タタールのくにびき -蝦夷前鉄道趣味日誌-

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2020-02-16 (Sun) 23:28

夜に臨時列車も運転!札沼線末端区間最後の冬を彩る「エキアカリ2020」[3]

札沼線浦臼駅ekiakari-1

引き続き札沼線末端区間5駅で「札沼線エキアカリ2020」が開催された、2020年2月1日の模様を日が昇っているうちから取り上げましょう。
新十津川駅から5426Dに乗って折り返し浦臼駅へ移動。
既に触れた通りですが、この日の5426Dは下徳富下4号線踏切で遮断機トラブルが発生し、点検を行った都合により6分遅れで浦臼駅に着いたのでした。
10:29、キハ40-401はディーゼルの黒煙を上げて浦臼駅を出発。
煙をふかして走るのは蒸気機関車だけじゃあないのです。


JR北海道 国鉄 札沼線 学園都市線地区駅 臨時列車
札沼線浦臼駅ekiakari-3

浦臼駅の所在する樺戸郡浦臼町は坂本龍馬と縁のある地域で、その関係は龍馬の親戚である武市安哉(たけち・あんさい)が1893年に土佐から同志を率いて移住し、札的に「聖園農場」を開設した事に端を発しています。
安哉は翌1894年に土佐へ一時帰省したのですが、北海道に戻る船内で脳溢血を起こし、志半ばで帰らぬ人となりました。
一方この頃、龍馬の甥で牧師の坂本直寛が高知県人100戸を引き連れて北見に入植し、クンネップ原野の開拓を進めていました。
実は生前の龍馬は蝦夷地開拓の夢を抱いており、その意思を受け継いで北光社農場の設立に尽力したのが直寛だったのです。
安哉の訃報は北見に住む直寛の元にも届き、直寛は安哉の遺した聖園農場を引き継ぐべく1898年に家族と共に浦臼へ移住しました。
その直後に龍馬の養嗣子・坂本直(なお)が病死すると、その妻・留(とめ)と息子・直衛(なおえ)も直寛を頼って浦臼に移住しており、札的駅の近くにある浦臼町第二墓地(札的墓地とも)に「坂本龍馬家の墓」が建っています
ちなみに釧路出身の著名な画家・坂本直行は直寛の孫に当たり、龍馬から見ると「甥の孫」という間柄になります。
幕末を生きた志士として有名な龍馬と、四季折々の植物や風景を描き六花亭の包装紙も手がけた直行が同じ血統というのは、何とも歴史的ロマンを感じる話ですよね。


浦臼駅 札沼線エキアカリ2020 札沼線末端区間 廃止
札沼線浦臼駅ekiakari-11

浦臼駅の正面には浦臼町役場の職員など地元の人々が集まり・・・


浦臼駅 札沼線エキアカリ2020 札沼線末端区間 廃止
札沼線浦臼駅ekiakari-12

・・・「エキアカリ」開催を目指して会場設営を進めていました。
こちらも新十津川駅に負けじとスコップや除雪機を出して、駅舎の南側に積もった雪を整形しています。


浦臼駅 札沼線エキアカリ2020 札沼線末端区間 廃止 学園都市線
札沼線浦臼駅ekiakari-14

浦臼駅では雪山を直線的に整え、段を築いてアイスキャンドル用の巨大な燭台に仕立てようというプラン。
正面にはベンチが埋め込まれています。


浦臼駅 札沼線エキアカリ2020 札沼線末端区間 廃止 学園都市線
札沼線浦臼駅ekiakari-13

横から眺めるとこんな感じ。
四角く穴を開けた箇所もあり、この中にも蝋燭を収めるようです。


浦臼駅 札沼線エキアカリ2020 札沼線末端区間 廃止 学園都市線
札沼線浦臼駅ekiakari-17

蝋燭を設置する箇所には赤い塗装で丸印を付けています。


浦臼駅 札沼線エキアカリ2020 札沼線末端区間 廃止 学園都市線
札沼線浦臼駅ekiakari-15

ホーム上も赤丸が2列に連なっています。
夜は結構見応えがありそうだな・・・と思いましたが、しかし点灯する頃には浦臼駅を離れている訳で。
何しろ列車で会場を巡回しようとすると、点灯中は3駅しか周れないものでね・・・。
悩み悩んだ末、点灯中の訪問先には札比内駅、豊ヶ岡駅、新十津川駅の3駅を選んだのでした。


浦臼駅 札沼線エキアカリ2020 札沼線末端区間 廃止 学園都市線
札沼線浦臼駅ekiakari-6

待合室では何やら物販を開催するらしく、昼前の時点で机や飲み物を入れた箱などが置かれていました。



札沼線浦臼駅ekiakari-2

待合室に掲示された札沼線エキアカリ浦臼駅会場のポスター。
浦臼駅会場の運営は浦臼町役場が担当しています。
浦臼駅での開催時間は18:30~20:00で、アイスキャンドルの点灯中に列車を降りた来場者に「浦臼駅来駅証明書」を配布しました。
列車を利用しない人にも「参加記念証」をするという手厚さ。
浦臼産の野菜を使った豚汁と、ホットココアの無料提供も実施しています。
ちなみに北海道では豚汁を「ぶたじる」と読むのが一般的です。



札沼線浦臼駅ekiakari-4

こちらはエキアカリと関係ないですが、「浦臼町スタンプのご案内」と書かれたポスター。
右下の隅っこを見ると・・・


キハ40形400番台 キハ53形
札沼線浦臼駅ekiakari-5

・・・キハ40系400番台の前面イラストが描かれています。
しかし窓枠の描き方がどうにもヨンマル特有のパノラミックウインドウには見えず、何処と無くキハ53系の如き平面的なフロントガラスに見えてしまう次第。
でもキハ53系は左右の窓がもう少し低いしなあ。
ちょっとしたウソ電的な味わいのあるイラストですw


コーヒーとお食事 舘 浦臼町
札沼線浦臼駅ekiakari-7

浦臼駅に降りて早30分、そろそろ11時を迎えます。
少し早いが昼食を取ろうと思い、国道275号線沿いにある「コーヒーとお食事 舘」へ。
「舘」は「たち」ではなく「やかた」と読みます。
開拓時代から健在のレトロな木造建築で、元は郵便局として使われていたのを洋食屋に転用しています。
浦臼市街のランドマーク的存在で、地元住民に親しまれている飲食店です。



札沼線浦臼駅ekiakari-10

建物自体のレトロな雰囲気に負けじと、調度品にも趣向を凝らしています。
玄関にはコーヒーカップを花に見立てた可愛らしい看板も。
玄関内側は宗谷本線沿線にある豊富町兜沼郷土資料室のように郵便局時代の窓口カウンターの面影が残っています。
明治・大正期の郵便局は今のような広々とした待合室はありませんでした。



札沼線浦臼駅ekiakari-8

人当たりのいい奥さんに案内され、店内奥のテーブル席へ。
既に先客が1人、地元のお爺さんがエビ・カツミックス定食を頬張っていました。
私が席に着くと間髪入れず、遠方から来たらしい夫婦が入店。
その後も1人客の旅行者、地元のマダム達・・・とぞろぞろ続きました。



札沼線浦臼駅ekiakari-9

飲食店の少ない田舎の食堂にありがちな事ですが、こちらのお店はメニューが豊富ですね。
一応は洋食屋ですが、ナポリタン、カレー、オムライス、チャーハン、餃子、温かい蕎麦、うどん、ラーメン、定食、天丼、親子丼・・・と実に多種多様です。
どれを注文しようかと色々目移りしましたが、今回は「ハンバーグ定食」を注文。
弁当のような容器に「日の丸」の白米をしつらえ、更にホウレンソウのおひたし、漬物、きんぴらごぼう、煮物、キャベツサラダ・・・と野菜を多めに盛っています。
メインディッシュのハンバーグには酸味の強いソースをかけてあり、一口食べて「あっ!これは葡萄だ」と気付きました。
鶴沼ワイナリーのお膝元である浦臼町には広大な葡萄畑があり、地元で収穫した葡萄をソースの原料に使っているという事なのでしょう。
ハンバーグそのものは優しい味わいです。



札沼線浦臼駅ekiakari-18

「舘」の斜め向かいにある「マルフク尾花 尾花商店」でも浦臼ワインを取り扱っています。
こちらも「舘」に負けず劣らずレトロな雰囲気を醸し出す、石造りの重厚な建物です。
店舗の傍には同じ頃に建造されたものと思しき石蔵もあります。


浦臼駅 札沼線エキアカリ2020 札沼線末端区間 廃止 学園都市線
札沼線浦臼駅ekiakari-19

ソフトドリンクも注文し、店内には50分ほど滞在。
12時を回る頃に会計を済ませ退転しました。


浦臼駅 札沼線エキアカリ2020 札沼線末端区間 廃止 学園都市線
札沼線浦臼駅ekiakari-20

市街地を散歩してから浦臼駅に戻ってみると、会場設営の方々が昼休憩に入った模様。
駅周辺はひっそりと静まり返っていました。
次の5428D(浦臼13:21始発・石狩当別行き普通列車)はこの日に限り、出発時刻を6分繰り下げて13:27発としていました。
この繰り下げは先述の踏切障害に起因するものではなく、元から予定されていたものです。





手持ち無沙汰なので待合室に籠もり、音楽鑑賞で暇潰し。
ユーゴスラビアのジプシーロックバンド、ザ・ノー・スモーキング・オーケストラ(The No Smoking Orchestra)のアルバム『Unza Unza Time』を流していました。
中でもお気に入りは3曲目の「Lubenica」。
Lubenica(ルベニツァ)はボスニア語・セルビア語・クロアチア語・スロベニア語の4言語共通で使用されている名詞で、「スイカ」を意味します。
奇しくも浦臼町はスイカの産地。
特に意識した選曲ではありませんでしたが、偶然にも関連性のあるナンバーを聴いていた事になりますねw


浦臼駅 札沼線エキアカリ2020 札沼線末端区間 廃止 キハ40形400番台
札沼線浦臼駅ekiakari-21

通常は5427D(石狩当別11:45始発・浦臼行き普通列車)の12:47到着後、35分の停車を挟んで折り返し5428Dが13:21に出発となります。
しかしこの日は回送列車として2度目の新十津川駅入線を果たしたヨンマル。
どうやら浦臼~新十津川間に2往復の回送運転を設定したのは、夜の臨時列車運行を控えた設備点検を実施するためだったようです。
キハ40-401が新十津川駅で折り返し、浦臼駅に戻ってきたのは13:25。
5428Dの通常出発時刻を4分オーバーしての入線です。
ご覧の通り前面方向幕は「回送」の2文字を表示。
普段の昼の浦臼駅では見られない光景です。
ホームには列車待ちの行列ができ、男の子がカメラを構えてヨンマルの勇姿を記録していました。


浦臼駅 札沼線 前面方向幕 札沼線末端区間 廃止 キハ40形400番台
札沼線浦臼駅ekiakari-22

普段は「ワンマン 浦臼⇔石狩当別」の幕を出したまま往復する訳ですが、今回は「回送」の幕を出している訳ですから当然、幕回しが行われます。
乗り込む前に回る幕を眺めていると早速、「石狩当別⇔札幌」という懐かしい幕が現れました。


浦臼駅 札沼線 前面方向幕 札沼線末端区間 廃止 キハ40形400番台
札沼線浦臼駅ekiakari-23

続いて「あいの里公園⇔札幌」。


浦臼駅 札沼線 前面方向幕 札沼線末端区間 廃止 キハ40形400番台
札沼線浦臼駅ekiakari-24

更に「あいの里教育大⇔札幌」。
非電化時代の札沼線桑園~北海道医療大学間を思い出しますね。


浦臼駅 札沼線 前面方向幕 札沼線末端区間 廃止 キハ40形400番台
札沼線浦臼駅ekiakari-25

極めつけは「浦臼⇔札幌」。
そうそう、非電化時代は浦臼~札幌間の直通運転も設定されていました。
末端区間へのヨンマル送り込みは今や回送しかありませんが、一昔前は客扱いを兼ねて車両の送り込みをしていたんですよね。
札幌~石狩当別間はPDC(キハ141系・キハ143系)やキハ40系300番台などと共に編成を組んで走り、石狩当別駅で増解結を挟み石狩当別~浦臼間を1両単行のワンマン運転としていました。
石狩当別駅で迅速に連結作業を行う都合により、札幌~石狩当別間は車掌をキハ40系400番台とツーマン車の連結面に乗務させていたのも懐かしいですね。


浦臼駅 札沼線 前面方向幕 札沼線末端区間 廃止 キハ40形400番台
札沼線浦臼駅ekiakari-28

「ワンマン 浦臼⇔石狩当別」の幕が出たら、サッと乗り込みます。


札沼線 助役 添乗 石狩当別駅 副駅長 札沼線末端区間 廃止 キハ40形400番台
札沼線浦臼駅ekiakari-26

6分繰り下げて13:27、浦臼駅を出発。
乗務員室に目を向けると、何と赤帽が添乗しているではありませんか!!
運賃収受の際にチラリと見えた名札には「石狩当別駅 副駅長」とありました。
金線1本入り赤帯の助役制帽を被った管理者が乗務員室に入るなんて、かなりのレアケースだと思います。
運転所や車掌所に勤務する助役の制帽にも金線1本は付きますが、鉢巻は赤帯ではなく黒帯ですからね・・・。


札沼線 助役 添乗 石狩当別駅 副駅長 札沼線末端区間 廃止 キハ40形400番台
札沼線浦臼駅ekiakari-27

ハンドルを握る運転士も石狩当別駅の所属。
副駅長は運転所の運転助役や指導助役が添乗指導する時のように、走行中は運転士の傍に立ってハンドル捌きを注視していました。


札沼線を一気に南下し、3ヶ所目のエキアカリ会場である石狩当別駅に向かいました。


※写真は全て2020年2月1日撮影
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最終更新日 : 2020-03-05

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