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2020-01-19 (Sun) 18:54

札沼線石狩当別駅[2] 駅員の自作ポスターと石狩月形駅交代派遣

石狩当別駅101

引き続き石狩管内は石狩郡当別町錦町にある、JR北海道の石狩当別(いしかりとうべつ)駅を取り上げます。
前回は江当軌道、国鉄札沼線、当別町営軌道が関わる駅の歴史を辿り、駅舎外観と乗務員宿泊所をひとしきり眺めたので、今回は待合室とホームの様子を見ていきましょう。
駅の南北を繋ぐ自由通路2階の中間には待合室の出入口が設けられています。



石狩当別駅102

その右脇(北側)には壁に小さな棚を付けた意味深なスペースがあり、現駅舎の竣工当初は廊下側に自動券売機を設けていたものと思われます。
壁の天井付近は傾斜しており、この位置に運賃表を掲げていたのでしょう。
ちなみに自動券売機は現在、待合室内に設置されています。


札沼線 学園都市線地区駅 石狩当別駅 待合室 橋上駅舎
石狩当別駅105
札沼線 学園都市線地区駅 石狩当別駅 待合室 橋上駅舎
石狩当別駅103
札沼線 学園都市線地区駅 石狩当別駅 待合室 橋上駅舎
石狩当別駅104

待合室の様子。
白を基調に濃淡茶色の床タイル、ライトブラウンの板を組み合わせた落ち着きのあるインテリアです。
自由通路から入って左手には木製ベンチが3列に並んで置かれており、傍には2台の飲料自販機が設置されています。


札沼線 みどりの窓口 石狩当別駅 待合室 橋上駅舎 出札窓口
石狩当別駅106

出札窓口(みどりの窓口)と改札口の様子。
オープン構造の広いカウンターが特徴的です。
窓口営業時間は5:10~23:15で、始発列車から最終列車までの接客対応をしています。
改札口には2基の自動改札機を備えており、LCD式発車標も導入しています。

前回記事でも触れたとおり、石狩当別駅は学園都市線地区駅(担当区域:札沼線桑園~新十津川間)に属する直営駅(社員配置駅)であり、石狩太美~新十津川間を管轄する管理駅として機能しています。
地区駅長を兼務する桑園駅長の指揮を受けて、駅長、助役、動力車乗務員(主任運転士・運転士)、営業職駅員(営業主任・営業指導係・営業係)、輸送職駅員(輸送主任・輸送指導係・輸送係)が従事しています。
動力車乗務員については1991年11月から配置されており、乗務範囲は札沼線石狩当別~新十津川間のワンマン列車に限られています。
石狩当別駅に動力車乗務員を置いた経緯も前回記事で解説しています。


札沼線 石狩当別駅 待合室 橋上駅舎 駅員 ポスター
石狩当別駅107

待合室には大きな模造紙を使った、駅員お手製のポスターが貼られています。
題して「ちょっと息抜き エンジョイ北海道!」。
やはり有人駅では駅員の趣向を凝らした販売活動・観光PRにも触れたいですよね。
中央の北海道地図では道内各地の観光名所を紹介しており、最寄り駅からの移動手段も簡潔に書いています。


札沼線 石狩当別駅 待合室 橋上駅舎 駅員 ポスター
石狩当別駅108

自作ポスターの右側には2段に分けて貼り紙を追加しています。
上段は駅員オススメの飲食店をPRするもので、地元住民向けに東室蘭駅西口からすぐの「鳥きよ」、釧路駅南の繁華街にある「まるとも水産」の2店舗、他所から来た旅客向けに石狩当別駅南口の近くにある「日の丸亭」を紹介しています。
下段は札沼線の駅を紹介するもので、「月ヶ岡・南下徳富編」と明記している様子からして、シリーズ物の貼り紙になっているようです。


札沼線 石狩当別駅 待合室 橋上駅舎 駅員 ポスター
石狩当別駅110

隣の衝立にも駅員の自作ポスターが貼られています。
お得に特急列車を利用できる「乗車券往復割引きっぷ」、「Sきっぷ」、「Rきっぷ」を宣伝しています。
そこに789系1000番台、キハ281系、キハ261系0番台、キハ283系、そして今は無き「白ボウズ」ことキハ183系100番台(キハ183-104)の絵を添えています。


狩月形駅 タブレット交換 通票閉塞 被管理駅 札沼線末端区間 廃止 輸送主任
石狩月形駅輸送主任・スタフ授受

なお、配下の被管理駅である石狩月形駅は常駐の駅員を置かず、石狩当別駅から輸送職駅員を交代で派遣しています。
名札に記された所属名も「石狩月形駅」ではなく「石狩当別駅」です。
札沼線では国鉄時代の1983年3月に桑園~石狩月形間をCTC化していますが、石狩月形~新十津川間(1閉塞)の運転保安は現在に至るまでスタフ閉塞を用いています。
この閉塞方式は交換駅に地上勤務の運転取扱担当者を置かなければ、対象区間に列車を進入させられない仕組みなので、石狩月形駅への駅員派遣はマストなのです。

よくタブレット閉塞と勘違いする鉄道ファンが見られますが、ここで運用されているスタフ閉塞は閉塞器を使わず通票だけ用いる方法です。
列車が石狩月形~新十津川間を走行するには、石狩月形駅で通票(スタフ)を入れたタブレットキャリアの授受を行う必要があります。
浦臼・新十津川方面に向かう下り列車が石狩月形駅に入線すると、助役と同じ金線1本入り赤帯制帽を被った輸送主任が通票を持ってホームに向かい、下り列車の運転士に渡します。
逆に折り返して札幌方面に向かう上り列車が来た場合、輸送主任が通票を回収しなければ後続の下り列車は石狩月形~新十津川間に乗り入れる事が出来ないのです。
したがって石狩月形駅では終日、輸送主任と運転士の2者によるスタフ授受を確実に行っています。
2016年12月に留萌本線留萌~増毛が廃止されて以降、道内に残るスタフ閉塞区間は札沼線石狩月形~新十津川間のみとなっており、2020年5月の区間廃止でスタフ閉塞も終焉を迎える事になります。

ちなみに、名札の役職表記の有無を見れば分かりますが、石狩月形駅に助役が派遣される事は滅多にありません。
金線1本入り赤帯制帽は助役だけではなく、当務駅長に指定された駅員(駅長と同等の運転取扱資格を持つ駅員)が着用する物であり、それこそ札幌駅では輸送主任より格下の輸送指導係が着用する事もあります。


石狩月形駅 出札窓口 学園都市線地区駅 被管理駅 札沼線末端区間 廃止
石狩月形駅出札窓口

石狩月形駅に派遣される輸送職駅員は出札窓口の営業も兼務します。
終日社員配置駅ではありますが、窓口営業時間は毎日6:00~20:20に限定されており、このうち12:30~13:30と18:40~19:50は食事休憩のため営業休止となります。
また、改札業務は一切しておらず、運賃収受・集札は無人駅と同様に乗務員が行います。


札沼線 石狩当別駅 待合室 橋上駅舎 ラッチ内 コンコース
石狩当別駅111
札沼線 石狩当別駅 待合室 橋上駅舎 ラッチ内 コンコース
石狩当別駅112

石狩当別駅に話を戻して、ラッチ内コンコースの様子。
駅の北東にある当別高校がJR北海道の企画「花の駅長さん」に参加しており、ラッチ内には花壇を飾る棚が置かれていますが、撮影当時はがらんどうの状態でした。


札沼線 石狩当別駅 待合室 橋上駅舎 ラッチ内 コンコース
石狩当別駅113

ラッチ内から駅事務室と改札口を眺めた様子。
改札口には自動ドアが設置されており、確か有人改札だった頃は改札時間外にロックをかけていましたね。



石狩当別駅120

2階コンコースからホームに降ります。
階段の外観を見ると、上から下へ一直線に屋根を傾斜させるのではなく、まるで巨大な階段のように段差を作っています。


石狩当別駅 プラットホーム 国鉄型配線
石狩当別駅114
石狩当別駅 プラットホーム 国鉄型配線
石狩当別駅116

単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線を組み合わせた、いわゆる国鉄型配線です。
南側の単式ホームが1番線、北側の島式ホームが2番線・3番線となります。
1番線は上り列車(札幌方面)、2番線は下り列車(北海道医療大学・新十津川方面)、3番線は上下線ともに使用します。
ホーム全長は20m車7両、21m車(721系・731系・733系など)6両が納まるくらいです。


石狩当別駅 プラットホーム 国鉄型配線
石狩当別駅115

3番線の隣には留置線が1本。
傍には広めの空きスペースがあって何だか意味深ですが、この位置に当別町営軌道の乗り場があったという訳ではありません。
当別町営軌道の当別駅は当別町総合体育館の手前、池のある公園の辺りに設けられていたそうです。


石狩当別駅 プラットホーム 国鉄型配線
石狩当別駅119

ホームの中間には雨除けの屋根が設けられています。


石狩当別駅 プラットホーム 車掌用ITV 車掌用モニター
石狩当別駅117

3番線はカーブを描いており、しかも雨除け屋根と橋上駅舎の影に隠れる箇所があって見晴らしが悪いため、6両編成用の車掌用ITVが設置されています。
こちらは札幌方に設置されている、下り列車用のITVです。


石狩当別駅 プラットホーム 車掌用ITV 車掌用モニター
石狩当別駅123

ITVの支柱には「反応灯確認」と書かれた札が付いています。
これは車掌がドアを閉める前に出発反応標識(レピーター)の目視確認を怠らないよう、注意喚起をするために札幌車掌所が設置した物ですね。
ちなみにJR北海道の車掌は出発反応標識の点灯を確認したら、「出発現示よし!」と指差称呼します。
阪急や大阪市営地下鉄(現:大阪メトロ)なら、この注意書きにあるように「反応灯よし!」と指差称呼するんですけどね。


石狩当別駅 プラットホーム 車掌用ITV 車掌用モニター
石狩当別駅122

上り列車用のITVは3番線の新十津川方、橋上駅舎の真下にあります。
なるほど、こちらもカメラが無いと前方の視認が難しいですね。


石狩当別駅 プラットホーム 車掌用ITV 車掌用モニター 島式ホーム
石狩当別駅124

しかし3番線は基本的に末端区間のワンマン列車が使用しており、実際に車掌がITVを使う機会は少なめ。
向かいの2番線は直線的で比較的見晴らしが良いため、こちらを映すITVはありません。


石狩当別駅 連結作業 鎖錠スイッチ箱 運転取扱業務 操車 増結作業 解結作業
石狩当別駅126
石狩当別駅 プラットホーム 鎖錠スイッチ箱 運転取扱業務 操車 駅輸送業務
石狩当別駅125

2・3番線ホームには「鎖錠スイッチ箱」と書かれた鉄の箱が設置されています。
これは業務連絡用の鉄道電話機を収納する箱の中に、鎖錠スイッチという運転取扱用の設備を併設した物です。
鎖錠スイッチとは駅構内で操車担当が車両の入換えを行う際、駅運転事務室(信号扱所)の信号担当から「所要の進路構成を行い鎖錠テコを反位にした」との通知を受けて取り扱うスイッチです。
通常は定位にしているところ、通知を受けたら鎖錠スイッチも反位に転換する訳です。
この操作によって制御盤の鎖錠テコが動作しない状態になり(つまり転轍機が鎖錠される)、入換作業の進路が確保されます。
要するに現場の操車担当が転轍機の鎖錠を出来るようになり、他列車が進入できなくなる事から作業中は主体的に動けるようになるのです。
ただし鎖錠スイッチを取扱う際は、まず事前に当務駅長(駅長・助役・輸送主任)と作業内容を打ち合わせ、操作に必要な「鎖錠カギ」を受け取らなくてはなりません。
作業終了時も忘れずに鎖錠カギを当務駅長に返却します。
鎖錠スイッチ箱は入換作業が比較的少なく、駅構内に入換標識を設置するにはコストが見合わないという駅に設置されています。

箱の下に付いているスイッチは踏切鳴動ボタン。
番線ごとに2個1ユニットずつ付いており、青いボタンがON(鳴動)、赤いボタンがOFF(停止)となっています。
この踏切鳴動ボタンを扱う事によって駅の東西にある踏切を制御できるため、入換作業には欠かせません。
非電化時代の石狩当別駅では車掌が入換作業を行っており、輸送職駅員と連携を取りつつ赤旗を持ってキハ40系・キハ141系・キハ143系の連結に当たっていました。


石狩当別駅 プラットホーム 鎖錠スイッチ箱 運転取扱業務 操車 駅輸送業務
石狩当別駅127

鎖錠スイッチ箱は2・3番線ホームの両端にあります。


石狩当別駅 操車 輸送助役 駅員 キハ40系400番台 キハ40形400番台
石狩当別駅121

非電化時代は3連、4連、5連、6連と編成両数のバラつきが多かった札沼線。
石狩当別駅での連結作業もよく見られました。
しかし電化後の現在は、末端区間の運用に入るキハ40系が2連で送り込み回送されてきた際に分割する程度。
操車も石狩当別駅の駅員が担当するようになり、撮影当時は赤帯2本入りヘルメットを被った輸送助役が作業を終えたばかりでした。


石狩当別駅 駅名標
石狩当別駅128

ホーム上の駅名標。



石狩当別駅130

ホーム上の名所案内。
当別を開拓した岩出山伊達家に縁のある、伊達記念館・伊達邸別館を案内しています。


※写真は全て2019年6月9日撮影
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最終更新日 : 2020-01-19

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