タタールのくにびき -蝦夷前鉄道趣味日誌-

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2020-10-14 (Wed) 23:21

「新十津川駅89周年記念祭」で駅舎の閉鎖に立ち会う[2]

新十津川駅89周年記念祭a101

引き続き2020年10月10日、札沼線新十津川駅の駅舎見納めを兼ねて開催された「新十津川駅89周年記念祭」について書きましょう。
JR北海道から新十津川町役場に寄贈されたラストランの特製ヘッドマーク・サボを眺めた後、我々は駅舎を越えて構内西側に移動しました。
ラストランの繰上げ実施から約3週間の長期運休を経て、札沼線末端区間(北海道医療大学~新十津川間)が2020年5月7日に廃止された事は既に述べたとおりです。
その後も駅舎は新十津川町観光協会の案内所として機能し続け、待合室の一般開放もされていたのですが、プラットホームについては事業廃止日を以って閉鎖となりました。

それから5ヵ月が経過した記念祭当日、開催時間(10:00~14:00)に限って久方ぶりにプラットホームが一般開放され、ついでに線路も歩けるようになりました。
駅舎の最後に華を添えようという実行委員会の粋な計らいを感じますね。
とはいえホーム上の柵は撤去されず、それどころか「立入禁止」の看板も掲げたまま。
本当に足を踏み入れていいんだろうか・・・と一瞬不安になりましたが、看板のすぐ下に「線路・ホームに立ち入りできます」との案内が貼り出されておりホッと一安心。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 廃止区間 廃駅
新十津川駅89周年記念祭a102

だけど駅舎向かいの階段から再びホームに上がりたかったなあ・・・と少しだけ惜しい気持ちになりながらも、指定された進路を辿ります。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 廃止区間 廃駅
新十津川駅89周年記念祭a103

駅構内北側に、ホームと花畑に挟まれた通路があります。
貼り紙ではここから線路へと進むように案内されていたので、我々も指定されたルートを歩きました。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 廃止区間 廃駅
新十津川駅89周年記念祭a104

通路を進んでホームを過ぎ、線路に繰り出しました。
我々は単式ホームに上がる前に、線路を北上して車止めを見に行く事に。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 廃止区間 廃駅
新十津川駅89周年記念祭a105

札沼線は石狩当別駅を境に南北で軌道構造が異なります。
南側の太平~石狩当別間は函館本線や千歳線のように道床を厚くしており、PCマクラギを敷いた箇所も多く見られます。
桑園~太平間の高架線に至ってはスラブ軌道を導入し、保線の省力化を図っています。
そしてこれらの上には50kgレールを敷き、桑園~石狩当別間の最高速度を85km/hに設定。
比較的本数が多いゆえに線路破壊の進行が早い通勤通学圏に対応すべく、線路の耐久性を高めている事が窺えますね。

一方、石狩当別~新十津川間の道床は、線路左右の地面の高さと大差ないほどに薄いです。
しかも石狩金沢~本中小屋間に50kgレールと30kgレールの継ぎ目があり、ここから新十津川駅まで約77kmに渡ってか細い30kgレールが敷かれていました。
もちろんPCマクラギなど導入している訳がなく、古びた木マクラギが延々と続きました。
国鉄が「保線作業の近代化」を旗印に掲げ、保線機械の導入に加えて線路のメンテナンスフリー化を推進したのが1960年代。
それより前の旧態依然とした軌道構造が生きていた訳ですから、21世紀の鉄道としては何気に貴重な存在だと思います。
やはり石狩当別以南に比べると線路の耐久性が弱く、最高速度も65km/hと低めに設定せざるを得ませんでした。
こんな速度しか出せないものですから駅に停まるたび、並走する国道275号線のクルマにどんどん差を付けられる始末。
列車本数も僅少なので沿線住民の鉄道離れは避けられなかったんでしょうね。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 廃止区間 廃駅
新十津川駅89周年記念祭a106

ホーム北端から200m近く、更に北へ伸びる線路。
元は1972年6月に廃止された札沼線新十津川~石狩沼田間の本線でした。
当区間の廃止後も留置線として残され、排雪モーターカーなど保守用車の折り返しに使われる事もありました。
そんな線路の先にある車止めを一目見ようと、多くの鉄道ファンが前進します。
私は新特急なすのさんと保線の話をしながら歩きました。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 廃止区間 廃駅
新十津川駅89周年記念祭a107

ピンネ農協倉庫群に囲まれた第4種踏切。
新十津川~石狩沼田間の廃止に伴い撤去されたのでしょう、踏切警標や踏切防護柵の類は一切ありません。
敷板に挟まれたレールは砂埃に塗れていました。
新十津川町役場が駅構内に整備する「メモリアル広場」の計画に目を通すと、この踏切よりも南に車止めを移設しようとしている事が分かります。
すると農協倉庫群の線路は撤去される事になるかも知れませんね。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 廃止区間 廃駅
新十津川駅89周年記念祭a108

車止めの手前には「過走余裕距離終端」の標識が残っていました。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 第2種車止め
新十津川駅89周年記念祭a110
JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 第2種車止め
新十津川駅89周年記念祭a109
JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 第2種車止め
新十津川駅89周年記念祭a111

アパートの手前で寸断される廃線跡の車止め。
レールを加工した第2種車止めです。
車止め標識は赤錆でバツ印が潰れていますね。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 廃止区間 廃駅
新十津川駅89周年記念祭a112

車止めの撮影が済んだら、線路を折り返してプラットホームに向かいました。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 廃止区間 廃駅
新十津川駅89周年記念祭a113

プラットホームは3方にバリケードを設けたままですが、縁石伝いに歩けば上がれるくらいの隙間があります。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 単式ホーム
新十津川駅89周年記念祭a114

この機会なので線路側から、ホームと木造駅舎を撮影。
廃止前は鉄道営業法違反になるので不可能だった構図です。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 単式ホーム
新十津川駅89周年記念祭a115
JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 単式ホーム
新十津川駅89周年記念祭a118

そして久しぶりに単式ホームに上がりました!
5ヶ月間も閉鎖していた割には雑草がほとんど無く、綺麗なプラットホームの姿を保っています。
私は2020年2月1日開催の「札沼線エキアカリ2020」以来、約8ヵ月ぶりの登壇です。
その後、新型コロナウィルスの蔓延により外出を自粛するまでは、まさかあの夜で新十津川発着の営業列車が見納めになるとは思いませんでした。
ラストランに立ち会えなかったのが心残りですが、真冬の夜に大量のアイスキャンドルが照らし出す新十津川駅の景色を見られただけでも良かったと思います。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 駅名標
新十津川駅89周年記念祭a116

駅名標の支柱もバッチリ残っています。
しかも照明用の引込線(電柱から伸びる電線)まで撤去されずにそのままというね。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 乗車位置
新十津川駅89周年記念祭a117

廃止日が迫るにつれ、別れを惜しむ鉄道ファンや沿線住民の乗降が増えていった樺戸の鉄路。
終着駅である新十津川駅は特に大賑わいとなりました。
管理駅である石狩当別駅が駅名標の手前に新設した、列車待ちの客に対する但し書きも残っています。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 単式ホーム
新十津川駅89周年記念祭a119

ホーム南端の速度制限標識も相変わらず残っていました。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 単式ホーム
新十津川駅89周年記念祭a120
JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 単式ホーム
新十津川駅89周年記念祭a123

縁石を辿って線路に降り立ち、南側からプラットホームを眺めます。
新十津川駅は元々、3本の線路が敷かれており、廃止を迎えるまで使われたのは旧2番線です。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 木造駅舎
新十津川駅89周年記念祭a124

ホームと駅舎の間に広がる意味深な空間が1番線跡。
改札口からホームの階段まで構内踏切を設けていました。


JR北海道 国鉄 札沼線末端区間 札沼線北部 札沼北線 廃線跡 単式ホーム
新十津川駅89周年記念祭a125

旧2番線の外側には貨物側線が敷かれていました。
側線跡にはバラストが残っており、眺めていると在りし日の光景が目に浮かんでくるようです。



新十津川駅89周年記念祭a121

駅構内から桑園・札幌方を眺めた様子。
カーブに差し掛かる付近が雑草まみれになっていますね。



新十津川駅89周年記念祭a122

木の実をつけるが如く、ガチャポンのカプセルを吊り下げた木。
未だに何のための装飾なのか不明。
新特急なすのさんとは「もしかしてカラスよけなのか?」と話し合いましたね。
よく見たら螺旋状に巻いたミラーテープも何本か吊っていますし。


新十津川駅 木造駅舎 廃駅 廃線跡 改札口
新十津川駅89周年記念祭a126

線路やプラットホームを眺めた後は駅舎の中へ。
新十津川駅の待合室に入れるのは今回で最後です。


新十津川駅 木造駅舎 廃駅 廃線跡 改札口
新十津川駅89周年記念祭a127

改札口の左脇には新十津川町観光協会が作ったカウントダウンの看板が置かれていました。
廃止前日の2020年5月6日に予定していたラストランを盛り上げようと、残り日数を毎日表示していた看板ですね。
「ラストランまであと0日」の文言が物寂しい・・・。


新十津川駅 木造駅舎 廃駅 廃線跡 出札窓口 手小荷物窓口 チッキ台 待合室
新十津川駅89周年記念祭a128

手小荷物窓口をよく見ると・・・


新十津川駅 木造駅舎 廃駅 廃線跡 出札窓口 手小荷物窓口 チッキ台 待合室
新十津川駅89周年記念祭a131

・・・ここにもカウントダウンの黒板が再度お目見え。


新十津川駅 木造駅舎 廃駅 廃線跡 出札窓口 手小荷物窓口 チッキ台 待合室
新十津川駅89周年記念祭a129

出札窓口には歴代の「終着駅到達証明書」がズラリと陳列。


新十津川駅 木造駅舎 廃駅 廃線跡 出札窓口 手小荷物窓口 チッキ台 待合室
新十津川駅89周年記念祭a130

新十津川駅観光案内所の閉鎖を伝える貼り紙も出ていました。
「10/10(土)の営業時間は10時~14時」とありますが、あくまでも記念祭の開催時間を書いているに過ぎず、実際に出札窓口が開く事は遂にありませんでした。
駅舎との別れが迫っている事を実感。


残る一大イベントは閉幕前、13:50から開始される「駅名看板取り外し式」です。
しかし時計を見るとまだ11:30、あと2時間半近く開いています。
それまで我々は駅前広場をひとしきり眺めたり、昼食をとって過ごす事にしました。


※写真は全て2020年10月10日撮影
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最終更新日 : 2020-10-16

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