タタールのくにびき -蝦夷前鉄道趣味日誌-

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2020-08-21 (Fri) 21:36

追分の“道の駅”に佇むスラントノーズ「キハ183-214」

道の駅あびらD51ステーション(キハ183-214)ax01

当日は追分駅周辺の鉄道施設(駅舎・保線管理室・マルタイ車庫など)を撮影していたところ、たまたまこの試運転列車に出会う事が出来ました。
そしてロイヤルエクスプレスを撮影した後は追分駅から東に徒歩13分、国道234号線沿いにある「道の駅あびらD51ステーション」に行ってきました。
ここは2019年4月、勇払郡安平町追分柏が丘(旧:勇払郡追分町柏が丘)に開業したばかりの新しい道の駅。
かつて夕張炭鉱の石炭輸送を支える大勢の国鉄職員が暮らし、「鉄道の町」と呼ばれるほどの要衝だった追分町の歴史を伝える展示コーナーが設けられています。
この展示コーナーは追分駅西側の住宅地で、追分機関区のOB達が管理してきた「安平町鉄道資料館」(旧:追分町鉄道記念館)を移転したものです。


JR北海道 国鉄 室蘭本線 石勝線 夕張線 キハ183系200番台 キハ183系基本番台
道の駅あびらD51ステーション(キハ183-214)ax02

そんな道の駅の屋外には国鉄末期の1980年2月にデビューし、道内各方面の特急列車に充当されてきたキハ183系の先頭車が1両。
保存展示されているのは1982年製の量産車・キハ183-214で、2018年3月ダイヤ改正で特急オホーツクの運用を離脱し引退したものです。
しかも展示に当たって赤とクリームのツートンカラー、いわゆる「国鉄特急色」に塗装を復元してあります。
これはキハ183-214の引退直後に北海道鉄道観光資源研究会が、711系保存の時と同じくクラウドファンディングで資金調達を行い、道の駅での静態保存に漕ぎ着けたのです。
そして2019年4月の施設オープンと同時に展示される・・・予定だったのですが、聞けば2018年9月の北海道胆振東部地震によって展示用に敷設した線路がダメージを受けたらしく、線路工事に時間を要した事から搬入は2019年6月にずれ込んでいます。

北海道鉄道観光資源研究会といえば、栗沢の711系はブルーシートも掛けず年中雨ざらしで展示している事が災いし、月日を追うごとに車体の劣化が深まるばかりだと指摘されていますね。
追分のキハ183も完全に屋外展示ではありますが、冬季(11月~3月)に冬囲いを施している事もあって良好なコンディションを保っています。

ちなみに北海道鉄道観光資源研究会はもう1両、スラントノーズを確保しておりまして、そちらは閉館済みの安平町鉄道資料館に搬入しています。
そちらの車号はキハ183-220。
通常は車庫に格納しており、現在に至るまで非公開です。
しかし以前に安平町鉄道資料館で保存展示していた貨車移動機と同様、構内の線路を自走できるよう整備しており、2020年7月には2日間に渡って「再始動試験」を実施しました


JR北海道 国鉄 キハ183形200番台 スラントノーズ 特急おおぞら トレインマーク
道の駅あびらD51ステーション(キハ183-214)ax03

真正面からフロントを眺めた様子。
ヘッドマークは札幌~釧路間を結ぶ、特急おおぞらの図柄を掲出しています。
「おおぞら」のヘッドマークを見ると懐かしい気持ちになりますね。
子供の頃は十勝管内にある母方の実家に帰省する際、主に帯広駅止まりの「スーパーとかち」(キハ183系の2階建て車付き編成)を利用していたのですが、時には走行区間の被る「おおぞら」に乗る事もありました。
まあ私が生まれた頃のスラントノーズは既に国鉄特急色ではなく、1986年デビューのキハ183系500番台に準じた「新特急色」(白・オレンジ・赤の3トーン)を纏っていました。
そして1991年7月の「スーパーとかち」デビューに伴い登場した、寒色系の「とかち色」へと塗り替えが進む過渡期も体験したものです。


道の駅あびらD51ステーション キハ183系200番台 キハ183系0番台
道の駅あびらD51ステーション(キハ183-214)ax04

だから北海道鉄道観光資源研究会が「キハ183系を2両確保し、どちらも国鉄特急色に復元して保存する」と発表した時は少しガッカリしましたね。
キハ183系は国鉄末期に導入され、国鉄解体・分割民営化の激動期に量産が重ねられた気動車です。
そんな激動期に「新特急色」への塗装変更も実施された訳で、これは分割民営化を間近に控える中、従前の国鉄に無かった独自性を打ち出そうという創意工夫の現れでしょう。
そして昭和から平成へと年号が代わり、1990年代に至るとJR北海道は「とかち色」で更なるイメージチェンジを狙ったのです。
せっかく2両も保存できる事になったのだから、国鉄~JRの過渡期を象徴する塗装変更の歴史もまた形として保存されるべきだったんじゃないかな・・・と思うんですよね。
せめてもう1両は国鉄特急色ではなく、JRの塗装で保存して頂きたかった・・・。
新津鉄道資料館の115系だって、分割民営化後に採用した「二次新潟色」のまま保存展示していますからね。
でも塗料の調達にも費用がかかる訳で、2両とも同じ塗装にした方が塗料も共有できて維持しやすいという利点はあるでしょう。


道の駅あびらD51ステーション キハ183系200番台 キハ183系0番台
道の駅あびらD51ステーション(キハ183-214)ax06

スラントノーズの横顔。
道外の国鉄特急型には無い、後退角を付けた前面形状です。
運転台の下にはJNRマークも復元されています。


側面方向幕 キハ183系0番台 キハ183系基本番台 特急おおぞら 根室本線
道の駅あびらD51ステーション(キハ183-214)ax08

側面方向幕は「特急おおぞら 釧路行き」を表示。
この方向幕も国鉄仕様ですね。


道の駅あびらD51ステーション キハ183系200番台 キハ183系0番台
道の駅あびらD51ステーション(キハ183-214)ax07

スラントノーズの妻面側を見ると・・・


キハ183系0番台 キハ183系基本番台  根室本線
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・・・乗降口にウッドデッキを設けています。
車内に入れるようにしているんですね。



道の駅あびらD51ステーション(キハ183-214)ax10

しかし残念な事に、中国・武漢から全世界に広まった新型コロナウィルスの感染拡大防止につき、車内公開は原則中止となっています。
ただし「道の駅あびらD51ステーション」の公式サイトによると2020年7月から、係員を配置する第2・第4日曜日に限り車内公開を実施している模様。
公開時間は10:00~14:00の4時間と短く、3密防止のため乗車人数・乗車時間を制限する旨も記されています。
なお、乗務員室の一般公開は係員配置の有無に限らず当面中止です。


道の駅あびらD51ステーション キハ183系200番台 キハ183系0番台
道の駅あびらD51ステーション(キハ183-214)ax09

ドアの窓をよく見るとJR北海道のマスコットキャラクター「モジャくん」の姿も。
「ドアが開くとき戸袋に指をはさまないよう注意して下さい」と注意喚起するステッカーに描かれています。
モジャくんは北国らしく雪男をモチーフにしたキャラで、かつてはドアステッカーに限らず駅の看板、ポスター、果ては苗穂工場のドラム缶に至るまでその姿を見たものです。
しかし2010年代に入ってからドアステッカーの変更・貼り替えが進み、近頃はなかなか見かけなくなってきました。


JR北海道 国鉄 キハ183形200番台 スラントノーズ 特急おおぞら トレインマーク
道の駅あびらD51ステーション(キハ183-214)ax05
道の駅あびらD51ステーション キハ183系200番台 キハ183系0番台
道の駅あびらD51ステーション(キハ183-214)ax12

スラントノーズの隣にも1本の線路が敷かれており、その先端には3種甲車止めが設置されています。
この線路は道の駅の建物に併設されたSL倉庫から延びています。


D51形320号機 蒸気機関車 ヨ4647 ヨ3500形車掌車 事業用貨車 車両基地
道の駅あびらD51ステーション(キハ183-214)ax11

SL倉庫は「追分機関庫」と書かれた、赤レンガ風の外装を施した建屋です。
この中には安平町鉄道資料館から移転したD51形320号機が鎮座し、国道側からもその顔を見る事が出来ます。
また、SL倉庫の隣にはヨ4647(ヨ3500形車掌車)の姿もありますが、スラントノーズの周囲にバリケードを施していたため近づけませんでした。


キハ183-214を眺めた後は、SL倉庫を構える「D51鉄道資料館」の中へ。


※写真は全て2020年8月14日撮影
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最終更新日 : 2020-08-30

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