タタールのくにびき -蝦夷前鉄道趣味日誌-

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2019-08-31 (Sat) 13:54

いさ鉄線東久根別駅 住宅街に佇む貨車駅舎

東久根別駅1

渡島管内は北斗市久根別(旧:上磯郡上磯町久根別)1丁目にある、道南いさりび鉄道線(旧:JR北海道江差線)の東久根別(ひがしくねべつ)駅。
函館湾の北側に位置する久根別の住宅街にあり、駅の東側には久根別川が流れています。
駅前には4階建ての集合住宅が林立する市営住宅久根別団地があり、周囲には戸建て住宅が密集しています。
駅の徒歩圏内にはツルハドラッグ東久根別店、ファッションセンターしまむら上磯店、GEO北斗久根別店、ラルズマート久根別店などの小売店が集まるほか、飲食店や会社事務所も複数点在しています。


東久根別臨時乗降場
東久根別駅2

東久根別駅は国鉄末期の1986年11月ダイヤ改正に伴い、江差線久根別~七重浜間に臨時乗降場として設置されました。
同ダイヤ改正では道内の宅地化が進む地域において複数の臨時乗降場が設置されており、東久根別の他には函館本線の稲穂臨時乗降場(現:稲穂駅)、稲積公園臨時乗降場(現:稲積公園駅)、発寒中央臨時乗降場(現:発寒中央駅)、高砂臨時乗降場(現:高砂駅)、千歳線の平和臨時乗降場(現:平和駅)、根室本線の柏林台臨時乗降場(現:柏林台駅)、石北本線の西北見臨時乗降場(現:西北見駅)、愛し野臨時乗降場(現:愛し野駅)などが開業しています。
何れの駅も道内の国鉄線としては最後に開業した駅でした。


国鉄ワフ29500形貨車 貨車駅舎 車掌車
東久根別駅3

1987年4月の分割民営化に伴いJR北海道が継承し、これと同時に旅客駅に昇格。
暫くは函館地区駅(拠点:函館駅)の担当区域内に組み込まれ、配下の五稜郭駅が管理していました。
2016年3月に北海道新幹線新青森~新函館北斗間が開業すると、並行在来線となる江差線木古内~五稜郭間は経営分離され、第三セクターの道南いさりび鉄道(公称:いさ鉄)が継承しています。
道南いさりび鉄道は五稜郭駅にプロパーの駅員を置かないため、東久根別駅も五稜郭駅の管理エリアから外れる事になりました。
現在は道南いさりび鉄道本社の直轄駅となっており、駅構内にも運行状況等の問い合わせ先として五稜郭駅ではなく本社の電話番号(0138-83-1977)を掲示しています。



東久根別駅4

南面に佇む駅舎は車掌室と貨物室を併設した緩急車、ワフ29500形貨車を転用したいわゆる貨車駅舎。
車掌室側のデッキは鉄板で封じられてしまいましたが、車体側面には貨物室の積卸戸が残されています。
先述したとおり東久根別駅の開業は1986年11月。
これより1年半ほど前の1985年3月ダイヤ改正では、ヤード輸送から拠点間直行方式輸送への転換が進んだ事により、貨物列車は原則ワンマン運転となり大半の車掌車(事業用貨車の一種)が御役御免となりました。
列車掛(貨物列車の乗務・検査を担当した列車乗務員)についても大多数が普通車掌など他の職種への配転や、リストラの対象になっています。
そして1986年11月ダイヤ改正では貨物列車の完全ワンマン化が為され、車掌区・運転関係区所ともに列車掛の職名が廃止されました。
現在でも特大貨物輸送と一部の甲種輸送に限り車掌車が連結される事がありますが、乗り込むのは車両メーカー等の添乗監視員となっています。



東久根別駅5

そんな過渡期に廃車された車掌車の中には、無人駅の駅舎に転用された物も少なくありません。
しかし大抵は無人化した駅の本屋(それも出改札を停止して運転主任しか置かなくなった大変な小駅だったりする)を解体して代わりに廃車体を置くのに対し、東久根別駅は開業当初からの貨車駅舎なのだとか。
おまけにロケーションも貨車駅舎にありがちな小集落や農地ではなく、駅の真ん前に市営団地も構えているような住宅街ですから面白いギャップですw


キハ40系 タラコ色 朱色5号
ひがしくねべつ21

ワフ29500形貨車駅舎とタラコ色(首都圏色)を纏ったキハ40-1807のツーショット。



東久根別駅8

駅舎の西脇にはホーム・待合室に上がる階段があり、駅の南北を繋ぐ構内踏切も設けられています。
構内踏切にはクロスマークこそ無いものの、警報機と遮断機が設置されており道内の無人駅にしては設備が整っています。



東久根別駅10

構内踏切の手前には「列車ご利用のお客さま以外の通りぬけ禁止」と書かれた看板が掲示されています。
しかし、現地に行けば分かりますが構内踏切は地元住民の生活道路と化しており、誰もが素知らぬ顔で渡っていきます。
この看板を設置したのはJR北海道函館支社で、江差線がいさ鉄に移管されて既に3年が経過しています。
看板はそこそこ年季が入っており、いさ鉄も自社名を表示した看板に差し替えていない様子からして、特に事故も起きていないので黙認しているといったところでしょうね。



東久根別駅6

駅前に設置されたコカ・コーラの自動販売機をよく見ると・・・



東久根別駅7

「道南いさりび鉄道支援自動販売機」と表示されています。
東久根別駅の他には木古内駅、上磯駅、久根別駅、七重浜駅にも設置されており、災害等の非常時には渡島総合振興局からの遠隔操作によって自販機内在庫商品の無償提供が行われます。
また、売上の一部は道南いさりび鉄道地域応援隊に寄付され、公共交通機関を活用した地域づくりに活用されているとの事です。



ひがしくねべつ12

南口から階段を上って駅構内へ。
手前のドアは機械室なので入れません。
ホーム手前に待合室の玄関があります。



ひがしくねべつ13

ひがしくねべつ14

待合室の様子。
利用時間は7:00~20:00で、それ以外の時間帯は営業列車の運行中でも室内に立ち入る事は出来ません。
床には緑色のリノニウム材が敷かれ、3脚の木製ベンチと電気ストーブが置かれています。
函館市・北斗市の観光PRポスターをバックに簡易券売機が設置されており、函館~木古内間の片道切符と回数券を購入できます。



ひがしくねべつ16

ワンマン運転に関する案内。
江差線時代も同様でしたが、いさ鉄線五稜郭~上磯間では平日朝ラッシュ時の一部列車に限り、乗降を効率よく捌くため無人駅でも全てのドアが開閉されます。
東久根別駅発着で該当する列車は6:39発の下り121D(木古内5:52始発・函館行き)、7:11発の下り1151D(上磯7:01始発・函館行き)、7:47発の下り1153D(上磯7:38始発・函館行き)の計3本で、待合室の時刻表でも青文字で示されています。
これが函館本線長万部~倶知安間、根室本線新得~池田間、宗谷本線旭川~蘭留間、石北本線遠軽~網走間ですと車掌が補助乗務に当たり、運転士に代わって改札を担当します。



ひがしくねべつ15

駅舎の施設管理は北斗市役所に移管されており、室内には同市役所総務課による注意書きが掲示されています。



ひがしくねべつ9

構内踏切の北側から駅舎を眺めた様子。



ひがしくねべつ19

ひがしくねべつ20

1面1線の簡素な単式ホーム。
単線区間の棒線駅で有効長は20m車3両分ほどです。
ホームは横幅が狭く、コンクリートの床面には白線が引かれています。
転落防止の柵は大分赤錆びており、ある程度海岸から離れていても潮風の影響が強いだろう事を感じさせます。



ひがしくねべつ1

住宅街の棒線駅に停車したキハ40-1815「道南の四季」冬塗装。
2両編成の相方は濃緑のキハ40-1810でした。



ひがしくねべつ22

ホーム上の駅名標。


※写真は全て2019年4月29日撮影
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最終更新日 : 2019-08-31

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