タタールのくにびき -蝦夷前鉄道趣味日誌-

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2019-03-20 (Wed) 08:43

廃止直前の石勝線夕張支線におけるキハ40系3連ピストン輸送【2】



前回記事で紹介したとおり2019年3月16日のダイヤ改正に伴い、廃止間近の石勝線夕張支線では普通列車が8往復に増便されています。
改正後は原則として同じ編成が支線内を折り返し続けるピストン輸送となり、月~金(祝日を含む)は2両編成、土日は3両編成での運行です。
JR北海道の公式プレスリリースは増便した3往復分を臨時列車としています。
しかし、営業最終日まで通算16日しか残されていない都合から、運行管理上は全列車が臨時列車扱いになっており、何れも「9」を列車番号に冠しています。
下記に現行ダイヤを再掲しましょう。

【下り9263D 新夕張始発・夕張行き】
新夕張6:30始発→沼ノ沢6:35発→南清水沢6:40発→清水沢6:43発→鹿ノ谷6:55発→夕張6:58終着

【上り9264D 夕張始発・新夕張行き】
夕張7:10始発→鹿ノ谷7:13発→清水沢7:21発→南清水沢7:24発→沼ノ沢7:29発→新夕張7:34終着

【下り9265D 新夕張始発・夕張行き】
新夕張7:46始発→沼ノ沢7:50発→南清水沢7:56発→清水沢7:59発→鹿ノ谷8:11発→夕張8:14終着

【上り9266D 夕張始発・新夕張行き】
夕張8:28始発→鹿ノ谷8:31発→清水沢8:40発→南清水沢8:42発→沼ノ沢8:47発→新夕張8:52終着

【下り9267D 新夕張始発・夕張行き】
新夕張10:07始発→沼ノ沢10:12発→南清水沢10:17発→清水沢10:21発→鹿ノ谷10:37発→夕張10:36終着

【上り9268D 夕張始発・新夕張行き】
夕張11:01始発→鹿ノ谷11:04発→清水沢11:13発→南清水沢11:16発→沼ノ沢11:21発→新夕張11:26終着

【下り9269D 新夕張始発・夕張行き】
新夕張11:40始発→沼ノ沢11:44発→南清水沢11:49発→清水沢11:52発→鹿ノ谷12:04発→夕張12:07終着

【上り9270D 夕張始発・新夕張行き】
夕張12:20始発→鹿ノ谷12:23発→清水沢12:31発→南清水沢12:34発→沼ノ沢12:39発→新夕張12:43終着

【下り9271D 新夕張始発・夕張行き】
新夕張13:05始発→沼ノ沢13:10発→南清水沢13:15発→清水沢13:19発→鹿ノ谷13:31発→夕張13:34終着

【上り9272D 夕張始発・新夕張行き】
夕張14:35始発→鹿ノ谷14:38発→清水沢14:47発→南清水沢14:50発→沼ノ沢14:55発→新夕張15:00終着

【下り9273D 新夕張始発・夕張行き】
新夕張15:30始発→沼ノ沢15:35発→南清水沢15:40発→清水沢15:44発→鹿ノ谷15:56発→夕張15:59終着

【上り9274D 夕張始発・新夕張行き】
夕張16:16始発→鹿ノ谷16:19発→清水沢16:28発→南清水沢16:31発→沼ノ沢16:36発→新夕張16:41終着

【下り9275D 新夕張始発・夕張行き】
新夕張17:00始発→沼ノ沢17:05発→南清水沢17:10発→清水沢17:14発→鹿ノ谷17:26発→夕張17:29終着

【上り9276D 夕張始発・新夕張行き】
夕張17:50始発→鹿ノ谷17:53発→清水沢18:02発→南清水沢18:05発→沼ノ沢18:10発→新夕張18:15終着

【下り9277D 新夕張始発・夕張行き】
新夕張18:36始発→沼ノ沢18:41発→南清水沢18:46発→清水沢18:50発→鹿ノ谷19:02発→夕張19:05終着

【上り9278D 夕張始発・追分行き】
夕張19:28始発→鹿ノ谷19:31発→清水沢19:40発→南清水沢19:43発→沼ノ沢19:48発→新夕張19:53着/20:00発→滝ノ上20:08発→川端20:18発→追分20:36終着

なお、営業最終日の2019年3月31日は上り9278Dが室蘭本線に乗り入れ、追分~苫小牧間をノンストップで走ります。
列車番号も室蘭本線では9280Dに変更。

【上り9280D 追分発・苫小牧行き】
(※石勝線9278Dからの継続運転)追分20:44→苫小牧21:24終着


JR北海道 国鉄 夕張支線 キハ40系3両編成 新夕張駅


前回記事では夕張川に架かる橋を渡るキハ40系3連を撮影した後、徒歩で新夕張駅に戻り待合室の掲示物や増設された伸縮フェンスを眺めたのでした。
9:37頃にホームに出ると、3両編成はドアを閉め休息をとっています。
前面種別幕は「臨時」と表示。


JR北海道 国鉄 夕張支線 キハ40系3両編成 新夕張駅 道央 花の恵み キハ40-1780


中間には「北海道の恵み」シリーズのうち、苫小牧運転所に所属する「道央 花の恵み」のキハ40-1780が挟まっています。
夕張方にはJR北海道色、追分・新夕張方には日高色・・・と3両の塗装は見事にバラバラ。
組成内容は下記の通りとなります。

←追分・新夕張 キハ40-354キハ40‐1780キハ40-1763 夕張→

3両とも苫小牧運転所に所属しています。
キハ40系350番台については元は日高線運輸営業所の所属でしたが、2015年1月の高波被害による不通の影響により、同構内にある苫小牧運転所に転属しました。
動力車乗務員(運転士・主任運転士)も日高線運輸営業所から苫小牧運転所に異動。
現在、日高本線の列車に乗務する運転士の名札を見ると、所属が「苫小牧運転所」と表示されています。





3両が次に入る列車は下り9267D。
10:07の発車まで30分も時間がありましたが、ホームには既に撮影の同業者がチラホラ。




JR北海道 国鉄 キハ40系3連 JR北海道色 日高色 キハ40系350番台 キハ40系1700番台


4分ほどで1・2番線ホームからの撮影を済ませたら、階段の上り下りを経て3・4番線ホームに移動。
まだドアの開く時間ではありません。





側面サボは従来の「新夕張⇔夕張」を表示する物ではなく、「ありがとう夕張支線」と大きく書いた新品を掲出。
留萌本線留萌~増毛間の廃止直前に旭川~増毛間で運転された臨時列車と同様、サボは盗難防止のためワイヤーで固定されています。


石勝線夕張支線 ありがとう夕張支線 側面サボ 臨時列車 苫小牧運転所


同じサボでも車体の塗装によって印象は変わってくるものです。
こちらは「道央 森の恵み」との組み合わせ。


石勝線夕張支線 ありがとう夕張支線 側面サボ 臨時列車 キハ40系350番台 日高色 日高本線


「ありがとう夕張支線」のサボと優駿浪漫のロゴマーク。
日高本線の存廃も気がかりです。


キハ283系 新夕張駅


1番線には9:43、定刻より4分遅れで「スーパーおおぞら2号」が入線。
ホームでは便乗移動の運転士が胴乱を提げて待機していました。
特急が停まると夕張支線目当ての鉄道ファンがぞろぞろと下車し、3・4番線ホームに移動してきました。


キハ40系350番台 新夕張駅 石勝線夕張支線


9267Dは発車12分前の9:55に乗降口を開扉。
駅構内の客が次々と乗り込んでいきます。





2019年3月16日以降、夕張支線の普通列車には札幌車掌所の車掌が乗務しています。
ダイヤ改正初日の車掌さんは中堅の主任車掌。
車内放送装置の受話器を取って発車前の案内放送をかけていました。





車掌が乗務する最後尾の乗務員室をよく見ると・・・





何と通用口に黄色いハンカチを飾っているではありませんか!
ご承知のとおり高倉健さん、倍賞千恵子さん、武田鉄矢さんが出演した映画『幸福の黄色いハンカチ』は夕張で撮影されており、これに因んだ装飾を施していた訳です。
車掌さんが付けるネクタイも黄色一色で、車内放送でもその旨を解説していました。
やはり「元気です夕張号」の車掌さんが付けていた黄色いネクタイも、雰囲気を盛り上げるための演出だったんだなと確信。





本務車掌に加えて札幌車掌所のリーダー(いわゆる助役補佐)も添乗。
リーダーは1990年代後半に新設されたJR北海道独自の役職で、主任よりも格上ですが着用する制帽は識別線の無い一般用です。
同じ車掌所でも助役なら金線1本入り黒帯、所長なら金線2本入り黒帯なんですけどね。


札幌車掌所リゾートチーム ありがとう夕張支線 ポスター


中間に組み込まれた乗務員室の運転台側背面窓には、札幌車掌所リゾートチームが夕張支線の利用に感謝を込めて作成したポスターが掲示されています。
合計4枚で1ヶ所ずつ異なる内容です。




ノースレインボーエクスプレスに乗務する札幌車掌所リゾートチームの車掌
『鉄道ジャーナル1997年5月号 NO.367』p.20より引用
1997年2月16日~18日の取材で、永山欣弥氏による撮影

リゾートチームとは1980年代後半より札幌車掌所内に存在する、ジョイフルトレイン・臨時列車の乗務や観光増収に向けた企画営業を担当する部署の事。
現在では他の車掌と同じ制服を着ていますが、1990年代には緑色のオリジナル制服を着て列車に乗務していました。
かつてはリゾートチーム独自でオレンジカードも販売していましたね。
今回の夕張支線の乗務も札幌車掌所リゾートチームが担当しており、これまで臨時列車がらみで何度も見かけた初老のリーダーさんもリゾートチームの所属だった訳です。
他にも国鉄末期の札幌車掌区ではブルトレチームという部署も開設され、寝台特急北斗星の運行開始に向けた勉強会を開いていたといいます。


札幌車掌所リゾートチーム ありがとう夕張支線 ポスター


4枚中3枚は夕張支線の各駅を紹介する内容。
こちらは新夕張駅と沼ノ沢駅のポスターです。


札幌車掌所リゾートチーム ありがとう夕張支線 ポスター


こちらは南清水沢駅と清水沢駅のポスター。
どちらも夕張市が新たな中心部と位置づける清水沢地区にあります。


札幌車掌所リゾートチーム ありがとう夕張支線 ポスター


最後に鹿ノ谷駅と夕張駅のポスター。
炭鉱都市・夕張を支えた鉄路はまもなく終焉を迎えます。





発車10分前の車内には既にベストポジションを確保した同業者の姿が多く見られます。
暫くすると待合室にいた客もぞろぞろと乗り込んできて、3両編成のほとんどの座席が埋まる事態に。
しかし立ち客はさほど多くなく、想像していたほどの混雑にはなりませんでしたね。


さあ、これから9267Dに乗って清水沢駅まで移動します。

【下り9267D 新夕張始発・夕張行き】
新夕張10:07始発→沼ノ沢10:12発→南清水沢10:17発→清水沢10:21発→鹿ノ谷10:37発→夕張10:36終着

札幌方面からの上り特急スーパーおおぞら3号が7分ほど遅延。
乗り換えを待ってからの発車となり、定刻より2分遅れの10:09に新夕張駅を出発しました。
閉扉前の車掌の動作をよく見ると、客の乗車が済んだら「車掌スイッチを閉じ位置にせよ」を意味する車内ブザー2打を運転士に送り、それを受けた運転士が閉扉操作を行っています。
そして発車合図の車内ブザー1打を省略し、運転士の判断により発車。
つまり車掌こそ乗務すれど、今回の3両編成はツーマン運転ではなくワンマン運転なのです。
故に車内放送は基本的にワンマン運転用の自動放送装置を使用し、列車種別も「ワンマン列車」と案内されました。

次駅案内の自動放送が流れ終わると主任車掌が受話器を取り、ガイドアナウンスを始めました。

「本日はJR北海道石勝線夕張支線をご利用くださいましてありがとうございます。列車は夕張の街並みを眺め、自然豊かな区間を走行して参ります。ただいま走行しております夕張支線は夕張・新夕張間を結ぶ長閑な雰囲気をお楽しみ頂けるローカル線です。元々は夕張近郊で掘り出された石炭を室蘭港などへ効率良く運ぶため、先に開業していた岩見沢・室蘭間の北海道炭礦鉄道へ接続する支線として夕張・追分の建設が行われ、明治25年に開業いたしております。昭和の終わり頃まで鹿ノ谷駅で接続し、栗山を経て江別市の野幌まで結んだ夕張鉄道、清水沢駅からの大夕張鉄道、沼ノ沢駅からの真谷地炭鉱専用鉄道と接続しており、多くのお客様にご利用いただくと共に、貨物列車も頻繁に行き来した路線でございます。現在もこの3つの接続駅は、大変広い敷地を持っており、多数の線路が敷設されていた当時の繁栄を物語っております。また、夕張支線の各駅には駅舎内に当時を物語る昔懐かしい写真や資料が多く展示されており、駅に降りていただきますと当時の賑わいを感じていただけます。夕張支線は開業から127年を迎えた今年、平成31年3月31日をもちまして長い歴史に幕を閉じますが、夕張支線が役目を終えました後、この先の南清水沢地区には近くにある夕張高校の生徒をはじめ地元の皆様にご利用しやすい新たな交通拠点が建設される事になっております。夕張支線は新たな時代に向けた夕張の発展のため、バトンを引き継ぐ事となります。石炭輸送を通じた北海道の発展や、夕張の皆様の生活に大きく貢献し、活躍して参りました夕張支線の勇姿を、皆様の思い出としていつまでも心の中にお留めいただくと幸いです。夕張支線での旅をお楽しみください。なお、本日は列車最後尾の乗務員室にて、映画『幸福の黄色いハンカチ』をイメージした飾り付けを施しておりますので是非ともご覧ください。また、車掌も黄色いネクタイを着用し乗務しております。皆様にも幸せが訪れます事を心より願います

そして通常どおり「まもなく沼ノ沢です」という自動放送が流れ、10:12に沼ノ沢駅に停車。
十勝管内やオホーツク管内などでは、車掌が補助乗務を担当する際は無人駅でも乗降の多い駅では全てのドアが開きますが、夕張支線9267Dは普段と変わらず1番前だけ開扉。
3両編成でなおかつ全車両が客扱いなのだから、全てのドアを開けても良いような気がするんですけどね。
定刻より2分遅れの10:13に発車。

以降は2分遅れを維持し、かつての炭鉱都市を北上していきます。
10:18、南清水沢駅に停車。
夕張市内では特に大きな住宅街ですが、ここでも普段どおり一番前のドアしか開きません。
うっかり編成後方に乗ってしまった地元住民が、大慌てで一番前へと移動していきました。
せっかく車掌も乗務していますし、こういう事があるから全ドア開扉はした方が良いと思うのですが。
10:19に発車。





列車最後尾に札幌車掌所のリーダーと主任車掌の計2名が乗務する一方、先頭には岩見沢運転所の動力車乗務員が2名。
添乗の1名は年配の主任運転士さんで、本務運転士に代わって運賃収受を担当していました。





そして10:22、清水沢駅で下車。
案の定、ここでも一番前のドアだけ開扉。
何人か同業者が下車しましたが、ほとんどの乗客は終点の夕張駅まで移動するようでした。
ホームには警備会社のセノンから派遣された警備員が立ち、旅客対応をしています。


石勝線夕張支線 車掌 補助乗務 ワンマン列車 清水沢駅 キハ40系350番台 日高色


10:23、下り9267Dが発車。
車掌は落とし窓から顔を出して列車監視に務めます。





ホーム上での撮影が済んだら、跨線橋に上がって折り返しを狙う事とします。
次回に続きます。


※写真は特記を除き2019年3月16日撮影


(文・特記を除く写真:叡電デナ22@札幌市在住)


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最終更新日 : 2019-07-03

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