道が軌道会社に保線機械業務を委託する3年前、1995年に製造されたものです。
このように元はJR北海道が所有していた保守用車については「つくぞうくん」を貼っていない事が多いようです。



北海道軌道施設工業スーパーライナー(札幌駅a01

こちらはコマツ製の軌陸車「スーパーライナー」。
これも「つくぞうくん」のラッピングは一切ありません。
スーパーライナーは機械センターの管轄ではなく、道床交換やマクラギ交換など大掛かりな軌道補修工事を手がける出張所の軌道技術員が運転を担当しています。


※写真1~3枚目は2018年8月18日、根室本線落石駅にて撮影
※写真4枚目は2020年10月17日、室蘭本線沼ノ端駅にて撮影
※写真5枚目は2020年12月12日、函館本線札幌駅にて撮影
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最終更新日 : 2021-02-23

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