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2019-10-09 (Wed) 23:39

JR北海道が本社横に新ビル建設へ 周辺に散らばる職場を集約

JR桑園新ビル
『北海道新聞』2019年10月8日付朝刊第2面より引用

2019年10月5日、JR北海道は本社所在地の桑園地区にて地域住民を対象とした説明会を開き、桑園駅前に10階建てビルを建設する方針を明らかにしました。
建設予定地は桑園駅北口、JR北海道本社ビルの西隣に位置する社有地です。
新たに建設するビルは商業施設ではなく、周辺に散らばる業務施設の集約を目的としたオフィスビルとなります。
道新の2019年10月8日付朝刊で報じられたので、下記に引用しましょう。

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JR、本社隣に新ビル
札幌近郊の業務施設集約

 JR北海道は、札幌市中央区の本社ビル(北11西15)に隣接する社有地に、10階建て業務用ビルを新たに建設する。2021年度中に着工し、完成は22年度の予定。札幌近郊の業務施設を集約するのが狙いで、本社ビルとの連携強化を見込んでいる。
 JRが5日に建設予定地の桑園地区で開いた住民説明会で明らかにした。新ビルは鉄筋コンクリート造りで延べ床面積約1万2千平方㍍の社有地に建設する。建設費用は本社ビルと同程度の数十億円規模となる見通しで、詳細は今後詰める。ビルに入るのはJR関連の部署のみで、商業施設の入居予定はない。
 業務ビルは、札幌市の都市計画である「JR桑園駅周辺地区再開発地区計画」のエリア内。周辺にはマンションが立っているため、休憩所や屋根付きの歩行空間などを整備して景観に配慮する。(石井努)

≪出典≫
『北海道新聞』2019年10月8日付朝刊 第2面 総合
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JR北海道 国鉄 函館本線 札沼線 札幌保線所 札幌設備所 工務技術センター
桑園駅周辺の現業機関など
グーグルマップを元に作成
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道新に掲載された記事はごく短い文章で、具体的にどのような業務施設が集約されるかは明らかにしていません。
しかし入居する可能性のある現業機関等は、桑園駅や札幌駅の周辺に多数点在しています。
まずは函館本線琴似~桑園間の高架線沿いを見てみましょう。
国鉄末期の1978年10月に廃止された札幌市場駅跡の辺りには、札幌保線所、札幌保線所札幌保線管理室、札幌設備所、札幌構造物検査センター、札幌電力所・・・と工務現業機関が集中しています。

札幌保線所は言わずもがな札幌近郊の保線を担う現業機関で、配下に倶知安保線管理室、小樽保線管理室、札幌保線管理室、島松保線管理室、江別保線管理室、石狩当別保線管理室の計6管理室を置いています。
このうち札幌保線管理室は二十四軒の高架下にある本所に同居しています。
所長を筆頭に管理室長、助役(管理助役・線路助役・土木助役など)、保線係員(施設技術主任・施設技術係・施設係)、事務員(事務主任・事務係)が従事しています。

札幌設備所はかつての札幌建築区と札幌機械区を統合した現業機関で、JR北海道本社鉄道事業本部の直轄エリア内における建築物(駅舎・JR病院・社宅・社屋など)と機械設備(エスカレーター・エレベーター・空調・自動券売機・自動改札機など)の保守を担当しています。
所長を筆頭に助役、建築係員(建築技術主任・建築技術係・建築係)、機械係員(機械技術主任・機械技術係・機械係)、事務員(事務主任・事務係)が従事しています。

札幌構造物検査センターは本社鉄道事業本部の直轄エリア内にて橋梁、トンネル、プラットホームといった土木構造物の検査を担う現業機関です。
所長を筆頭に助役、土木係員(施設技術主任・施設技術係・施設係)が従事しています。

札幌電力所は札幌近郊において電力設備の保守を担う現業機関で、札幌市場駅跡付近の本所のみで稼働しています。
所長を筆頭に助役、電気係員(電気技術主任・電気技術係・電気係)、事務員(事務主任・事務係)が従事しています。

札幌市場駅跡付近の高架下にはこれら工務現業機関に加え、財務部資材倉庫と工務技術センターも収まっています。
財務部資材倉庫は国鉄時代の事務系現業機関、「経理資材所」に相当する施設と思われます。
工務技術センターは1995年10月に発足した工務系統の非現業部門で、自治体の都市計画に関わる建設工事の計画・設計・積算・工事監督などを担当しています。
都市計画に関わる工事とは、具体的に言うと鉄道線路の高架化や駅舎の移転新築、河川改修に伴う橋梁付け替えといったものです。
例えば苗穂駅の移転工事(2018年11月移転開業)は札幌市役所と工事協定を結んでいるため、工務技術センターが主幹として携わりました。
また、工務技術センターは札幌近郊に限らず全道の都市計画関連工事を引き受けており、旭川駅の高架化事業(2011年11月全面開業)も担当しています。
そんな工務技術センターは桑園駅の西側に分室を構えていますが、本所とはそこそこ離れており業務連携の上では多少なりとも非効率的かも知れません。

工務技術センターの本所と分室の間には、「桑園総合事務所」と看板を掲げた施設があります。
入居する部署の詳細は不明ですが、事務所前の駐車場にクルマが停まっている様子からしても業務施設として活用されているようです。



札幌駅周辺の現業機関など
グーグルマップを元に作成
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札幌駅周辺にも現業機関が散らばっています。
ラーメン二郎札幌店の至近には、国鉄初の信号区である岩見沢信号区をルーツに持つ札幌信号通信所があります。

紀伊國屋書店札幌店と「JR55 SAPPOROビル」の裏手には「JR北海道本社西ビル」と呼ばれるビルがあり、そこには札幌車掌所とCTCセンターが入居しています。
「本社西ビル」という名称はJR北海道本社が札幌駅にあった頃の名残です。

札幌駅構内には2010年4月に札幌地区駅輸送業務センターが開設されており、小樽地区駅(函館本線目名~朝里間)、手稲地区駅(函館本線銭函~琴似間)、学園都市線地区駅(札沼線全線)、新札幌地区駅(函館本線苗穂~豊幌間・千歳線白石~上野幌間)に属する各駅に対し運転取扱業務の指導及び支援を行っています。
JR西日本の駅運転統括チーム(チーム匠)のようなものです。

以上、ざっと本社の周辺に散らばる現業機関・非現業部門を挙げましたが、何れも事務所の位置がてんでにバラバラで、中には駅からも大きく離れた場所に拠点を置く機関が見られますね。
別々に建築物・土地を設けている所も多く、おそらくJR北海道は固定資産税や施設維持費など諸々を考慮した上で、ビルの新築によるスリム化に踏み切ろうとしているのだと思われます。
とはいえ建設費は数十億に上る見込みなので、経営状況を考えると重い負担であるはずですが・・・。
そして集約されるのは上述の各機関に限らず、JR北海道グループの各関連会社が対象になる可能性もあるでしょう。
今後の発表が待ち遠しいですね。
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最終更新日 : 2019-10-10

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