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2019-03-28 (Thu) 23:54

廃止直前の石勝線夕張支線におけるキハ40系3連ピストン輸送【4】



前3回の記事で紹介したとおり2019年3月16日のダイヤ改正に伴い、廃止間近の石勝線夕張支線では普通列車が8往復に増便されています。
改正後は原則として同じ編成が支線内を折り返し続けるピストン輸送となり、月~金(祝日を含む)は2両編成、土日は3両編成での運行です。
JR北海道の公式プレスリリースは増便した3往復分を臨時列車としています。
しかし、営業最終日まで通算16日しか残されていない都合から、運行管理上は全列車が臨時列車扱いになっており、何れも「9」を列車番号に冠しています。
下記に現行ダイヤを再掲しましょう。

【下り9263D 新夕張始発・夕張行き】
新夕張6:30始発→沼ノ沢6:35発→南清水沢6:40発→清水沢6:43発→鹿ノ谷6:55発→夕張6:58終着

【上り9264D 夕張始発・新夕張行き】
夕張7:10始発→鹿ノ谷7:13発→清水沢7:21発→南清水沢7:24発→沼ノ沢7:29発→新夕張7:34終着

【下り9265D 新夕張始発・夕張行き】
新夕張7:46始発→沼ノ沢7:50発→南清水沢7:56発→清水沢7:59発→鹿ノ谷8:11発→夕張8:14終着

【上り9266D 夕張始発・新夕張行き】
夕張8:28始発→鹿ノ谷8:31発→清水沢8:40発→南清水沢8:42発→沼ノ沢8:47発→新夕張8:52終着

【下り9267D 新夕張始発・夕張行き】
新夕張10:07始発→沼ノ沢10:12発→南清水沢10:17発→清水沢10:21発→鹿ノ谷10:37発→夕張10:36終着

【上り9268D 夕張始発・新夕張行き】
夕張11:01始発→鹿ノ谷11:04発→清水沢11:13発→南清水沢11:16発→沼ノ沢11:21発→新夕張11:26終着

【下り9269D 新夕張始発・夕張行き】
新夕張11:40始発→沼ノ沢11:44発→南清水沢11:49発→清水沢11:52発→鹿ノ谷12:04発→夕張12:07終着

【上り9270D 夕張始発・新夕張行き】
夕張12:20始発→鹿ノ谷12:23発→清水沢12:31発→南清水沢12:34発→沼ノ沢12:39発→新夕張12:43終着

【下り9271D 新夕張始発・夕張行き】
新夕張13:05始発→沼ノ沢13:10発→南清水沢13:15発→清水沢13:19発→鹿ノ谷13:31発→夕張13:34終着

【上り9272D 夕張始発・新夕張行き】
夕張14:35始発→鹿ノ谷14:38発→清水沢14:47発→南清水沢14:50発→沼ノ沢14:55発→新夕張15:00終着

【下り9273D 新夕張始発・夕張行き】
新夕張15:30始発→沼ノ沢15:35発→南清水沢15:40発→清水沢15:44発→鹿ノ谷15:56発→夕張15:59終着

【上り9274D 夕張始発・新夕張行き】
夕張16:16始発→鹿ノ谷16:19発→清水沢16:28発→南清水沢16:31発→沼ノ沢16:36発→新夕張16:41終着

【下り9275D 新夕張始発・夕張行き】
新夕張17:00始発→沼ノ沢17:05発→南清水沢17:10発→清水沢17:14発→鹿ノ谷17:26発→夕張17:29終着

【上り9276D 夕張始発・新夕張行き】
夕張17:50始発→鹿ノ谷17:53発→清水沢18:02発→南清水沢18:05発→沼ノ沢18:10発→新夕張18:15終着

【下り9277D 新夕張始発・夕張行き】
新夕張18:36始発→沼ノ沢18:41発→南清水沢18:46発→清水沢18:50発→鹿ノ谷19:02発→夕張19:05終着

【上り9278D 夕張始発・追分行き】
夕張19:28始発→鹿ノ谷19:31発→清水沢19:40発→南清水沢19:43発→沼ノ沢19:48発→新夕張19:53着/20:00発→滝ノ上20:08発→川端20:18発→追分20:36終着

3月16日以降、夕張支線の普通列車には札幌車掌所リゾートチームの車掌が乗り込み、ワンマン運転の補助乗務を担当しています。
ツーマン運転とは異なりドア操作は運転士が担当しており、車掌は発車前にホームを監視しつつ運転士に対し客扱終了合図、すなわち「車掌スイッチを閉じ位置にせよ」を意味する車内ブザー合図2打を送っています。
新夕張駅と夕張駅の2駅では全てのドアが開きますが、途中駅では一番前のドアしか開閉しませんので利用の際はご注意ください。

なお、営業最終日の2019年3月31日は上り9278Dが室蘭本線に乗り入れ、追分~苫小牧間をノンストップで走ります。
列車番号も室蘭本線では9280Dに変更。

【上り9280D 追分発・苫小牧行き】
(※石勝線9278Dからの継続運転)追分20:44発→苫小牧21:24終着


JR北海道 国鉄 夕鉄バス 夕張鉄道 南清水沢駅 夕張市 拠点複合施設 臨時列車


さて、前回記事では清水沢駅の待合室で開催中のありがとう さようなら 清水沢駅展」を観覧し、上り9268D(夕張11:01始発・新夕張行き普通列車)を撮影した後、南清水沢駅に向けて歩き出した訳です。
線路沿いの道道38号線、国道452号線を南下し、15分ほどかけて南清水沢駅に到着しました。
駅構内には大手警備会社のセノンから警備員が2人も派遣されています。
ここではまず、駅ホームの南端に接する南校通り踏切でキハ40系3連を撮影します。
踏切の脇で列車を待っていると11:47にホーム上のスピーカーを介し、新夕張駅からの肉声案内放送が流れ出しました。
曰く、「今度の夕張行きは定刻より5分遅れで新夕張を出発した」との事。


キハ40系3両編成 苫小牧運転所 石勝線夕張支線沼ノ沢~南清水沢間


遅延は更に拡大して7分遅れの11:54、下り9269D(新夕張11:40始発・夕張行き普通列車)が姿を見せました。
助士側には保線社員が添乗していますがヘルメットに目を凝らすと、何と青帯2本の間に白帯1本を加えた所長用ヘルメットではありませんか!
室蘭本線・石勝線を管轄に置く追分保線所の所長自ら旅客列車に添乗し、夕張支線の線路状態を確認していた訳ですね。
通常なら青帯1本入りヘルメットを被る保線係員(施設係・施設技術係・施設技術主任)の仕事ですから、これはなかなかレアな光景だと思います。


日高本線 キハ40系350番台 日高色 南清水沢駅 北海道の恵みシリーズ 道央 花の恵み

日高本線 キハ40系350番台 日高色 南清水沢駅 北海道の恵みシリーズ 道央 花の恵み

日高本線 キハ40系350番台 日高色 南清水沢駅 北海道の恵みシリーズ 道央 花の恵み


不揃いカラーのヨンマル3連は開業以来の棒線駅である南清水沢駅に入線。


日高本線 キハ40系350番台 日高色 南清水沢駅 北海道の恵みシリーズ 道央 花の恵み


そして思いっきり夕張方に停車。
従来の単行列車と2両編成よりも前のめりの停止位置で、しかも車掌が乗っていながら一番前のドアしか開かないので、待合室から出てきた複数人の客は大慌てでホームを駆けていきます。
やっぱり全ドア開扉にしないのは疑問符が付くところですよね。


日高本線 キハ40系350番台 日高色 南清水沢駅 北海道の恵みシリーズ 道央 花の恵み


1・2両停止位置目標とヨンマル3連の先頭を見比べると、その距離の開きは歴然。
札幌車掌所リゾートチームの主任車掌さんも、相変わらずカメノコの状態でホームに降りる気配がありません。
編成前方にはわらわらと行列が出来ており(意外に女性客が多め)、岩見沢運転所の運転士も落とし窓から顔を出して時機を窺っていました。





乗降に手間取ってしまい、南清水沢駅には2分間停車。
定刻より7分遅れの11:56、下り9269Dは次の清水沢駅に向けて走り出しました。





この後は鉄研関係者の交流会を兼ねて「岩見沢駅複合駅舎開設10周年記念イベント」を見に行くため、次の上り9270D(夕張12:20始発・新夕張行き普通列車)で引き返す事に。
しかし、9270Dの南清水沢駅発車時刻は12:34、まだまだ時間があるので駅前のAコープ南清水沢店で昼食を買います。
南清水沢の駅前はAコープとホーマックニコットがあるおかげで、夕張市内では地元住民の行き来が活発なエリアです。





惣菜売り場で海老天丼を回収。
店内にイートインが設けられているので、そこで昼食タイムとしました。




夕鉄バス 夕張鉄道 札幌200か2197 日野ブルーリボン


食事を終えて外に出ると12:15、夕鉄バスの札幌200か2197(日野ブルーリボン/1997年式)がやって来ました。
元は自家用車で観光マスクの前面が特徴的です。
以前は基本的に札幌急行線で運行されていましたが、現在は夕張市内線に入る事が多いようです。





固雪に囲まれた南清水沢駅の駅舎。
平屋のコンクリートブロック造りで、緩やかに傾斜した招き屋根を有しています。
夕張市役所が夕張支線の廃止と引き換えに、建設計画を立てているバスターミナル併設の「拠点複合施設」は南清水沢駅付近にお目見えする予定です。
計画では鉄道用地の一部を拠点複合施設の整備に転用する方針で、この駅舎も廃線後はすぐさま解体されてしまうんでしょうね・・・。
拠点複合施設は2019年12月頃に完成する見込みです。





駅舎の手前には北海道知事選挙・北海道議会議員選挙のポスター掲示板が立てられました。
周知の通り道知事選には夕張市長として拠点複合施設の建設計画を打ち出した鈴木直道さんが出馬を表明しており、南清水沢駅に掲示板を立てたのは何とも象徴的な話だなあ・・・と感じる次第です。





待合室の様子。
実はこの南清水沢駅、かつての炭鉱都市・夕張にありながら、石炭輸送には一切関わっていないという変わり種。
開業時期は1962年12月、しかも開業以来の旅客駅(貨物営業をせず旅客営業のみ行う駅)であり、戦前生まれの一般駅ばかりの夕張支線としては異彩を放っています。


南清水沢駅 出札窓口 簡易委託駅


駅務長というのはJRから簡易委託を引き受けた個人が拝命する肩書きで、直営駅の管理者みたいに「駅長」と呼ばれる事もあります。
村上さんは最近、70歳の誕生日を迎えたのだとか。
温かい人柄で市民のみならず鉄道ファンにも親しまれています。

国鉄時代は出札のみならず改札も行う業務委託駅で、しかも従事する駅員は全員女性という全国的にも大変珍しい駅でした。
鉄道ジャーナル編集部が1975年11月、女性駅員しかいない南清水沢駅を取材しているので下記に引用しましょう。

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●乙女の園(南清水沢駅)
 夕張からの帰りの列車でめずらしい駅を偶然見つける。南清水沢の民間委託駅だ、そこに3人の乙女が働いている。
 山峡の小さな女の園!急遽、予定を変更して下車してしまった。居合わせた駅長さんは、及川尤子(ゆうこ)さん。28歳の独身。6年間もこの仕事を続けるという一本気な、そして色白のなかなかの美人である。もう一人は半年目というピチピチした明るい谷本豊子さん、21歳。朝の5時45分から夜の21時30分まで3人交代で勤めている。一日22本の旅客列車を扱い、主な業務は出札と改札と駅舎の管理。お客さんといえば、大半が通学の小学生と高校生。午後の4時過ぎちょうど下校の時刻なのだろう。ちいさな駅はランドセルを背負った小学生や、長髪・リーゼントカットの高校生でいっぱいだ。
「定期、紅葉山まで」
「ハイ、620円よ」
「アッ、今日カネもってねえや」
「バカね、あんたそれでも学校いってんの!」
「ウァ~、言われちゃった!このババア」
「ババアじゃないわよ、花の21歳よ、わたし」
「デカ鼻の21歳だろ、ハハハ・・・」
「この悪たれ坊主!」
 豊子さんはドンと机をたたく。高校生たちはワァーッと逃げる。
 そうかと思うと村のおばさんが
「友愛バザーのポスター貼らしておくれ」
とやってきたり、
「電話ちょっと貸してけれや、ついでに熱いお茶も・・・」
なんて図々しいおじさんも、ひとめ見たさにやって来る。
 尤子さんの机には、直径20cmもある大きな菊が頭をもたげ、窓ぎわには紙人形がいくつもおいてある。近所の花好きなおじいさんや小学生がもってくるという。女駅員さんはおらが村の人気もの!
 夕闇迫るホームに列車が入るころ、2人は改札に忙しい。
「ハーイ、並んで並んで!」
 豊子さんは遠足の生徒を扱うように、大きな高校生たちを並ばせる。
「バイ、バーイ、ネエちゃん!」
「ハイ、サヨナラ」
 列車がホームを去ると、車掌は身を乗り出して最敬礼!
 ふたりは並んでペコンとオジギをする。
 和歌山へ出てて、都会はいやだと帰ってきた尤子さん。将来のことなんてわかんない、と目を丸くする豊子さん。
 男の炭坑(ヤマ)に、女の生々しい青春の顔があった。
 ちなみに一日の売上げは、3万~4万円。南清水沢から東京都区内までの運賃は4,810円。いままで一番遠くへのキップは九州の佐世保だったという。

出典:『ドキュメント列車追跡 リバイバル作品集⑦』(1983年/鉄道ジャーナル社)p.126~127
掲載記事:芦原伸「帰らざる旅路」
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28歳にして駅長とは若すぎる!
これは直営駅だと考えられない人事ですね。
まさしく運転取扱業務が無く、それに係る教育も為されない業務委託駅ならではと言えるでしょう。
当時の夕張線(現・石勝線)は全区間に渡りタブレット閉塞を採用していたのですが、先述したとおり南清水沢駅は開業以来の棒線駅であり、当然ながら非運転駅なので女性駅員だけでも務まると考えられたのでしょうね。
この記事から44年の間、北海道でも女性駅長や女性車掌がデビューしましたが、女性の輸送担当駅員(輸送係・輸送指導係・輸送主任)は未だお目にかかりません。





待合室では「思い出お~い夕張支線」と題した写真展が開催されており、四季折々の彩り豊かな鉄道風景を楽しめます。





写真を提供されたのは愛知県西三河地区にお住まいの中野隆之さん。
JTPA(日本旅行写真家協会)の会員で、これまで幾度も夕張に足を運び鉄道風景を記録されてきました。
待合室に貼られた読売新聞の記事によると、2018年も「5月頃から四季を通じて夕張支線の写真撮影に来夕」なさっているといいます。





駅事務室ではチャボを飼育しているので、彼らのスナップも展示されていますw





出札窓口では写真展「思い出お~い夕張支線」の開催に伴い、記念ポストカード「四季の4枚セット」を販売中です。
南清水沢駅でしか買えない永久保存版!





ホーム上にも賑やかな装飾が為されています。
駅務長の村上さん曰く、「鉄道ファンの人達が5人がかりで手伝ってくれた」との事。





ホーム上の新夕張方にはカラフルなかまくらが登場。





小さな穴の中には人形が飾られています。




南清水沢駅 ホーム 幸福の黄色いハンカチ 夕張支線 廃線


「幸福の黄色いハンカチ」も随所に配置。


南清水沢駅 ホーム 簡易委託駅


柵には色とりどりの風船が括りつけてあります。





案の定、上り9236Dも若干の遅れが発生しており、12:36に入線。
かつて女性駅員が立った改札口にはセノンの警備員が立ち、旅客の警戒に当たっていました。

定刻より3分遅れの12:37、南清水沢駅を出発。
乗車率はそこそこだと思うのですが、行きで乗った下り9267Dよりも乗客は少なめでした。
ホームを出て「次は沼ノ沢です」というワンマン自動放送が流れてから、主任車掌に代わってリーダー(いわゆる助役補佐)が沿線案内の肉声放送をかけました。
リーダーがガイドアナウンスをこなしている間、主任車掌は車内を巡回し車内補充券の発行に務めます。





終点の新夕張駅には定刻より4分遅れの12:47に到着。
ここで対岸の2番線に停車している石勝線2628D(新夕張13:03始発・千歳行き普通列車)に乗り換えます。
1両単行での運転で、充当車両はキハ40-356でした。
3両編成からの乗り換え客が1両に集中したので、車内は結構な混雑になりました。





更に追分駅で14:05発の室蘭本線1469D(苫小牧13:26始発・岩見沢行き)に乗り換え。
室蘭本線遠浅~三川間では胆振東部地震の影響で減速運転が続いており、追分駅3番線には定刻より6分遅れの14:11に入線。
充当車両はキハ40-1762でした。





その後、更に減速運転が続き、岩見沢駅には定刻より13分遅れの15:03に到着しました。

この後はOB会関係者で集まって「岩見沢複合駅舎開設10周年記念イベント」を見た後、翌17日にOBいしかわさんと夕張支線を1往復しました。
次回に続きます。


※写真は全て2019年3月16日撮影


(文・写真:叡電デナ22@札幌市在住)


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最終更新日 : 2019-07-03

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