タタールのくにびき -蝦夷前鉄道趣味日誌-

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2020-09-25 (Fri) 23:21

根室本線茂尻駅のトラス跨線橋と国鉄清算事業団の土地

茂尻駅a51

今回はその続きです。
島式ホームだけ見ると全長約128mで大した事が無いように感じるかも知れませんが、実は茂尻駅構内の総延長は結構長く、分岐器のある西端の22線踏切から東端の23線踏切に至るまで約740mあります。
プラットホームの東端から富良野方を眺めると、1番線と2番線の合流する分岐器が小さく見えるでしょう?


国鉄 JR北海道 JR貨物 人道跨線橋 人道橋 トラス橋
茂尻駅a52

島式ホームから約106m地点には、線路北側の茂尻元町南1丁目と線路南側の茂尻新町2丁目を繋ぐ跨線人道橋があります。
橋の正式名称は「茂尻人道跨線橋」。
JR北海道ではなく赤平市役所が管理する物件です。
下り出発信号機よりも160mほど手前に位置し、駅構内を横断するかたちで建っています。
この人道橋は1958年3月に竣工した物で、線路南側の住民達が茂尻駅に通う便宜を考慮して建造されたのだといいます。
何しろ南側の住宅街には茂尻駅の駅舎など無く、旅客列車を利用したり小荷物を発送するために駅へ向かうには遠回りを強いられてきたのです。


国鉄 JR北海道 JR貨物 茂尻人道跨線橋 トラス橋 トラス構造 人道橋
茂尻駅a61

線路北側の茂尻元町南1丁目にて跨線橋を眺めた様子。
トラス橋の袂には階段があり、トタン板と鉄柱で上屋を組んでいました。


国鉄 JR北海道 JR貨物 茂尻人道跨線橋 トラス橋 トラス構造 人道橋
茂尻駅a53

実はこの上屋、撮影から8ヶ月後の2019年7月2日に謎の火災が発生し、左右の壁が焼失してしまいました。
赤平市役所公式サイトによると、この火災を受けて4ヶ月間に渡って人道橋を閉鎖。
被災した階段の右脇に仮階段を設置し、2019年11月1日を以って通行止めを解除しています。
その後は降雪につき暫く復旧工事が為されませんでしたが、赤平市役所の公開資料「令和2年度 赤平市建設工事入札結果一覧」によると、2020年6月4日に竹山・川本経常建設共同企業体が火災復旧工事を20,780,000円で落札。
また、2020年7月16日には㈲三好電機工事店が茂尻人道跨線橋への監視カメラ設置を1,230,000円で落札しており、防犯対策にも注力する事が分かります。
2020年9月現在は復旧工事に着手中のようです。


国鉄 JR北海道 JR貨物 茂尻人道跨線橋 階段
茂尻駅a59
国鉄 JR北海道 JR貨物 茂尻人道跨線橋 階段
茂尻駅a60

火災前の階段の様子。
真ん中にパイプの手すりを設け、左右を区切っていました。
内装は床から天井に至るまで板張りです。


国鉄 JR北海道 JR貨物 茂尻人道跨線橋 トラス橋 トラス構造 人道橋
茂尻駅a55
国鉄 JR北海道 JR貨物 茂尻人道跨線橋 トラス橋 トラス構造 人道橋
茂尻駅a66
国鉄 JR北海道 JR貨物 茂尻人道跨線橋 トラス橋 トラス構造 人道橋
茂尻駅a64

トラス橋に上がった様子。
トラス構造はプラットトラスを採用しています。


国鉄 JR北海道 JR貨物 茂尻人道跨線橋 トラス橋 トラス構造 人道橋
茂尻駅a63

トラスを外から眺めた様子。
出入口の頭上に外灯を設けています。


国鉄 JR北海道 JR貨物 茂尻人道跨線橋 トラス橋 トラス構造 人道橋
茂尻駅a54

橋の南端には階段が無く、坂になっています。


茂尻駅 島式ホーム 跨線橋 プラットホーム 駅舎 交換駅 交換設備
茂尻駅a56

トラス橋の上から茂尻駅構内を俯瞰した様子。
下り出発信号機はホームから約266mも離れているため、トラス橋とホームの間に運転士用の出発反応標識(レピーター)が設置されています。


茂尻駅 島式ホーム 跨線橋 プラットホーム 駅舎 交換駅 交換設備
茂尻駅a62

真っ直ぐに俯瞰するよりは、やや南東から撮影した方が街並みも少し写り、生活感を演出できると思います。


国鉄 JR北海道 JR貨物 茂尻人道跨線橋 トラス橋 トラス構造 
茂尻駅a58

ちなみに階段の近くをよく見ると・・・


国鉄清算事業団北海道支社 日本国有鉄道清算事業団 売却地
茂尻駅a57

・・・線路沿いの茂みの中に「売却地 国鉄事業団」と書かれた看板が一つ。
今は無き国鉄清算事業団が管理する土地だったんですね。
問い合わせ先として北海道支社用地業務第一課および札幌事務所の電話番号が書かれていますが、どちらの番号も既に解約されています。

国鉄清算事業団は1987年4月の分割民営化に伴い、国鉄から引き継いだ約25.5兆円の国鉄長期債務等の償還や、JR新会社に採用されなかった余剰人員の再就職促進などを受け持ってきた特殊法人です。
債務関連では国鉄から承継した土地の売却やJR株式の処分を行なっていました。
しかし国鉄清算事業団は1998年10月を以って解散しており、茂尻駅の売却地も買い手がつかないまま放棄されてしまったのでしょう。

なお、清算事業団が引き継いだ債務は結局、そのほとんどが償還できていませんでした。
財務省公式サイトが2020年6月29日に公表した情報によると、同法人の解散により国鉄長期債務の残高は一般会計に承継され、1998年度末で24兆98億円だったものが2019年度末に16兆7,553億円まで減少しています。



茂尻駅a65

せっかくなので前回記事からあぶれた写真も載せていきましょう。
こちらは駅舎の東にあるトイレです。
現在では玄関に波トタン板が打ち付けられ、利用する事が出来ません。


駅舎 駅事務室 運転事務室 運転取扱業務 信号扱所
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こちらは駅舎の運転事務室を外から眺めた様子。
国鉄時代の中小駅は、駅舎のホーム側に出っ張った窓を設け、そこに閉塞器を設置する所が多く見られました。
窓を出っ張らせるのは閉塞器を扱う当務駅長が、少しでも駅構内をよく見渡せるように配慮した設計という訳です。
茂尻駅も同様に運転事務室の窓が出っ張っているのですが、無人化後はその窓を波トタン板で塞いでいます。


改札口 ラッチ 茂尻駅 木造駅舎 モルタル造り
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以上、2回に渡って茂尻駅を紹介しました。


※写真は全て2018年11月10日撮影
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最終更新日 : 2020-09-25

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